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第3話 氷の公爵の救いの手
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ルミナス公爵邸の朝は静寂に包まれていた。
鳥のさえずりが遠くで響き、薄青のカーテン越しに差し込む陽光が部屋を柔らかく照らす。昨夜の涙が乾いたレティシアは、微かな不安と共にその光に目を細めた。
手紙に書かれていた通り、公爵の部屋へ行かなければならない。胸の奥がざわめく。まだ会って日も浅い彼に、どんな顔を向ければいいのだろう。救いの手を差し伸べられた恩人。だが同時に、この邸で生きるための最初の試練が始まろうとしていた。
ノックの音が響くと、扉の向こうから穏やかな声がした。
「おはようございます、レティシア様。お目覚めでしょうか?」
昨夜、玄関で出迎えてくれた執事――セバスチャンである。
「……おはようございます、セバスチャンさん。」
「お支度ができ次第、公爵様がお待ちです。ご案内いたしましょう。」
鏡の前で急いで髪を整え、深呼吸を一つ。涙の跡を隠すように粉を軽くはたき、姿勢を正す。扉を開けた瞬間、冷たいが清らかな空気が肺に満ちた。
長い廊下の奥、書斎のような静謐な部屋の前でセバスチャンが一礼する。
「こちらです。くれぐれも緊張なさらずに。」
緊張するなという方が無理な話だ。唇を引き結び、扉を叩く。
「入れ。」短く低い声が返ってくる。
室内には大きな窓から明るい光が差し込み、机の上には整理された書類の山。執務中のアランが顔を上げ、鋭い青の瞳で彼女を見た。だがその光は、昨夜感じたものとは少し違っていた。
「来たか。座れ。」
促されて椅子に腰を下ろすと、香ばしい紅茶の香りが漂った。
「……おはようございます、公爵様。」
「調子はどうだ。」
「はい……おかげさまで、少し落ち着きました。」
アランは軽く頷き、紅茶を一口含む。その動作に無駄がない。冷静で沈着、そしてどこまでも非情に見えた男が、今は何かを考え込んでいるようだった。
「昨夜はよく眠れたか?」
「……ええ。お気遣い、ありがとうございます。」
「そうか。疲れていたろう。お前のような状況では当然だ。」
レティシアは思わず問い返した。「なぜ、私をお助けくださったのですか? 王都では、私が罪人同然の扱いを受けているのに……」
アランの表情が一瞬だけ曇った。
「俺は正義感など持ち合わせていない。ただ、あの王太子のやり口があまりにも下劣に見えただけだ。」
「……殿下のことをご存じで?」
「表向きは王家に忠誠を誓う貴族の一人だが、裏の情報はいくつか耳に入る。王太子エドワードの背後には、自分の利益しか考えぬ取り巻きが多い。彼らが何を企んでいるか、俺は興味がある。」
その言葉の奥に、淡い怒りが見えた。
氷の公爵――と呼ばれている理由が少しだけ分かる。冷静で、感情を見せず、そして誰にも屈しない男。だがその氷の奥には、確かな正義と憤りが隠されているように感じた。
「……では、私はこの屋敷でどうすればよいのでしょうか?」
しばらくの沈黙の後、アランは手にしたカップを置いた。
「お前の身を保護する。王都の動きが落ち着くまで、ここで過ごすといい。その間、ただの賓客として穏やかに暮らせ。」
「賓客……私などが?」
「他にどう呼べばいい。お前を召使いにする気はない。」
その声は淡々としていたが、決して突き放すものではなかった。
「ありがとう……ございます。」小さく礼を述べると、アランの瞳が少しだけ柔らいだ。
「それと――」
と、彼は書類束を指先で弾いた。「お前の事件に関して、少し調べさせた。王立学園に通っていた時期、お前を陥れたとされる伯爵令嬢ミリア・ハートリィについてだ。」
レティシアの胸が跳ねた。
「……彼女が、何か?」
「ミリア嬢は既に王都の上層貴族の後援を得ている。おそらく裏で糸を引いていたのは、王太子の側近――デリック・ノア男爵。女の涙と同情を利用して王太子の心を掴んだ策士だ。」
「やはり……」
レティシアの手が膝の上で震えた。
すべてが仕組まれた罠だったのだ。あの日、ミリアに呼び出され、偶然を装って仕掛けられた誤解。すべてはデリックが描いた筋書き。
