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淫ら故の純粋さ
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「あ、ぁっ……ううぅっ……!」
未だ体をビクビクと痙攣させる芽衣子であったが、それでもよろよろと体を起こし始めた。
「おい、無理するな。まだ整ってないだろ」
「だ、大丈夫……起きるくらい……あ、ぅぅ……」
起き上がろうとするが、体に力が入らないようだった。俺は彼女の背中に手を回してゆっくりと引き寄せる。
うつろな瞳が俺を見つめた。脱力しきった肢体は、支えなければ再び倒れてしまう状態だった。
「全然大丈夫じゃないだろうが。無理しすぎだ」
そう言ってみたものの、よくよく考えれば彼女を昂ぶらせた自分にも責任がある気がした。多少の罪悪感を覚えつつ、視線を芽衣子と合わせ続ける。
「あぁ……はぁ、ぁ……」
すると、今度は俺の体目がけて前のめりに体を倒してきた。はぁはぁと肩を震わせながら荒い吐息を繰り返す。
仕方がないので、とりあえず背中をさすった。
濡れた背中は手のひらをなめらかに滑らせる。白い背中と黒髪のコントラストが美しかった。濡れた黒髪から、女しか醸し出せない甘く柔らかい香りが漂ってくる。
「そろそろベッド行くか? 少し休もう」
このまま浴室にいるよりは横になったほうが楽だろう。そう思い、俺は彼女の体を持ち上げようとした。
その瞬間だった。胸板に埋めていた芽衣子の顔がぱっと俺へと向けられる。素早い動きに少し驚いたが、間髪入れずに芽衣子の惚けた顔が迫り、意識する間もなく彼女の柔らかい唇が俺のものに重なってきた。
「んんっ……んっ! ふぅ……んぷっ!」
鼻で荒々しく息をしながら、舌をねじ込ませてくる。その息遣いと比例するように荒々しい舌の蠢きは、俺の口内で暴れまわるかのようだった。すぐに唾液が口端から溢れるが、気にする素振りは微塵もなく、むしろ更に汚そうとしているかのようでもあった。
突然のことに戸惑いつつも、俺も自然と彼女の舌に自分の舌を絡ませる。互いの舌が触れ合うと、彼女のものは歓喜するかのように激しく動き、舌先から根本の方まで乱雑に擦り合わせてきた。
舌を絡ませ合うだけでなく、彼女は俺の舌を啜ってもくる。卑猥な水音を立たせながら、何かに取り憑かれたかのように、激しく濃厚に口内粘膜を密着させ続けた。
気づくと彼女は腰まで揺らし始めている。硬さを失った肉棒と姫割れとの隙間からは濃厚な粘液が漏れ出ているが、それを掻き回すかのように腰を動かし、ぐちゅぐちゅと淫猥な音色を奏で続けていた。
「んんっ……っんはぁっ……!」
長く続いたディープキスは、芽衣子の息の限界で終わった。唾液に塗れた互いの唇を銀の糸が引かれて、名残惜しむかのようゆっくりと切れる。
「お、おい……」
いきなりどうしたんだ? と聞こうとしたが、続きの言葉は再びの唇の重なりで塞がれた。
絶頂の余韻と呼吸の苦しさ、未だに引いていない興奮で、芽衣子は顔から首筋までを真っ赤に染めている。
尋常ではない様子の彼女に、俺は焦り気味に顔を離した。ぼんやりとした表情を浮かべる芽衣子の両肩を掴んで正面で向き合う。
「おい! しっかりしろっ! とりあえずベッドで休もう」
だらりと脱力しきった彼女を抱きかかえ、立ち上がろうとした……その時だった。
「……好き」
力のない呟きがポツリと聞こえてきた。
何事かと俺は彼女の顔を覗き込む。
「……私、吾妻くんのこと好き……好き過ぎてもう我慢できないの」
ゆっくりと、しかしはっきりとそう言った彼女は俺を見上げてくる。色欲とは異なる潤いを帯びた瞳が光っていた。
そして、再び求めてくる彼女の唇。しっとりと柔らかい感触を口元に感じながら、俺は呆然とするしかなかった。
「はぁ、ぁ……んんっ……んちゅっ……んむっ!」
俺の体のあらゆるところを弄りながら、芽衣子は夢中な様子で深く濃厚なキスを続けていた。それは唇だけでなく俺の首筋、胸板と全身に渡って施されていく。
白いシーツの上には、濡れたままの艷やかな黒髪が散らばっていた。
順序や常識を全てすっ飛ばした告白は、俺の脳天を貫くような衝撃的なものだった。あまりの出来事に、彼女を抱えながら数秒ほど身動きが取れなかったほどだ。
「好きって……え、その……」
ようやく出た言葉は情けないほどにかすれた声であった。
「そ、その……いや、あの……」
上手く言葉が出てこなかった。頭の中が経験したことのない混乱で、状況の整理さえおぼつかなかった。
湯と汗と唾液に塗れた状態にあっても、芽衣子の眉目秀麗ぶりは色褪せず、それどころか潤んだ瞳と恍惚然とした頬の火照りで狂おしいほどに魅力的だった。
