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13:病弱な僕だけど
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教室に着くと、僕はライリーに
席まで連れて来てもらった。
僕の席は窓側の一番後ろの席だ。
クラスでどんなに席替えをしても
僕の席の場所だけはかわらない。
休みがちの僕が間違えないように
してくれているのだ。
驚いたことに、ライリーは
僕の隣の席だった。
「エレミアス様、
鞄はここに置きますね」
と鞄を机の上に置いてくれたライリーの
手を僕はぎゅっと握ってしまう。
「えっと、エレミアス様?」
「あの、あのね。
僕と友達になって……くれる?」
今しかない!って頑張ったから
ちょっと涙目になってしまった。
ライリーは目を真ん丸にしたけれど
「もちろんです」と言って笑った。
僕は物凄く嬉しくなって、
「エレって呼んで」と言ったのだけど、
ライリーはそれだけはできないと首を振る。
「爵位のことがありますので……
ですが、僕のことはライリーと」
僕だけ呼び捨て?
友だちなのに?
でも我が儘を言ったら、
やっぱり友だちにならないって
言われたら嫌だし。
僕が涙目でライリーを見ていたからか
ライリーは「では、エレ様と呼ばせてもらって
いいでしょうか」という。
僕が大きく頷くと、
ライリーはほっとしたような顔をした。
「ではエレ様……」
「ライリー!」
ライリーが何か言おうとしたけれど、
その声が遮られた。
「エレ様、ちょっとすみません」
ライリーが声がした方へ向かうと、
クラスメイト達がライリーを囲って
何やら騒いでいる。
きっとライリーは優しいから人気者なんだ。
ライリーは一人の男子生徒に
首に腕を回されて、はしゃいでいる。
ちょっと顔が赤くて苦しそうだけど、
遊んでいるんだよね?
僕がライリーを見ていると、
ライリーが早足で戻って来た。
「あの、エレ様、その……」
ライリーは言いにくそうに
膝を落として、座っている僕と目線を合わせた。
「クラスのやつらが、
エレ様と友達になりたいと……
その、僕だけ仲良くなるのは
ずるいと言っているのですが。
話しかけてやってもらえませんか?」
僕はびっくりした。
僕から話しかけてもいいの?
仲良くなってくれるの?
僕は嬉しくて、でも驚きすぎて
声が出なくて。
ただ頷くしかできない。
でも僕が頷くのを見て、
ライリーが片手を上げると、
わっとクラスメイトたちが
僕の席の周囲に集まって来た。
「あ、あの俺、この前の時に
エレミアス様の隣の席で……」
そう言われて顔を見ると、
確かに見覚えがある。
耳まで出ている短くて赤茶色の髪に
大きくて深い茶色い瞳。
この人はいつも明るくて元気で。
僕はこの人の隣の席だったとき、
この人なら、もしかしたら
僕とお話してくれるかもって
思い切って声を掛けたんだ。
でも僕が、おはよう、って
頭を下げたら、何故かこの人は
顔を真っ赤にして、椅子から
転げ落ちた。
僕は驚きすぎて声も出なかった。
あの後、すぐに授業が始まったけど、
僕は自分が話しかけなければ良かったと
後悔してしまって。
結局、体調を崩してすぐに早退してしまったんだ。
「あの時は、俺、エレミアス様に
声をかけて貰えるとは
思ってなくて、驚いてしまって」
失礼なことをしてスミマセン、って
彼は大きく頭を下げた。
僕が声を掛けるって、
そんなに凄いことなの?