「お前を完全に追い出したことで、彼らは満足しただろうが……王城内では早くも新しい問題が起きているらしい。」
アランの唇がわずかに歪んだ。「王太子がミリアを溺愛するあまり、政務を怠りはじめた。評判など一瞬で変わるさ。」
その冷ややかな口調の中に、どこか愉快そうな響きが混じっていた。
「皮肉なものですね……」
レティシアは小さく笑った。「私が失脚したことで、殿下は自らの首を絞めつつあるなんて。」
「復讐を望むか?」
唐突な問いに、レティシアは息をのんだ。
心の奥底に、確かに憎しみがある。だが、それ以上に疲れ果てている自分がいた。
「……今は望みません。ただ、真実を知ってもらいたい。それだけです。」
アランは頷いた。「それがいい。怒りに呑まれた者は視野を失う。お前はまだ、立ち上がれる。」
執務机の上に、一輪の白百合が飾られているのに気づいた。
「その花……昨夜、私の部屋にも同じものがありました。」
「癒えぬ傷には、静かなものが必要だ。」アランは淡く笑った。
その一瞬だけ、氷が溶けたように見えた。
やがて彼は立ち上がった。「今日から屋敷の案内を受けろ。侍女を一人つける。屋外の庭園も好きに散策していい。」
「はい。ありがとうございます。」
書斎を出て廊下を歩くうちに、胸の奥が少しずつ軽くなっていくのを感じた。昨夜までの絶望が、ほんの少しだけ形を変えている。温かな日差しが高い窓から差し込み、長く続く廊下を照らしていた。
──彼の救いの手にすがるしかない立場だと分かっているのに、不思議と怖くなかった。
彼の言葉には、氷の奥に確かな優しさがあったから。
昼下がり、侍女のマリーに案内されて庭を見回ると、白い薔薇が咲き誇っていた。咲きたての花びらが風に揺れ、甘い香りを放つ。レティシアは思わず微笑む。
「どれほど冷たい場所にも、花は咲くのですね。」
「公爵様が育てておられるのですよ。」
「えっ、アラン様が?」
マリーが頷いた。「見かけによらず、花がお好きで……雨の日には温室で世話をなさっています。」
その話を聞いた瞬間、胸の奥が温かくなった。
夕刻になり、自室に戻ると、机の上に小さな包みが置かれていた。
開けると、真紅のリボンで結ばれた小さな指輪箱。中には淡い青色の宝石が入っている。
――氷のように透きとおる、水晶の指輪。
添えられた小さなメモには、ただ一行だけ書かれていた。
『これを着けろ。お前を害する者を近づけぬために。』
思わず胸が熱くなる。単なる贈り物ではなく、守りの誓い。その意図が伝わり、レティシアは静かにその指輪をはめた。冷たい石の感触が、なぜか心を穏やかにする。
夜が更けても、彼女はなかなか眠れなかった。窓の外には満月が照っている。遠くで風が凪ぎ、花びらがひとひら舞い上がる。
その時、不意に扉の外で足音がした。
「レティシア、起きているか。」
低く抑えた声。アランだった。
慌ててドアを開けると、彼は薄い外套のまま立っていた。
「……眠れないのですか?」
「いや。お前の部屋の明かりが消えなかったからな。」
「す、すみません。まだ眠れなくて……」
「当然だ。急に生活が変わったのだから。」
アランは一瞬黙り込み、そして静かに告げた。
「お前はもう一人ではない。ここでは、誰もお前を責めない。心にまだ隙間があるなら、今はそれを埋めようとしなくていい。」
言葉の一つ一つが、心に沁みた。
「……ありがとうございます、公爵様。」
「礼は要らん。俺はただ、守るべきものを守るだけだ。」
月明かりが二人の間に差し込み、静かな影を落とした。レティシアはその光の中で、初めて深く息を吐いた。胸の重石が少しだけ軽くなっていく。
「もう休め。」アランがそう言って立ち去ろうとしたとき、レティシアは思わず呼び止めていた。
「その……あの指輪、本当に、ありがとうございます。」
彼は足を止め、わずかに振り返る。
「似合っている。」
短くそう言い残して、廊下の暗がりに姿を消した。
扉を閉めた後、胸の奥に静かな熱が灯る。
冷たいはずの人なのに、触れた心はこんなにも温かい。
