転生したけどレア度N!?ディレイ「遅くなる(対象:自分)」しか使えない件

月猫ひろ

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「……なんだ?」
カツン、カツンと、上から何かが降ってくる。
すぐそばに落ちたそれを手に取ると、ビー玉みたいな小さな球だった。
「『リペア』!!」
聞き覚えのある声が響く。
声に反応して球が輝くと、体が暖かい光に包まれていった。
――ああ、温かい気持ちになっていく。
「ジュン!回復には時間が掛かるから、それ持っておとなしくしてて!」
「……」
ああ、と答えたつもりだった。けれど声にならなかった。
「おっせーんだよ……何年待たせるんだよ……」
あいつが来たと言うだけで、全てうまくいく気になってしまう。
変な仮面を被っているが、聞き間違いのない声。
戦場を鼓舞するそいつの名前は、藤上淘汰。
――堂々とした声に、何故だか涙が溢れてきた。
ずっと待っていたぜ、俺のヒーロー。

トウタは地面に降り立ち、周りを確認する。
戦場に立っているのは魔人1人のみ。カズオは地面に座り込み、ジュンとユウは地に伏せている。タクシとレンは気を失っているようだ。
いや、タクシをリペアの光が包んでいるが、全く反応が無い。恐らくは死んでしまっているのだろう。
レンの傍に落ちたリペアの宝玉は、起動していない様子。距離的にトウタが発動させられる範囲外なのだろう。
カズオとジュンはリペアが効いているので、しばらくすれば動けるだろう。けれど、リペアはスキル一発分しか回復しないので、戦力としては考えられない。
「1対1……困ったな……」
トウタは仮面を通して魔人を見る。
魔人が湛える魔力量は圧倒的だ。左腕と腹、胸に傷があるが、稼働には支障が無いように見えた。
(剣の魔力量は結構減ってる……けど、瞬間修復用のアイテムを持ってるのか……)
倒すのはかなり難しい。
なら、ジュン達が回復するまで時間を稼ぎ、彼らを逃がすのが目的となるだろう。
「お前は、さっき逃げた神の玩具かぁ?」
魔人はトウタに問いかけた。
「そうですね……恥ずかしながら、帰ってきました……」
「ふむ、分からんな?先程の俺との戦闘は、突発的な事故だった。だが、戻ってきたのであれば、それは戦いにきたことを意味するなあ」
魔人は剣を握り直し、トウタに怒気を当てた。
「俺を倒しに来たのか?それとも世界を救うつもりなのかぁ?」
トウタは答えず、魔人は尚も続ける。
「この世界など、お前達には関係ない事だろうに。神のどんな言葉に騙されて、俺の前に立つのだぁ?愚かな奴隷よ」
魔人は真実憐れんでいるように歌い上げる。
僅かに含まれた怒りは、無知への憐憫か、神への冒涜か?
「別に僕は……世界を救おうだなんて……大それたことは思っていないです……」
トウタは一度拳を強く握ってから、ゆっくりと開いた。左足を軽く前に出し、前傾姿勢で両手を楽に下げた。
息を静かに吐き出し、魔人の初撃に集中する。その姿は、試合で集中する時に似ていた。。
「ほう?」
「僕の目的は世界を救う事でも……魔王倒す事でもありません……僕が皆と笑って過ごせる世界を作る事です……」
「は、それは……」
魔人は驚いた表情になったが、笑みを零すと臨戦態勢に移った。
「大層な強者の言葉ではないかぁ!!」
――互いに前に進む影法師。
――未来を退けと交錯する。
「『吹き飛ぶ極光』!!」
魔人の羽から2本のビームが発生する。
空気を焼きながら疾駆する光は、真っ直ぐにトウタに照射される。
「……はぁ!」
トウタは小さく息を吐くと、右腕を上げてビームを上に弾き飛ばした。
「ち!それなりの武具を持ってきてるという事か!」
魔人は忌々しげに吐き出すと、剣を袈裟に構えた。
――離れた所に刃を発生させる『曖昧な刃』が飛んでくる
と、トウタは直感した。
「『ディレイ』!!」
スキルを発動させると、自分自身に遅延が発生する。
世界が音を立てて軋んだが、自我を保つ仮面のおかげで反動は少ない。
「どうした?立ち止まって、『曖昧な刃』!!」
魔人は警戒しながらも、トウタに剣を振るう。
瞬間、トウタはスキルを解き、魔人の目の前に出現した。
「なに事だ!?」
「はああああ!!」
トウタの魔力を弾く右腕が、魔人の腹に突き刺さる。
手甲は魔人の体内の魔力を弾き、内側から損傷を起こさせた。
「倒れてくれ!」
トウタは願いながら、左拳で魔人の頬、右の拳で左脇腹を殴りつける。
「ぐ……小癪な!」
魔人は血を吐き出しながら、後方に飛んでいく。
着地すると同時に、『滅茶苦茶な刃』を放った。
「……小僧が!」
嵐の様な斬撃がトウタを襲うが、既にディレイが発動されている。
トウタは再び魔人の懐に入り、右の拳を顔面に叩き込んだ。
鼻が折れ、頬の肉が避ける感触が、手甲越しに淡く伝わる。
(効いてるぞ!)
