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15:お見舞い
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熱が出た翌日も、僕は学院を休んだ。
本当は元気になったけど、
兄が休むように僕に言ったのだ。
明日も休む予定だから、
また学院に行く日が遠くなる。
でも学院に行く度に熱を出し続けたら
「行かなくてもい」なんて兄が言い出すかもしれない。
そう思と、兄の言葉通り、
大事を取って休んだ方が良いだろう。
そうやってベットの上で本を読んだり、
のんりび過ごしていたら、
アンナから来客が来たと知らせを受けた。
「僕にお客様?」
僕を訪ねてくる人なんていない筈だけど。
「ガイではなく?」
「はい、ヴァレンティーナ・ロチェスター様と
おっしゃられる方で……」
え?って僕は驚いた。
「ヴァレンティーナ嬢? ほんとに?」
「はい、できればお見舞いがしたいと
言われております」
驚きしかないけれど、
僕はアンナに言って部屋に通してもらうことにした。
応接室に行けないことはないけど、
この部屋からは遠い。
アンナに言われて、寝間着の上に
薄い大きなシャツを羽織って
僕はベットの上に身体を起こした。
アンナは僕の髪の乱れを直し、
満足そうに頷く。
部屋にノックが聞こえて、
僕が返事をすると、
セバスチャンに連れられて
ヴァレンティーナ嬢と、
ライリー、サイラスの顔が見えた。
アンナは僕のベットのそばに
素早く簡易の椅子とテーブルを準備すると
その上に3人分のお茶を入れた。
「突然申し訳ありません」
素早い動作で、ライリーが頭を下げる。
「私も体調不良の時に
お見舞いに行くのは
ご迷惑ではないかと思ったのですが」
ヴァレンティーナ嬢も困った顔をするが。
「だって、また沢山、休んだら
学院に行くのがおっくうになるかも、だろ。
俺だって風邪で休んだ翌日は
面倒で行きたくなくなるし」
サイラスの声に、すぐさま
ライリーが「それはお前だけだ」という。
僕は笑ってしまった。
「どうぞ、座って。
お見舞いに来てくれてありがとう」
僕はお見舞いに来てもらうのも、
友だちを部屋に呼ぶのも初めてで
ちょっぴり緊張した。
「おかげんはいかがですの?」
「もう大丈夫なんだ。
熱は下がったし。
でも兄様が心配して
今日はベットからでないようにって」
「じゃあ、明日は来るのか?」
というサイラスに、僕は首を振る。
「ごめんね、明日はガイが屋敷に来るから
体調が戻ったら明後日には行くかな」
僕がそういうと、3人とも
不思議そうな顔をする。
「あの、ガイと言うのは、
ガイディス・ブレイトンのことですの?」
「うん、そうだよ。そうだ。
ガイもヴァレンティーナ嬢のこと
言ってたよ」
と僕が言うと、ヴァレンティーナ嬢は
「ガイディスだからガイ?」という。
「うん、長い名前が呼び辛いから
ガイって呼んでるの」
「では、私のことも、
ヴァレでいいですわ」
なんて急に言う。
「おい、急になんだよ」
とサイラスに、ヴァレンティーナ嬢は
だってお友達ですもの、という。
「知りませんの?