もし、この世界にまだ“救い”という言葉が存在するなら、それは彼の手の中にあるのかもしれない――そう感じながら、レティシアはようやく深い眠りに落ちていった。
続く
鳥のさえずりが遠くで響き、薄青のカーテン越しに差し込む陽光が部屋を柔らかく照らす。昨夜の涙が乾いたレティシアは、微かな不安と共にその光に目を細めた。
手紙に書かれていた通り、公爵の部屋へ行かなければならない。胸の奥がざわめく。まだ会って日も浅い彼に、どんな顔を向ければいいのだろう。救いの手を差し伸べられた恩人。だが同時に、この邸で生きるための最初の試練が始まろうとしていた。
ノックの音が響くと、扉の向こうから穏やかな声がした。
「おはようございます、レティシア様。お目覚めでしょうか?」
昨夜、玄関で出迎えてくれた執事――セバスチャンである。
「……おはようございます、セバスチャンさん。」
「お支度ができ次第、公爵様がお待ちです。ご案内いたしましょう。」
鏡の前で急いで髪を整え、深呼吸を一つ。涙の跡を隠すように粉を軽くはたき、姿勢を正す。扉を開けた瞬間、冷たいが清らかな空気が肺に満ちた。
長い廊下の奥、書斎のような静謐な部屋の前でセバスチャンが一礼する。
「こちらです。くれぐれも緊張なさらずに。」
緊張するなという方が無理な話だ。唇を引き結び、扉を叩く。
「入れ。」短く低い声が返ってくる。
室内には大きな窓から明るい光が差し込み、机の上には整理された書類の山。執務中のアランが顔を上げ、鋭い青の瞳で彼女を見た。だがその光は、昨夜感じたものとは少し違っていた。
「来たか。座れ。」
促されて椅子に腰を下ろすと、香ばしい紅茶の香りが漂った。
「……おはようございます、公爵様。」
「調子はどうだ。」
「はい……おかげさまで、少し落ち着きました。」
アランは軽く頷き、紅茶を一口含む。その動作に無駄がない。冷静で沈着、そしてどこまでも非情に見えた男が、今は何かを考え込んでいるようだった。
「昨夜はよく眠れたか?」
「……ええ。お気遣い、ありがとうございます。」
「そうか。疲れていたろう。お前のような状況では当然だ。」
レティシアは思わず問い返した。「なぜ、私をお助けくださったのですか? 王都では、私が罪人同然の扱いを受けているのに……」
アランの表情が一瞬だけ曇った。
「俺は正義感など持ち合わせていない。ただ、あの王太子のやり口があまりにも下劣に見えただけだ。」
「……殿下のことをご存じで?」
「表向きは王家に忠誠を誓う貴族の一人だが、裏の情報はいくつか耳に入る。王太子エドワードの背後には、自分の利益しか考えぬ取り巻きが多い。彼らが何を企んでいるか、俺は興味がある。」
その言葉の奥に、淡い怒りが見えた。
氷の公爵――と呼ばれている理由が少しだけ分かる。冷静で、感情を見せず、そして誰にも屈しない男。だがその氷の奥には、確かな正義と憤りが隠されているように感じた。
「……では、私はこの屋敷でどうすればよいのでしょうか?」
しばらくの沈黙の後、アランは手にしたカップを置いた。
「お前の身を保護する。王都の動きが落ち着くまで、ここで過ごすといい。その間、ただの賓客として穏やかに暮らせ。」
「賓客……私などが?」
「他にどう呼べばいい。お前を召使いにする気はない。」
その声は淡々としていたが、決して突き放すものではなかった。
「ありがとう……ございます。」小さく礼を述べると、アランの瞳が少しだけ柔らいだ。
「それと――」
と、彼は書類束を指先で弾いた。「お前の事件に関して、少し調べさせた。王立学園に通っていた時期、お前を陥れたとされる伯爵令嬢ミリア・ハートリィについてだ。」
レティシアの胸が跳ねた。
「……彼女が、何か?」
「ミリア嬢は既に王都の上層貴族の後援を得ている。おそらく裏で糸を引いていたのは、王太子の側近――デリック・ノア男爵。女の涙と同情を利用して王太子の心を掴んだ策士だ。」
「やはり……」
レティシアの手が膝の上で震えた。
すべてが仕組まれた罠だったのだ。あの日、ミリアに呼び出され、偶然を装って仕掛けられた誤解。すべてはデリックが描いた筋書き。
「お前を完全に追い出したことで、彼らは満足しただろうが……王城内では早くも新しい問題が起きているらしい。」
