贖罪少女と慈愛の姉は俺を愛欲で惑わす

ららんぼ

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贖罪少女の想いと期待

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(京介くん、もう寝ちゃったかな……)

 深夜一時を過ぎてベッドに潜っていた私は、スマホの画面を見ながら小さくため息をついた。

(もっといろいろお話したいのになぁ)
 あの衝撃的なセックスを介しての告白から既に一週間が過ぎている。
 過去の懺悔をしてからというもの、彼への好感は高まり続け、告白のときは胸が張り裂けるくらいに想いが溢れていた。
 もっとも、それはそのときに思っただけであり、恋人となった今では、幸福感とともに想いの強さは留まることを知らない。
 今日も放課後にはデートをして、そのまま私の家に連れてきては愛欲に浸った。
 今、横になっているシーツはその時のままである。彼の匂いや汗が染み付いていると思うと、体が悶てしまうほどに嬉しい。
 想いの高まりとともに、淫らな欲求や願望も日に日に高まっていた。セックスは毎日でもしたいし、彼との濃厚なキスなら常にしていたいほどだ。
 さっきも彼が帰路についている最中、自分の裸体と局部を撮影したものをLINEで送った。彼にだったらいつでも自分の痴態を見てほしい。

(私ったら、こんなにエッチな女だったなんて……)

 自分自身で呆れてしまうが、もはや仕方がないことだった。沸き起こる欲求は止められないし、また隠すことでもない。すべて彼が受け入れてくれる。羞恥の感覚は持ち合わせているが、それは彼に喜んでもらえるならば、二の次三の次だった。
 中学の頃、私は彼のことを心底嫌悪していた。自分の下着を盗んだのが彼だと決めつけてしまっていたからだ。
 なぜ彼が犯人だと決めつけてしまっていたのか、今にして思うととんでもない浅はかさだ。
 私は当時、クラスの中心的な人間で、男女問わず人が集まっていた。それを自分の人徳ゆえのものであり、つまりは特別な人間だと勘違いしていた節もある。その肥大した自意識が彼を苛んでいたのは想像に難くなかった。
 自分の仲間と思っていたクラスメイトに吹聴して、私は彼の評判を貶めた。内容が内容だけに、噂はあっという間に広がり、彼は周りから白い目を向けられるようになった。そして、それを小気味いいものと捉えていた。
 高校に入学する直前、自分の浅はかさを痛感させられた。犯人は彼ではなく、学校の教師だったのだ。
 ありもしない疑いを全校に広げてしまったことに、私は苛まれた。彼のあるはずだった学校生活をすべて壊してしまったのだ。
 中学の学校生活がどれほど重要なものであるかは自分自身がよく知っている。それを完全に破壊したことに、私は自身の愚かさと残酷さに悩むことになる。