親しい友人とは、愛称で呼び合うものですの」
そうなんだ。
じゃあ……えっと。
「ティーナって呼んでもいい?」
ヴァレってなんか言いづらい。
そう思って言ったら、
ヴァレンティーナ嬢は顔を真っ赤にした。
「も、もちろんですわ。
私もライリーと同じように、
エレ様とお呼びしても
よろしいでしょうか」
「もちろんだよ。
サイラスもそう呼んで」
「ほんとか、やった!」という。
それから3人は僕が知らない
クラスのことを沢山話してくれた。
本来、社交界では高位貴族が
自分から名乗ることはしないらしい。
でも逆に、下位貴族から
高位貴族に話しかけるのはダメなんだって。
じゃあどうやって自己紹介をするかというと
間に互いの知り合いを呼んで、
紹介してもらうのが正しいやりかたらしい。
学院ではそこまで厳しくはないけれど
やっぱり社交界でのマナーを
みんな知っているから、
僕に話しかけられて驚くし、
本当に返事を返して良いのかわからず
迷っていたようだ。
僕とクラスメイトの間に、
誰か知り合いがいて紹介してもらえたら
ここまでおかしな状態には
ならなかったんだと僕は理解した。
昨日も護衛のケインがライリーの
顔を知っていて、そのライリーと
僕が仲良くなったから、
他のクラスメイト達も
僕に話しかけることができた、
ということらしい。
なんだか社交界ってややこしそう。
僕には無理そうだ。
それでも僕のクラスの皆は
爵位関係なく仲良しだし、
好きなことをいい合える仲だから
気にしないでいいとティーナは言う。
そんなティーナは僕のベットの
くまさんをチラチラとみる。
「ティーナも可愛いの、好き?」
僕がぬいぐるみを手に取ると、
ティーナは顔を赤くしたまま頷いた。
「私、エレ様が登校される時に
付けていらっしゃる髪飾りや、
タイピンが本当に可愛らしくて、素敵で。
一昨日のタイの結び方も
本当に素晴らしかったですわ。
エレ様の可愛らしい魅力を
最大限に引き出した髪型と……」
なんだか急にティーナが語り出す。
「委員長、あんなんですけど
本当は可愛い物好きなんです」と
ライリーがこっそりと教えてくれる。
しっかり者のイメージだったけど
ティーナも可愛いものが好きなんだ。
そう思ったら僕も嬉しくなった。
「アンナ、アンナ」
「はい、ぼっちゃま」
「ティーナに僕のリボンを見せてあげて」
僕は嬉しくて箱に並んだリボンを
アンナに持って来てもらった。
僕は自分で選んだものはあまりないけど
髪を結ぶリボンはいつも沢山、
アンナたちが準備してくれている。
兄やガイがプレゼントしてくれたものは
ここにはないので僕はベットの上で
リボンを手にしてティーナに見せた。
「ティーナ、この色だったら
ティーナの綺麗なストロベリーブロンドに
似合うと思うよ」
赤いレースがついたリボンを
僕はティーナに見せる。
物凄く可愛いリボンだけれど、
僕はどうしても女の子っぽすぎて
付けることができなかったリボンだ。
「ティーナにあげる」
「え? そんな……」
「お友達になってくれた記念に。
あのね、僕、きっとこれからも
沢山、クラスの皆に迷惑かけると思う。
だから、よろしくね」
ってティーナにリボンを握らせると
ティーナは感激したような顔をして
何度も首を縦に振った。
「エレ様、罪作り~」
からかうようにサイラスが言い、
それを咎めるように
ケイリーがサイラスの口をふさぐ。
「二人もリボンが欲しい?」
「え? 俺がリボンを結ぶ?」
ってサイラスが驚くので
確かに、って僕は二人を見た。
短い髪だから結ぶところが無いよね。
「じゃあ。二人にはこれ」
僕は僕と同じ目の色の緑のリボンを
2つ手に取って、それをお花みたいに
くるって丸めて結んだ。
「これをね、ピンで留めたら
綺麗な飾りになるでしょ?」
そう言って二人に渡したら、
二人とも目を見開いた。
でも互いに顔をあわせながら
手を差し出してくれたので
その手にリボンを乗せる。
「僕ね、友達がいなかったから
今日は来てくれて本当に嬉しい。
ありがとう」
「そんな、私たちこそ
押しかけてしまって……
しかもこんな心遣いまで」