逃げるように後方に飛ぶ魔人の様子を見て、トウタは気が急いた。
一気に殴りまくって勝負を決めないと!
そんな思いが、更にディレイを使わせる。
「……」
対峙するは魔人の理知的な目。
ディレイを使って停止するトウタの次の攻撃を予測する。
「貴様のスキルは、つまりは瞬間移動のようなモノなのだろう!!!『傲慢な刃』」
魔人は眼前に衝撃波を放った。
「く!!」
ディレイを解いた瞬間、トウタは衝撃波に襲われる。
慌てて右腕で衝撃波を受け止めるが、踏ん張りが効かずに吹き飛ばされた。
「まだだ……『ディレイ』!!」
トウタは急いで立ち上がり、スキルを発動させる。
「なるほど、それ程使い勝手は良くないようだな!『迅速なる刃』!!」
「っ!!」
トウタがスキルを発動させた瞬間、魔人が視界から消失した。魔人が高速で突っ込んできたのだ。
慌ててスキルを切って、左腕を体の前に出して攻撃を防ぐ。しかし、殺しきれなかった衝撃に吹き飛ばされてしまう。
「……っ!!」
車に撥ねられたように、息が出来なくなった。
視界がチカチカと虹色にぼやけ、手足がうまく動いてくれない。
「ほらほら!しっかりしないか、少年!」
軽く振るわれた剣を右腕で止める。
「が!」
返す刃で右の太ももを切り裂かれた。
「ほら!壊れるぞ!」
「ぅ……え……!」
左脇腹に剣が叩き付けられる。
防御力の高い筈の服が切り裂かれ、地面に血だまりを作った。
「防具もそれなりの物を、用意しているのだなぁ。やはり神の玩具は、装備だけは一人前だ」
魔人が横薙ぎにトウタの顔面を切る。
頑丈な仮面は刃を通さなかったものの、衝撃で首が変な方に捻じ曲がった。
「苦しいかぁ?なら終わらせてやろう!『出鱈目な刃』!!」
魔人の剣に魔力が集中し、空間すら捻じ曲げていく。
眼前には死の脅威、体内では痛みが灼熱する。
勝利が遥か遠く、いっそ死んでしまった方が楽ではないかと諦念が過る。
「いっそ死んでしまえばって……いつも思うよ……」
情けない想いを口に出す。
いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも!
学校で辛い事がある度に、そう思っていた。
でも、決して死ぬことは選ばなかった。
「今回だって……選ばないよ……『ディレイ』!!」
トウタは左腕で斬撃を止めると、スキルを発動させた。
(なんだ……これは!!)
魔人の世界がぐにゃりと曲がる。
世界は気色悪く動き回り、対照的に自身には光さえゆっくりと到達する。
「ぐあ!!」
混乱する魔人の顎を、トウタの右拳が貫いた。
「何だ、今の悍ましい感触は!なんだあの汚らわしい世界は!」
「失礼な……僕のスキルだよ……」
「瞬間移動のスキルでは、なかったのか!?」
トウタは脇腹と太ももの痛みを我慢しながら、混乱する魔人に左拳を叩き付ける。
トウタは右腕には魔力を弾く手甲を装備しているが、左腕には今まで通りのスキルを伝える手甲を装着していた。
「『ディレイ』!!」
瞬間、再び。2人共、遅延世界へと引き摺り込まれる。
「はあああ!」
「ぐえ!!」
渾身の一撃で、魔人が吹き飛んでいく。
「ふ……『吹き飛ぶ極光』!!」
痛みで正常な判断を失った魔人は、ビームを放って距離を取ろうとする。
が!