 なんとかして謝罪しなければ。許される許されないは関係ない。とにかく、誠心誠意を尽くして自身の浅はかさを懺悔しなければならないと思った。
 しかし、普通に謝るだけでいいのだろうか。頭を下げたり土下座するだけで果たして足りるのか。
 自分の犯した過ちは、その程度で許されるものではないと思った。であれば、何をすれば事足りるのか。
 考えあぐねた末に出した結論は、自身の体を差し出すことだった。まだ誰の手にも染められていない、処女を差し出すくらいしか自分に出来る最大限の謝罪は思い浮かばなかった。
 だから私はあの日、学校という場所にもかかわらず、自ら服を脱いで彼の目の前に裸体を晒した。これで拒否されるのであれば、自身の行いを悔いて生きていくしかない。
 体を差し出したところで許される保証はない。私自身、それで許しをもらえるなどとは思っていなかった。場合によっては、単なる性欲処理の道具として使われかねないのだが、それならそれで仕方がないと覚悟もしていた。
 結果、彼は体を求めるどころか気にしなくてもいいと言ってきた。
 私には理解ができなかった。あれだけのことをされてきたのだ。その言葉が本心であるはずがない。私が彼の立場なら、絶対にそんな言葉を言うことはできないだろう。
 それに、私は覚悟を決めていた。自らの体を慰み物とすることを覚悟していた以上、彼の言葉通りに受け取ることはできなかった。結果、一方的ではあるが、私は彼に体をささげた。
 初めての性行為がこんな形で訪れるとは、中学時代までは思ってもいなかった。高校に上がれば、好きになる男子が見つかり恋人になり、その結果として初体験を迎えるのであろうと思っていたのだ。まさか、恋人でも何でもない彼と、贖罪として行為を経験するとは夢にも思わない。
 初めての性交は、心の内を恐怖と不安が大部分を占めるものだった。自ら服を脱いで迫るという行為ゆえ、極度の緊張もあってはっきりとは覚えていない。
 しかし、一つだけはっきりと言えるのは、彼が自身の性欲をぶつけつつも、私を思いやってくれたこと。出来の悪いポルノのような乱雑な扱いとは異なり、終始私を気にかけてくれた。処女膜の貫通の痛みに震える私を思い、膣が馴染むまで動かないでいてくれた。私にとっては驚きであると同時に、大切に扱われているかのようで単純にうれしかった。

 放課後の教室での一件以来、彼からセックスを求めるようなこともなかった。まるで何事もなかったかのように過ごしている彼に安堵するとともに、私の中では釈然としない何かが、物足りなさのようなものが残っていた。
 もっとあの暖かく満ち足りた空気に浸りたかった。それが恋人という立場ではない、いわゆる不純異性交遊と呼ばれる形であろうと関係はなかった。
 気づくと私は自分から彼に何度となく淫らな逢瀬を懇願していた。
 そのたびに繰り返される性行為の結果、私の体は如実に変化を見せていった。肌に触れられれば触れられるほどに、挿入されればされるほどに、女のとしての喜悦が増していった。自分でもあさましいと思うほどに嬌声を迸らせ、快楽を得ようと貪欲に腰を繰り出す。自分でも信じられないことだった。 
 そして、そのたびに私は彼の優しさ、人となりに触れた。それはセックスの快感以上に魅力的で、私を魅了するのに十分すぎるものだった。

 そんな事実に浸り続けた結果、私は自分の気持ちに気づいてしまった。私は彼のことが好きになってしまっていた。
 それを自覚した時の高揚感はすさまじかった。彼のことが片時も頭から離れず、胸が焦がれるほどの熱さとともに締め付けられた。
 本来ならば、素直に好きといえば済む問題だったのだろう。しかし、私には中学時代の件がある。
 彼は気にしていないと言っていたが、だから私を好きになり恋人になってくれるというわけではない。なんの蟠りもない男女間でさえ、想いを伝えて成就させるというのは大変なのだ。私たちの場合は、それ以上に大きな壁として過去の事実が立ちはだかっている。
 結局、私は想いを日々高ぶらせながら、彼との情事に耽ることで自身の気持ちに抗った。男女間の究極の行為であるセックスをし続けるだけで、私は満足しなければならないし、それでいいと自分に言い聞かせた。
 しかし、そんな考えは浅はかだった。会えば会うだけ、肌を重ねれば重ねるだけ、私の胸の内は苦しさが強くなった。自分の気持ちを抑え込むなど、もはやできない状態になっていた。