僕は首を傾げるしかない。
イスから転げ落ちた彼は、
ザイラスと名乗った。
家の爵位はライリーとは同じ子爵位で、
二人は幼馴染らしい。
ザイラスの自己紹介が終わると、
俺も、俺も、とあちこちから声があがる。
こんなことは初めてで、
僕がオロオロしていると
「おやめなさい」と澄んだ女性の声がした。
「やべ、ヴァレンティーナ女史だ」
そんな声が聞こえる。
「クラスメイトが失礼しましたわ、
エレミアス・バーンズ様。
わたくしは、このクラスの委員長をしております
ロチェスター伯爵家が娘、
ヴァレンティーナ・ロチェスターと申します」
僕の前にいたクラスメイト達が
彼女のために道を開けた。
彼女はストロベリーブロンドの髪を
しっかりと編み込んででいて、
顔を見ただけで、僕とは違って
しっかりした女性なんだと思う。
「私はブレイトン公爵家の
縁者ですので、バーンズ子息様の
事情は承知しております。
今までなかなかお目にかかることができず、
不甲斐ない思いをしておりましたが、
どうぞ、なにかあればこの
ヴァレンティーナにお申し付けくださいませ」
僕と同い年とは思えない程、
はきはきと喋る彼女に、
僕は、えっと、としか言えない。
「ヴァ、ヴァ、ヴァレンティーナ嬢?」
「はい、バーンズ子息様」
「ぼ、僕と同じクラス?」
「はい、そうですわ」
ということは……。
「僕と、お友達になってくれる?」
座ったままだったので、
上目使いになってしまったけれど。
僕がお願いをすると、
ヴァレンティーナ嬢は頬を赤くして、
も、もちろんですわ! と叫ぶように言った。
「俺、俺も! 俺も友だちに……」
と急に他の男子生徒の声がする。
「待ちなさい!
一度に群がると、
バーンズ子息様が混乱されるわ。
ひとりづつになさい」
と、ヴァレンティ―ナ嬢が言う。
するとなぜかみんな、素直に一
列に並んで僕に挨拶しはじめた。
僕は驚いたけれど、
こそっとライリーが、
ヴァレンティーナ嬢は優秀だし
クラス委員長だし、その上、
長女なので次期伯爵家当主でもあるから
誰も逆らえないんです、と教えてくれた。
ヴァレンティーナ嬢のおかげで
僕は授業が始まるまでに
クラスの全員と挨拶をすることができた。
すぐに全員の顔は覚えられないけど、
きっと毎日登校したら、
覚えることができるよね?
僕はこの日を境に、
学校に行くのが物凄く楽しみになったんだ。
席まで連れて来てもらった。
僕の席は窓側の一番後ろの席だ。
クラスでどんなに席替えをしても
僕の席の場所だけはかわらない。
休みがちの僕が間違えないように
してくれているのだ。
驚いたことに、ライリーは
僕の隣の席だった。
「エレミアス様、
鞄はここに置きますね」
と鞄を机の上に置いてくれたライリーの
手を僕はぎゅっと握ってしまう。
「えっと、エレミアス様?」
「あの、あのね。
僕と友達になって……くれる?」
今しかない!って頑張ったから
ちょっと涙目になってしまった。
ライリーは目を真ん丸にしたけれど
「もちろんです」と言って笑った。
僕は物凄く嬉しくなって、
「エレって呼んで」と言ったのだけど、
ライリーはそれだけはできないと首を振る。
「爵位のことがありますので……
ですが、僕のことはライリーと」
僕だけ呼び捨て?
友だちなのに?
でも我が儘を言ったら、
やっぱり友だちにならないって
言われたら嫌だし。
僕が涙目でライリーを見ていたからか
ライリーは「では、エレ様と呼ばせてもらって
いいでしょうか」という。
僕が大きく頷くと、
ライリーはほっとしたような顔をした。
「ではエレ様……」
「ライリー!」
ライリーが何か言おうとしたけれど、
その声が遮られた。
「エレ様、ちょっとすみません」
ライリーが声がした方へ向かうと、
クラスメイト達がライリーを囲って
何やら騒いでいる。
きっとライリーは優しいから人気者なんだ。
ライリーは一人の男子生徒に
首に腕を回されて、はしゃいでいる。
ちょっと顔が赤くて苦しそうだけど、
遊んでいるんだよね?
僕がライリーを見ていると、
ライリーが早足で戻って来た。
「あの、エレ様、その……」
ライリーは言いにくそうに
膝を落として、座っている僕と目線を合わせた。
「クラスのやつらが、
エレ様と友達になりたいと……
その、僕だけ仲良くなるのは
ずるいと言っているのですが。
話しかけてやってもらえませんか?」
僕はびっくりした。
僕から話しかけてもいいの?