「ティーナも、普通に話してね。
だって友達だもん」
サイラスとライリーの顔も見ながら
そう言うと、3人とも大きく頷いてくれた。
アンナが空気を読んだかのように
僕のシーツの上からリボンの箱を取り
サイラスとケリーのリボンに
服の上に付けることができるようにと
ピンを取り付けてくれた。
サイラスとケリーは顔を赤くしたまま
アンナの手により
胸ポケットに可愛い花を咲かせてくれる。
「似合うよ」
って僕が言うと、
ティーナも大きく頷いた。
「私は明後日、このリボンで
登校することに致しますわ」
「うん、僕も明後日は
頑張って学院に行くよ」
僕が言うと、3人は嬉しそうな顔をした。
もう少し話を聞いていたら、
婚約者と会うのに学院を休む生徒は
あまりいないっぽい。
だから3人は驚いていたみたいだけど、
まぁ、エレ様だから、という
サイラスの謎の言葉で3人は
納得してしまった。
楽しく話をしていると、
兄が帰宅したらしくて、
部屋に僕の顔を見にやって来た。
その瞬間、部屋の温度が何故が
急に下がったみたいになって、
三人はカチコチに固まっていたけれど。
僕は兄に3人をお友達って紹介できて
本当に嬉しくなった。
明日はガイにも自慢しなくっちゃ。
本当は元気になったけど、
兄が休むように僕に言ったのだ。
明日も休む予定だから、
また学院に行く日が遠くなる。
でも学院に行く度に熱を出し続けたら
「行かなくてもい」なんて兄が言い出すかもしれない。
そう思と、兄の言葉通り、
大事を取って休んだ方が良いだろう。
そうやってベットの上で本を読んだり、
のんりび過ごしていたら、
アンナから来客が来たと知らせを受けた。
「僕にお客様?」
僕を訪ねてくる人なんていない筈だけど。
「ガイではなく?」
「はい、ヴァレンティーナ・ロチェスター様と
おっしゃられる方で……」
え?って僕は驚いた。
「ヴァレンティーナ嬢? ほんとに?」
「はい、できればお見舞いがしたいと
言われております」
驚きしかないけれど、
僕はアンナに言って部屋に通してもらうことにした。
応接室に行けないことはないけど、
この部屋からは遠い。
アンナに言われて、寝間着の上に
薄い大きなシャツを羽織って
僕はベットの上に身体を起こした。
アンナは僕の髪の乱れを直し、
満足そうに頷く。
部屋にノックが聞こえて、
僕が返事をすると、
セバスチャンに連れられて
ヴァレンティーナ嬢と、
ライリー、サイラスの顔が見えた。
アンナは僕のベットのそばに
素早く簡易の椅子とテーブルを準備すると
その上に3人分のお茶を入れた。
「突然申し訳ありません」
素早い動作で、ライリーが頭を下げる。
「私も体調不良の時に
お見舞いに行くのは
ご迷惑ではないかと思ったのですが」
ヴァレンティーナ嬢も困った顔をするが。
「だって、また沢山、休んだら
学院に行くのがおっくうになるかも、だろ。
俺だって風邪で休んだ翌日は
面倒で行きたくなくなるし」
サイラスの声に、すぐさま
ライリーが「それはお前だけだ」という。
僕は笑ってしまった。
「どうぞ、座って。
お見舞いに来てくれてありがとう」
僕はお見舞いに来てもらうのも、
友だちを部屋に呼ぶのも初めてで
ちょっぴり緊張した。
「おかげんはいかがですの?」
「もう大丈夫なんだ。
熱は下がったし。
でも兄様が心配して
今日はベットからでないようにって」
「じゃあ、明日は来るのか?」
というサイラスに、僕は首を振る。
「ごめんね、明日はガイが屋敷に来るから
体調が戻ったら明後日には行くかな」
僕がそういうと、3人とも
不思議そうな顔をする。
「あの、ガイと言うのは、
ガイディス・ブレイトンのことですの?」
「うん、そうだよ。そうだ。
ガイもヴァレンティーナ嬢のこと
言ってたよ」
と僕が言うと、ヴァレンティーナ嬢は
「ガイディスだからガイ?」という。
「うん、長い名前が呼び辛いから
ガイって呼んでるの」
「では、私のことも、
ヴァレでいいですわ」
なんて急に言う。
「おい、急になんだよ」
とサイラスに、ヴァレンティーナ嬢は
だってお友達ですもの、という。
「知りませんの?