 ついに私は、学校のない休日に彼を呼び出した。学校以外でも彼と触れ合っていたかったからだ。
 普段ならば当たり前すぎてなんの変哲もない街が、彼と一緒に歩くだけで華やかなものに思えて心が躍った。恋人たちがするように並べられている商品を一緒に見て、カフェに入ってパフェを食べ、そのすべてが私を幸福へと突き上げる。
 公園を歩いた時に、野外のセックスを求めたのも、そんな高ぶりの結果だった。ショーツの中が呆れるほどに濡れそぼっていたのは、セックスを意識したからではなく、彼と一緒にいるという精神的な高ぶりのせいである。
 恥辱をあおるような彼の攻めに、私は全身で甘美を訴えて四肢を震わせた。快楽のすさまじさだけでなく、変態じみた行為にさえ全力で付き合ってくれている彼の心持ちに感激していた。
 もはや、短絡的な野外セックスだけでは満足できなかった。もっとじっくり、人目を気にすることなく快楽に耽りたい。彼と私だけの二人っきりの空間で、互いの欲望を貪りあって、彼に私を蕩けさせてほしい。私は人生で初めてとなるラブホテルに行くことを懇願した。
 そして、風呂場での濃厚で激しい愛欲行為。無意識のうちに自分から激しく求めた私は、もはや理性も何もかもを忘れてしまっていた。本能と本心がなんの躊躇もなく言動となって現れた。
 だからであろう。あれほど悩んで堪えていた自分の本当の想いが、ぽろりと口から滑り出た。
 言った瞬間、何が起きたのか自分でも判断ができなかった。そして、じわじわととんでもないことを発言してしまったと恐怖に震えた。
 しかし、失恋の恐怖に震えながらも、妙に冷静な部分もあった。言ってしまったからには仕方がないという、ある種の諦めのようなものだったのかもしれない。状況に応じて即座に頭を切り替えた、といえば聞こえはいいだろうか。
 返事を貰うまでの時間はあっけないほどに早かった。しかし、同時に息が詰まるほどに重苦しく長い時間にも感じられた。
 彼からいいよ、と言われた瞬間、私は全身が浮遊したかのように歓喜した。快楽とは全く異なる幸福さしかない衝撃に全身が粟立った。
 一つだけ待ってほしいという言葉も、全くもって気にならなかった。彼に想いと受け入れてもらえたことで、他のことなどどうでもよかったのだ。彼に限って変な隠し事もないだろうと信頼している証だ。

 結果、晴れて恋人になった私は、その喜び幸福を表現するかのようにベッドで乱れ狂った。その時のことはあまり覚えていない。記憶しているのは、これまで経験したことのない壮絶な快感のみ。せっかく彼と関係を成就させた直後のことなのに残念ではあるが、それだけの悦楽を彼は与えてくれたのだ。
 それから現在まで、私の心境はただただ幸福に満たされている。付き合い始めたばかりというのもあるかもしれないが、彼を好きという想いは日に日に、一分一秒経つごとに強くなり続けている。
 彼が喜び望むことなら何でもしたい。お弁当だって作りたいし、お泊りデートなどがあったら最高だ。セックスだってどんなに激しく変態的なことであろうと受け入れたいし、したいと思う。

(さて、私もそろそろ寝なきゃ……)

 スマホを充電ケーブルにつないで画面を消した。
 彼からの連絡はない。既読もつかないから寝てしまったのだろう。ちょっと寂しいが仕方がない。
 彼から家庭環境は聞いている。お姉さんと二人暮しをしているらしい。こう思うのは失礼かもしれないが、いろいろと大変なこともあるんだと思う。私には想像がつかない。
 でも、彼みたいな素敵な人のお姉さんなのだ。きっと彼女も素敵な女性に違いない。是非とも一度、会ってみたいと思う。

(そのうち家にお邪魔してみようかなぁ……)

 彼氏を自分の家に呼び、今度は彼女のである私が彼の家に行く。考えるだけで胸が高鳴って仕方がない。
 絶えることのない想いに胸をときめかせ、私はそっと目を閉じた。
 シーツにかすかに残る彼の残り香。そして、思い出す彼の肌のぬくもり。彼に抱かれる想像をしながら、私の意識は徐々に眠りへと向かっていった。

(おやすみなさい、京介くん……)

 明日もきっと、いや、絶対にいい日になる。彼と会えるのだから間違いはない。
 朝が来るのを待ち遠しく思いながら、ついに意識はまどろみの世界へと落ちていった。
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