「今度は……正面に弾けるさ……!!」
トウタは襲い来るビームを右拳で殴り付ける。
ビームは手甲に弾かれ、魔人へと跳ね返っていった。
「よもや…こんなぁ……」
魔人は羽を閉じようとしたが間に合わず、ビームの直撃を受けてしまう。
肉が焦げる匂いと、焼け爛れた自身に愕然とする。
「こんな……こんなこんなこんなぁ!!」
痛みではなく屈辱に震え、魔人は怨嗟を撒き散らす。
表情から余裕が消え、怒りと冷酷のみで塗り潰される。
「『暴走する刃』!!」
魔人は自身の腹に、自分の剣を突き立てた。
刃から魔力が放出され、魔人の体が黒く変色していく。
「ぶっ壊してやる!」
魔人は恐ろしい速度で、トウタとの距離を殺す。
一足で懐に入られたトウタは、左手で魔人を止めようとする。
「があ!」
しかし魔人は膂力も速度も、桁違いに上昇している。
超速の攻撃に対応しきれず、トウタは胸を殴り付けられた。
(肺が……潰れ……)
本当に潰れたかは分からないが、風船が弾けるような痛みが胸に発生する。
肺が体液に満たされる感触の後、トウタは大量の血を吐き出していた。
「おらおらおらおらおら!!」
尚も魔人の攻撃は連続する。
トウタは両腕でガードするが、痛みは容赦なく侵入してくる。
「おら!」
「痛っ!!」
喉をつま先で蹴られ、意識が停止しかける。唇を噛み切って、気絶だけは防ぐ。
けれど、無防備。
「ぶっ壊れろよ!!」
「が……ぁ……」
豪快に蹴り飛ばされて、トウタは冗談みたいに転がっていく。
脳が振り回され、上下の感覚も痛みも消失していく。
皮膚や意識が分厚い膜に覆われた錯覚。胃が握り潰される気色悪さを覚えた。
「ぐが……あああああああ!!!」
いや、無痛の錯覚など一瞬の事。
突然マヒが回復し、痛み痛み痛みが体を轢殺した。
「ぐ……う……」
魔人は狂化の時間が切れ、顔を歪めながら腹の剣を引き抜く。
死にかけのトウタを意地悪く眺めると、止めとばかりにスキルを発動させた。
「『吹き飛ぶ極光』!!」
2本ではなく1本だけビームが発射されてトウタに迫る。
トウタは仰向けのまま、死にたくない一心で、右手でビームを弾き返した。
だが魔人は即座に2本目のビームを放ち、トウタが跳ね返したビームにぶつけ返した。
「ぐぅううう!!」
トウタの目の前でビームが爆発する。余波に煽られて地を転がった。
体中の傷に砂が入ってくる。神経を削られる痛みに涙を流しながら、トウタは立ち上がる。
「死ぬのは……嫌だ!!」
自身を叱咤しながら、両の足で立つ。
しかし既に魔人は、攻撃態勢を完了していた。
「死ぬのは嫌かぁ?なら、そろそろ殺してやろうかのう!『迅速な刃』!!」
魔人がスキルを発動し、高速で突っ込んでくる。
(腕が動かない……足が言う事を聞かない……!)
体に感覚がなく、どう動かせばいいのかを思い出せない。
視界だけはやけにクリアで、赤く、黒く、死が鮮烈に焼き付く。
「トウタくん!君だけでも逃げるんだ!」
視界の端でユウが叫んだ。
――彼女は何かをしようとしている。
スキルを発動させようとしている。世界を停止させる彼女のフリーズ。
ユウのスキルは知っている。この世界全てを停止させる彼女のスキルは、遠くに居たトウタまでも影響を及ぼしていたのだ。
――使ってはいけない。明らかに魔力が不足している。
仮面が勝手に情報を伝えてくる。スキルを使えばユウは壊れると。
「……『ディレイ』!」
それでも彼女は真剣だ。
トウタの事を助けようとしてくれていた。
――ならば、魔人を倒すことでしか、報いることなど出来やしない。
トウタの速度が下がり、魔人達が高速になる。
直後にユウのスキルが発動され、世界が制止した。
(全部……全部、全部叩き込むんだ!)