「嘘でもなんでもないよ……私、吾妻くんのことが本当に好き。この前からそれしか頭にないくらい……」
そうつぶやく彼女の顔は、恋する乙女という表現が最もしっくりくる様相だった。
一方でどことなく不安げな様子も見て取れる。きれいに整った眉が若干歪んでいた。
(えっと……ど、どうしよう……か……)
隠しきれない同様の中、俺はなんとか頭を回転させる。
自分が一体どうしたいのか、芽衣子のことをどう考えているのか自問する。
まず、嬉しいかそうでないかを考えると、今までの人生で経験したことがないほどに嬉しい。百人中百人が憧憬するであろう芽衣子から惚れられたのだから、まさに夢見心地である。付き合ったならば噂は一瞬で広まって、学校生活は当初の予想とは違う形で騒がしいものになりそうだった。
それに、俺自身も彼女と爛れた関係だとはいえ、接し続けることで少なくない魅力を感じていた。
中学の頃は気づかなかった(そんな状態ですらなかった)が、一人の少女、女として彼女はあまりにも魅力的だ。それは肉体的なものはもちろんだが、内面も含めてのものである。
外道なことをした際の仕打ちは相当なものだが、それは彼女のみならずすべての女がそうであろう。問題になりはしない。
「私、好きだけど……好きで好きで堪らないけど……でも……」
言葉を続けた芽衣子の表情が先程以上に不安の色を強めた。
「でも……中学のときに、あんなことしたから……好きになっちゃいけないんじゃないかって……でも、やっぱり気持ちは我慢できなくて……」
そこまで言ってからふっと視線を落とす。不安というよりは後悔の念が強い表情だ。
芽衣子は芽衣子で悩んでいたのだろう。もとが真面目なだけに、素直に気持ちを伝えるには過去の引っ掛かりはあまりに大きく感じられたに違いない。
「俺は……気にしていないって何度も言ったぞ」
「うん。わかってるよ。でも……やっぱり気になっちゃって……」
俺にとっては過去の仕方のないこととして些細なものそのになっていたが、彼女にとってはそうではない。芽衣子の中で続けられていた葛藤。それを考えると、こっちのほうが悲しくなってくる。芽衣子は嫌がるであろうが、一種の同情めいた感情が浮かんでいた。
「俺も……楠のこと、いいなって思ってたよ」
思わずそう呟いていた。「好きだ」と言えないのは、照れもあったが俺の中で解消しなければならない引っ掛かりがあるからだ。
その言葉に芽衣子ははっと顔を見上げる。驚くような表情に期待と緊張が混じっていた。
「じゃあ……私と付き合ってくれる……?」
未だ体をビクビクと痙攣させる芽衣子であったが、それでもよろよろと体を起こし始めた。
「おい、無理するな。まだ整ってないだろ」
「だ、大丈夫……起きるくらい……あ、ぅぅ……」
起き上がろうとするが、体に力が入らないようだった。俺は彼女の背中に手を回してゆっくりと引き寄せる。
うつろな瞳が俺を見つめた。脱力しきった肢体は、支えなければ再び倒れてしまう状態だった。
「全然大丈夫じゃないだろうが。無理しすぎだ」
そう言ってみたものの、よくよく考えれば彼女を昂ぶらせた自分にも責任がある気がした。多少の罪悪感を覚えつつ、視線を芽衣子と合わせ続ける。
「あぁ……はぁ、ぁ……」
すると、今度は俺の体目がけて前のめりに体を倒してきた。はぁはぁと肩を震わせながら荒い吐息を繰り返す。
仕方がないので、とりあえず背中をさすった。
濡れた背中は手のひらをなめらかに滑らせる。白い背中と黒髪のコントラストが美しかった。濡れた黒髪から、女しか醸し出せない甘く柔らかい香りが漂ってくる。
「そろそろベッド行くか? 少し休もう」
このまま浴室にいるよりは横になったほうが楽だろう。そう思い、俺は彼女の体を持ち上げようとした。
その瞬間だった。胸板に埋めていた芽衣子の顔がぱっと俺へと向けられる。素早い動きに少し驚いたが、間髪入れずに芽衣子の惚けた顔が迫り、意識する間もなく彼女の柔らかい唇が俺のものに重なってきた。
「んんっ……んっ! ふぅ……んぷっ!」
鼻で荒々しく息をしながら、舌をねじ込ませてくる。その息遣いと比例するように荒々しい舌の蠢きは、俺の口内で暴れまわるかのようだった。すぐに唾液が口端から溢れるが、気にする素振りは微塵もなく、むしろ更に汚そうとしているかのようでもあった。
突然のことに戸惑いつつも、俺も自然と彼女の舌に自分の舌を絡ませる。互いの舌が触れ合うと、彼女のものは歓喜するかのように激しく動き、舌先から根本の方まで乱雑に擦り合わせてきた。
舌を絡ませ合うだけでなく、彼女は俺の舌を啜ってもくる。卑猥な水音を立たせながら、何かに取り憑かれたかのように、激しく濃厚に口内粘膜を密着させ続けた。