アランの唇がわずかに歪んだ。「王太子がミリアを溺愛するあまり、政務を怠りはじめた。評判など一瞬で変わるさ。」
その冷ややかな口調の中に、どこか愉快そうな響きが混じっていた。
「皮肉なものですね……」
レティシアは小さく笑った。「私が失脚したことで、殿下は自らの首を絞めつつあるなんて。」
「復讐を望むか?」
唐突な問いに、レティシアは息をのんだ。
心の奥底に、確かに憎しみがある。だが、それ以上に疲れ果てている自分がいた。
「……今は望みません。ただ、真実を知ってもらいたい。それだけです。」
アランは頷いた。「それがいい。怒りに呑まれた者は視野を失う。お前はまだ、立ち上がれる。」
執務机の上に、一輪の白百合が飾られているのに気づいた。
「その花……昨夜、私の部屋にも同じものがありました。」
「癒えぬ傷には、静かなものが必要だ。」アランは淡く笑った。
その一瞬だけ、氷が溶けたように見えた。
やがて彼は立ち上がった。「今日から屋敷の案内を受けろ。侍女を一人つける。屋外の庭園も好きに散策していい。」
「はい。ありがとうございます。」
書斎を出て廊下を歩くうちに、胸の奥が少しずつ軽くなっていくのを感じた。昨夜までの絶望が、ほんの少しだけ形を変えている。温かな日差しが高い窓から差し込み、長く続く廊下を照らしていた。
──彼の救いの手にすがるしかない立場だと分かっているのに、不思議と怖くなかった。
彼の言葉には、氷の奥に確かな優しさがあったから。
昼下がり、侍女のマリーに案内されて庭を見回ると、白い薔薇が咲き誇っていた。咲きたての花びらが風に揺れ、甘い香りを放つ。レティシアは思わず微笑む。
「どれほど冷たい場所にも、花は咲くのですね。」
「公爵様が育てておられるのですよ。」
「えっ、アラン様が?」
マリーが頷いた。「見かけによらず、花がお好きで……雨の日には温室で世話をなさっています。」
その話を聞いた瞬間、胸の奥が温かくなった。
夕刻になり、自室に戻ると、机の上に小さな包みが置かれていた。
開けると、真紅のリボンで結ばれた小さな指輪箱。中には淡い青色の宝石が入っている。
――氷のように透きとおる、水晶の指輪。
添えられた小さなメモには、ただ一行だけ書かれていた。
『これを着けろ。お前を害する者を近づけぬために。』
思わず胸が熱くなる。単なる贈り物ではなく、守りの誓い。その意図が伝わり、レティシアは静かにその指輪をはめた。冷たい石の感触が、なぜか心を穏やかにする。
夜が更けても、彼女はなかなか眠れなかった。窓の外には満月が照っている。遠くで風が凪ぎ、花びらがひとひら舞い上がる。
その時、不意に扉の外で足音がした。
「レティシア、起きているか。」
低く抑えた声。アランだった。
慌ててドアを開けると、彼は薄い外套のまま立っていた。
「……眠れないのですか?」
「いや。お前の部屋の明かりが消えなかったからな。」
「す、すみません。まだ眠れなくて……」
「当然だ。急に生活が変わったのだから。」
アランは一瞬黙り込み、そして静かに告げた。
「お前はもう一人ではない。ここでは、誰もお前を責めない。心にまだ隙間があるなら、今はそれを埋めようとしなくていい。」
言葉の一つ一つが、心に沁みた。
「……ありがとうございます、公爵様。」
「礼は要らん。俺はただ、守るべきものを守るだけだ。」
月明かりが二人の間に差し込み、静かな影を落とした。レティシアはその光の中で、初めて深く息を吐いた。胸の重石が少しだけ軽くなっていく。
「もう休め。」アランがそう言って立ち去ろうとしたとき、レティシアは思わず呼び止めていた。
「その……あの指輪、本当に、ありがとうございます。」
彼は足を止め、わずかに振り返る。
「似合っている。」
短くそう言い残して、廊下の暗がりに姿を消した。
扉を閉めた後、胸の奥に静かな熱が灯る。
冷たいはずの人なのに、触れた心はこんなにも温かい。
もし、この世界にまだ“救い”という言葉が存在するなら、それは彼の手の中にあるのかもしれない――そう感じながら、レティシアはようやく深い眠りに落ちていった。
続く
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