世界は即座に止まるが、トウタの遅延世界だけは、ゆっくりと停止していく。
トウタは停止する魔人を睨みつけ、想像の中でありったけの拳を叩き込んでいく。
「な……」
世界が動き出した瞬間、魔人の顔面に痛みが発生する。
「んだとおおお!」
顔面、喉、顎、心臓の上から、胸、肋骨、脇腹、鳩尾。
次の動きに備えていた魔人に、鋭い民が突き刺さっていく。
「あああああ!!!」
トウタの視界の端に、ユウが倒れる姿が写った。
トウタは拳に力を籠め、何度も何度も魔人の顔面を殴り付ける。
「離れんか!」
魔人はトウタの顔に向けて、剣を振るう。
トウタは右腕で剣を弾くと、左拳を魔人に叩き付けた。
「『ディレイ』!!」
「っ――!!」
再び世界が遅延する。
遅延する世界でトウタは全力を込めた――
(うご……け……)
――血を失い過ぎたのだろうか?
肉体の痛みは、既に感じなくなっていた。力が入らず、振り被った拳を前に突き出せない。
「動いてくれえええ!!」
「『曖昧な刃』!!」
何とか動いた右拳と、魔人の剣が交錯する。
「っう……!!」
いや、魔人の刃は右拳に触れる直前に消え、トウタの顔面に叩き付けられていたた。
「うぅ……」
「く……」
トウタの拳は魔人の左頬の肉を潰し、魔人の剣は仮面越しのトウタの脳を揺らす。
トウタは揺らぐ視界のまま左拳を振るうが、魔人の反撃の方が早い。
「いい加減、壊れて貰おうかぁ!!」
「が……ああああ!!!」
トウタの腹に剣が付き立てられ、灼熱が神経を焼く。体内に侵入した刃が、臓器を押し潰し、生命活動を失わせていく。
「ディ……」
「鬱陶しいわぁ!!」
トウタは剣を掴んでスキルを使おうとしたが、魔人に蹴り飛ばされてしまう。
後頭部を地面に打ち付けたトウタは意識が飛んだが、無意識だけで立ち上がる。
「ぁ……ぐ………」
ボタボタと腹から血が流れていく。
痛みを感じる力もなく、ただそうせねばならないと言う魂だけで魔人に対峙する。
「ああ、立ち上がらなければ良かったものを。止めを刺さなければいけないではないかぁ!」
魔人のダメージも相当だが、トウタは最早半分死んでいる惨状。
魔人はボウっと立っているトウタに憐みを投げると、剣を構えてスキルを起動させる。
「『滅茶苦茶な刃』!!」
刃に魔力が充填され、高熱が生まれる。
空気中の水蒸気や塵が燃え、バチバチと音を発する。
「起きろよ、トウタ!!!」
「っ!!」
ジュンの声にトウタが意識を取り戻す。
しかし、既に魔人の剣は振るわれ、斬撃が迫っていた。
「まだ死ねない!!」
トウタは右の拳で斬撃を殴り付ける。
重く、熱く、苛烈で。
斬撃と衝突した右拳が、魔力を弾こうと発光する。
けれども濃密な魔力の刃は、爆ぜながらもトウタの拳を押し返していく。
バァンと何かが破裂する音がして、魔力の攻撃は消失する。
――代償はトウタの右腕。
筋肉と肌が裂け、ヌラヌラと血が噴き出していた。
「お、お前だけ、カッコつけてんじゃねー!『スティング・レイ』!!」
ジュンの声に目を覚ましたのは、トウタだけでなくカズオもであった。
カズオは紫の光を纏い、魔人へと突撃する。
「ああ、鬱陶しい!!」
魔人はカズオの剣を斜めに受けると、勢いを殺してカズオをいなした。
「うお!」
カズオは勢い余って、地に伏せるユウの側まで吹き飛んでいく。
魔人は舌打ちしてトウタに向き直ろうとする。しかし、視界の端でカズオがユウの側に落ちていたリペアの宝玉を拾うのを捉えた。
「こ…これ知ってるぜ!半径数メートル内で『リペア』を唱えたら、回復できるアイテムだろ?」