気づくと彼女は腰まで揺らし始めている。硬さを失った肉棒と姫割れとの隙間からは濃厚な粘液が漏れ出ているが、それを掻き回すかのように腰を動かし、ぐちゅぐちゅと淫猥な音色を奏で続けていた。
「んんっ……っんはぁっ……!」
長く続いたディープキスは、芽衣子の息の限界で終わった。唾液に塗れた互いの唇を銀の糸が引かれて、名残惜しむかのようゆっくりと切れる。
「お、おい……」
いきなりどうしたんだ? と聞こうとしたが、続きの言葉は再びの唇の重なりで塞がれた。
絶頂の余韻と呼吸の苦しさ、未だに引いていない興奮で、芽衣子は顔から首筋までを真っ赤に染めている。
尋常ではない様子の彼女に、俺は焦り気味に顔を離した。ぼんやりとした表情を浮かべる芽衣子の両肩を掴んで正面で向き合う。
「おい! しっかりしろっ! とりあえずベッドで休もう」
だらりと脱力しきった彼女を抱きかかえ、立ち上がろうとした……その時だった。
「……好き」
力のない呟きがポツリと聞こえてきた。
何事かと俺は彼女の顔を覗き込む。
「……私、吾妻くんのこと好き……好き過ぎてもう我慢できないの」
ゆっくりと、しかしはっきりとそう言った彼女は俺を見上げてくる。色欲とは異なる潤いを帯びた瞳が光っていた。
そして、再び求めてくる彼女の唇。しっとりと柔らかい感触を口元に感じながら、俺は呆然とするしかなかった。
「はぁ、ぁ……んんっ……んちゅっ……んむっ!」
俺の体のあらゆるところを弄りながら、芽衣子は夢中な様子で深く濃厚なキスを続けていた。それは唇だけでなく俺の首筋、胸板と全身に渡って施されていく。
白いシーツの上には、濡れたままの艷やかな黒髪が散らばっていた。
順序や常識を全てすっ飛ばした告白は、俺の脳天を貫くような衝撃的なものだった。あまりの出来事に、彼女を抱えながら数秒ほど身動きが取れなかったほどだ。
「好きって……え、その……」
ようやく出た言葉は情けないほどにかすれた声であった。
「そ、その……いや、あの……」
上手く言葉が出てこなかった。頭の中が経験したことのない混乱で、状況の整理さえおぼつかなかった。
湯と汗と唾液に塗れた状態にあっても、芽衣子の眉目秀麗ぶりは色褪せず、それどころか潤んだ瞳と恍惚然とした頬の火照りで狂おしいほどに魅力的だった。
「嘘でもなんでもないよ……私、吾妻くんのことが本当に好き。この前からそれしか頭にないくらい……」
そうつぶやく彼女の顔は、恋する乙女という表現が最もしっくりくる様相だった。
一方でどことなく不安げな様子も見て取れる。きれいに整った眉が若干歪んでいた。
(えっと……ど、どうしよう……か……)
隠しきれない同様の中、俺はなんとか頭を回転させる。
自分が一体どうしたいのか、芽衣子のことをどう考えているのか自問する。
まず、嬉しいかそうでないかを考えると、今までの人生で経験したことがないほどに嬉しい。百人中百人が憧憬するであろう芽衣子から惚れられたのだから、まさに夢見心地である。付き合ったならば噂は一瞬で広まって、学校生活は当初の予想とは違う形で騒がしいものになりそうだった。
それに、俺自身も彼女と爛れた関係だとはいえ、接し続けることで少なくない魅力を感じていた。
中学の頃は気づかなかった(そんな状態ですらなかった)が、一人の少女、女として彼女はあまりにも魅力的だ。それは肉体的なものはもちろんだが、内面も含めてのものである。
外道なことをした際の仕打ちは相当なものだが、それは彼女のみならずすべての女がそうであろう。問題になりはしない。
「私、好きだけど……好きで好きで堪らないけど……でも……」
言葉を続けた芽衣子の表情が先程以上に不安の色を強めた。
「でも……中学のときに、あんなことしたから……好きになっちゃいけないんじゃないかって……でも、やっぱり気持ちは我慢できなくて……」
そこまで言ってからふっと視線を落とす。不安というよりは後悔の念が強い表情だ。
芽衣子は芽衣子で悩んでいたのだろう。もとが真面目なだけに、素直に気持ちを伝えるには過去の引っ掛かりはあまりに大きく感じられたに違いない。
「俺は……気にしていないって何度も言ったぞ」
「うん。わかってるよ。でも……やっぱり気になっちゃって……」
俺にとっては過去の仕方のないこととして些細なものそのになっていたが、彼女にとってはそうではない。芽衣子の中で続けられていた葛藤。それを考えると、こっちのほうが悲しくなってくる。芽衣子は嫌がるであろうが、一種の同情めいた感情が浮かんでいた。
「俺も……楠のこと、いいなって思ってたよ」
思わずそう呟いていた。「好きだ」と言えないのは、照れもあったが俺の中で解消しなければならない引っ掛かりがあるからだ。
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