仲良くなってくれるの?
僕は嬉しくて、でも驚きすぎて
声が出なくて。
ただ頷くしかできない。
でも僕が頷くのを見て、
ライリーが片手を上げると、
わっとクラスメイトたちが
僕の席の周囲に集まって来た。
「あ、あの俺、この前の時に
エレミアス様の隣の席で……」
そう言われて顔を見ると、
確かに見覚えがある。
耳まで出ている短くて赤茶色の髪に
大きくて深い茶色い瞳。
この人はいつも明るくて元気で。
僕はこの人の隣の席だったとき、
この人なら、もしかしたら
僕とお話してくれるかもって
思い切って声を掛けたんだ。
でも僕が、おはよう、って
頭を下げたら、何故かこの人は
顔を真っ赤にして、椅子から
転げ落ちた。
僕は驚きすぎて声も出なかった。
あの後、すぐに授業が始まったけど、
僕は自分が話しかけなければ良かったと
後悔してしまって。
結局、体調を崩してすぐに早退してしまったんだ。
「あの時は、俺、エレミアス様に
声をかけて貰えるとは
思ってなくて、驚いてしまって」
失礼なことをしてスミマセン、って
彼は大きく頭を下げた。
僕が声を掛けるって、
そんなに凄いことなの?
僕は首を傾げるしかない。
イスから転げ落ちた彼は、
ザイラスと名乗った。
家の爵位はライリーとは同じ子爵位で、
二人は幼馴染らしい。
ザイラスの自己紹介が終わると、
俺も、俺も、とあちこちから声があがる。
こんなことは初めてで、
僕がオロオロしていると
「おやめなさい」と澄んだ女性の声がした。
「やべ、ヴァレンティーナ女史だ」
そんな声が聞こえる。
「クラスメイトが失礼しましたわ、
エレミアス・バーンズ様。
わたくしは、このクラスの委員長をしております
ロチェスター伯爵家が娘、
ヴァレンティーナ・ロチェスターと申します」
僕の前にいたクラスメイト達が
彼女のために道を開けた。
彼女はストロベリーブロンドの髪を
しっかりと編み込んででいて、
顔を見ただけで、僕とは違って
しっかりした女性なんだと思う。
「私はブレイトン公爵家の
縁者ですので、バーンズ子息様の
事情は承知しております。
今までなかなかお目にかかることができず、
不甲斐ない思いをしておりましたが、
どうぞ、なにかあればこの
ヴァレンティーナにお申し付けくださいませ」
僕と同い年とは思えない程、
はきはきと喋る彼女に、
僕は、えっと、としか言えない。
「ヴァ、ヴァ、ヴァレンティーナ嬢?」
「はい、バーンズ子息様」
「ぼ、僕と同じクラス?」
「はい、そうですわ」
ということは……。
「僕と、お友達になってくれる?」
座ったままだったので、
上目使いになってしまったけれど。
僕がお願いをすると、
ヴァレンティーナ嬢は頬を赤くして、
も、もちろんですわ! と叫ぶように言った。
「俺、俺も! 俺も友だちに……」
と急に他の男子生徒の声がする。
「待ちなさい!
一度に群がると、
バーンズ子息様が混乱されるわ。
ひとりづつになさい」
と、ヴァレンティ―ナ嬢が言う。
するとなぜかみんな、素直に一
列に並んで僕に挨拶しはじめた。
僕は驚いたけれど、
こそっとライリーが、
ヴァレンティーナ嬢は優秀だし
クラス委員長だし、その上、
長女なので次期伯爵家当主でもあるから
誰も逆らえないんです、と教えてくれた。
ヴァレンティーナ嬢のおかげで
僕は授業が始まるまでに
クラスの全員と挨拶をすることができた。
すぐに全員の顔は覚えられないけど、
きっと毎日登校したら、
覚えることができるよね?
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