カズオの声に反応し、宝玉が回復の光を放つ。
「だから何だと言うのだ!『曖昧な刃』!!」
「だから俺が勝つって言ってんだろーがよ!『スティング・レイ』!!」
魔人の刃はカズオの喉を切り裂き、紫の光は魔人の腹を突き穿った。
カズオは倒れて動かなくなったが、魔人の損傷は甚大だった。
「く……神の玩具相手に、貴重なフルリペアを使う羽目になるとはなぁ!」
魔人は忌々し気に吐き出すと、真っ赤な宝玉を取り出した。
それは魔力を満タンまで回復させる、リペアの上位互換の宝玉だ。
「『フルリペア』!!」
魔人が唱えると宝玉が砕け、真紅の光が魔人を包む。
「ま……ずい……」
回復は即座ではないが、トウタの仮面は魔人が修復されていく事を伝えてきた。
このまま完全回復されてしまえば、勝ち目などありはしない。
(とにかく……攻撃を……)
攻撃をして、どうなるのか?
魔人はトウタに向き直り、剣を構えている。
魔人の剣の魔力は残り少ないが、2発程度の攻撃は可能だ。
ディレイを掛けた瞬間、迅速な刃で距離を詰められ、出鱈目な刃で叩き潰されて終わりだろう。
(相手にディレイを掛けたら、フルリペアは止まるかも知れない……それで剣の魔力を僕に使わせれば、魔人は戦いを継続できなくなるかもしれない……!!)
それしかないのか?
自分が死ねば皆が助かる……かも知れないと?
「やるしかない!!『ディレイ』!!」
トウタは覚悟を決めてスキルを起動する。
その瞬間だった。
「入って来い!!!」
ジュンが立ち上がり、トウタを呼んだのだ。
「あ……」
途端に世界が遅延し、周りの認識が出来なくなる。
―――それでも、ジュンが何をしたいのか、トウタが分からない筈がなかった。
一方で、魔人もある事に気が付いた。
カズオは自分にリペアを掛けた時、同時にレンの側に落ちていたリペアの宝玉も起動させていたのだ。
「小癪な!リペアの女を起こす気か!」
レンのリペアであれば、レア度Nのトウタやユウを回復させることができる。
(奴らの取っている行動は、3つ。リペアの少女の修復、ディレイの小僧のスキル発動、ファイヤーボールの小僧のスキル発動。
ディレイの小僧の一撃を食らったとしても耐えられる。リペアの少女を起こしてしまうとフリーズの少女を修復されてしまう可能性が出てくる。現状奴らの最も攻撃力の高いファイヤーボールも無視できない)
魔人は思考を巡らせながら、『迅速なる刃』を準備する。
(修復が終わる前に、リペアの少女を切り殺す。ディレイの小僧が瞬間移動で邪魔をするかもしれないが、一撃なら耐えられる。問題はリペアの少女ごとファイヤーボールで焼かれると、さすがにまずいと言う所か)
魔人はトウタの行動を警戒しながら、ジュンの動向に備える。
が!
「は?」
何とジュンは自身の斜め上へとスキルを放ったのだ。
間抜けにも、炎の弾丸はゆっくりと空に昇っていく。
「は…は!!ノーコンにも程があるなぁ!!」
魔人は、攻撃を『傲慢な刃』に切り替える。
ジュンの魔力量から見て、今放ったスキルが最後の攻撃だ。これなら躊躇いなくレンに攻撃を仕掛けるべき。
トウタの妨害があれば、傲慢な刃で迎え撃てばいい。
その後は修復途中で満足に動けないレンを切り、曖昧な刃でトウタとジュンに止めを指せばお終いだ。
「苦労させてくれたが、最後は呆気なかったな!」
魔人は勝利を確定させるべく、まだ動けないレンへと走った。
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