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一日目(1)
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4.
【一日目】
朝からいろんなガイダンスが続き、その後で健康診断があった。とりあえず、今日の大学での行事はこれで終わりの様だ。
授業は六日後から始まる。
「ちょこ! ちょこ!」
稽古場へと行こうとしていた私を、菜穂が呼び止めた。
「あんたさ、下宿先の荷物、どうした?!」
「え?」
そういえば……と、思い出す。
部屋に置かれていたトマト箱の事を(実家はトマト栽培をしている農家だ)
箱なんて、一つも開けてない。
「大丈夫!これさえあればっ!」
ぐっとペンを見せると、菜穂はがっくりとうなだれた。
「あんたさぁ……」
「あ。下宿先のおじさんとおばさん優しかったよ。歓迎会開いてくれた。二年ぶりの下宿生だって」
「……で?」
「何?」
「その歓迎会の後、荷物の整理もしないで何してたのよ?」
「台本っ……──」
バカっ!
菜穂に頭を叩かれた。
「やっぱり! そうじゃないかと思ったのよ! あんたの事だからさーぁ! ほら、荷物の整理手伝っちゃるから下宿先行こっ」
菜穂に手を引っ張られたけど、私はそれを振り切った。
「ごめん。一時間……あ、うぅん、三十分でいいから待ってて?」
「は?」
「稽古場、行きたいんだぁ」
菜穂は、また盛大なため息を吐いた。
【一日目】
朝からいろんなガイダンスが続き、その後で健康診断があった。とりあえず、今日の大学での行事はこれで終わりの様だ。
授業は六日後から始まる。
「ちょこ! ちょこ!」
稽古場へと行こうとしていた私を、菜穂が呼び止めた。
「あんたさ、下宿先の荷物、どうした?!」
「え?」
そういえば……と、思い出す。
部屋に置かれていたトマト箱の事を(実家はトマト栽培をしている農家だ)
箱なんて、一つも開けてない。
「大丈夫!これさえあればっ!」
ぐっとペンを見せると、菜穂はがっくりとうなだれた。
「あんたさぁ……」
「あ。下宿先のおじさんとおばさん優しかったよ。歓迎会開いてくれた。二年ぶりの下宿生だって」
「……で?」
「何?」
「その歓迎会の後、荷物の整理もしないで何してたのよ?」
「台本っ……──」
バカっ!
菜穂に頭を叩かれた。
「やっぱり! そうじゃないかと思ったのよ! あんたの事だからさーぁ! ほら、荷物の整理手伝っちゃるから下宿先行こっ」
菜穂に手を引っ張られたけど、私はそれを振り切った。
「ごめん。一時間……あ、うぅん、三十分でいいから待ってて?」
「は?」
「稽古場、行きたいんだぁ」
菜穂は、また盛大なため息を吐いた。
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