親しい友人とは、愛称で呼び合うものですの」
そうなんだ。
じゃあ……えっと。
「ティーナって呼んでもいい?」
ヴァレってなんか言いづらい。
そう思って言ったら、
ヴァレンティーナ嬢は顔を真っ赤にした。
「も、もちろんですわ。
私もライリーと同じように、
エレ様とお呼びしても
よろしいでしょうか」
「もちろんだよ。
サイラスもそう呼んで」
「ほんとか、やった!」という。
それから3人は僕が知らない
クラスのことを沢山話してくれた。
本来、社交界では高位貴族が
自分から名乗ることはしないらしい。
でも逆に、下位貴族から
高位貴族に話しかけるのはダメなんだって。
じゃあどうやって自己紹介をするかというと
間に互いの知り合いを呼んで、
紹介してもらうのが正しいやりかたらしい。
学院ではそこまで厳しくはないけれど
やっぱり社交界でのマナーを
みんな知っているから、
僕に話しかけられて驚くし、
本当に返事を返して良いのかわからず
迷っていたようだ。
僕とクラスメイトの間に、
誰か知り合いがいて紹介してもらえたら
ここまでおかしな状態には
ならなかったんだと僕は理解した。
昨日も護衛のケインがライリーの
顔を知っていて、そのライリーと
僕が仲良くなったから、
他のクラスメイト達も
僕に話しかけることができた、
ということらしい。
なんだか社交界ってややこしそう。
僕には無理そうだ。
それでも僕のクラスの皆は
爵位関係なく仲良しだし、
好きなことをいい合える仲だから
気にしないでいいとティーナは言う。
そんなティーナは僕のベットの
くまさんをチラチラとみる。
「ティーナも可愛いの、好き?」
僕がぬいぐるみを手に取ると、
ティーナは顔を赤くしたまま頷いた。
「私、エレ様が登校される時に
付けていらっしゃる髪飾りや、
タイピンが本当に可愛らしくて、素敵で。
一昨日のタイの結び方も
本当に素晴らしかったですわ。
エレ様の可愛らしい魅力を
最大限に引き出した髪型と……」
なんだか急にティーナが語り出す。
「委員長、あんなんですけど
本当は可愛い物好きなんです」と
ライリーがこっそりと教えてくれる。
しっかり者のイメージだったけど
ティーナも可愛いものが好きなんだ。
そう思ったら僕も嬉しくなった。
「アンナ、アンナ」
「はい、ぼっちゃま」
「ティーナに僕のリボンを見せてあげて」
僕は嬉しくて箱に並んだリボンを
アンナに持って来てもらった。
僕は自分で選んだものはあまりないけど
髪を結ぶリボンはいつも沢山、
アンナたちが準備してくれている。
兄やガイがプレゼントしてくれたものは
ここにはないので僕はベットの上で
リボンを手にしてティーナに見せた。
「ティーナ、この色だったら
ティーナの綺麗なストロベリーブロンドに
似合うと思うよ」
赤いレースがついたリボンを
僕はティーナに見せる。
物凄く可愛いリボンだけれど、
僕はどうしても女の子っぽすぎて
付けることができなかったリボンだ。
「ティーナにあげる」
「え? そんな……」
「お友達になってくれた記念に。
あのね、僕、きっとこれからも
沢山、クラスの皆に迷惑かけると思う。
だから、よろしくね」
ってティーナにリボンを握らせると
ティーナは感激したような顔をして
何度も首を縦に振った。
「エレ様、罪作り~」
からかうようにサイラスが言い、
それを咎めるように
ケイリーがサイラスの口をふさぐ。
「二人もリボンが欲しい?」
「え? 俺がリボンを結ぶ?」
ってサイラスが驚くので
確かに、って僕は二人を見た。
短い髪だから結ぶところが無いよね。
「じゃあ。二人にはこれ」
僕は僕と同じ目の色の緑のリボンを
2つ手に取って、それをお花みたいに
くるって丸めて結んだ。
「これをね、ピンで留めたら
綺麗な飾りになるでしょ?」
そう言って二人に渡したら、
二人とも目を見開いた。
でも互いに顔をあわせながら
手を差し出してくれたので
その手にリボンを乗せる。
「僕ね、友達がいなかったから
今日は来てくれて本当に嬉しい。
ありがとう」
「そんな、私たちこそ
押しかけてしまって……
しかもこんな心遣いまで」
「ティーナも、普通に話してね。
だって友達だもん」
サイラスとライリーの顔も見ながら
そう言うと、3人とも大きく頷いてくれた。
アンナが空気を読んだかのように
僕のシーツの上からリボンの箱を取り
サイラスとケリーのリボンに
服の上に付けることができるようにと
ピンを取り付けてくれた。
サイラスとケリーは顔を赤くしたまま
アンナの手により
胸ポケットに可愛い花を咲かせてくれる。
「似合うよ」
って僕が言うと、
ティーナも大きく頷いた。
「私は明後日、このリボンで
登校することに致しますわ」
「うん、僕も明後日は
頑張って学院に行くよ」
僕が言うと、3人は嬉しそうな顔をした。
もう少し話を聞いていたら、
婚約者と会うのに学院を休む生徒は
あまりいないっぽい。
だから3人は驚いていたみたいだけど、
まぁ、エレ様だから、という
サイラスの謎の言葉で3人は
納得してしまった。
楽しく話をしていると、
兄が帰宅したらしくて、
部屋に僕の顔を見にやって来た。
その瞬間、部屋の温度が何故が
急に下がったみたいになって、
三人はカチコチに固まっていたけれど。
僕は兄に3人をお友達って紹介できて
本当に嬉しくなった。
明日はガイにも自慢しなくっちゃ。
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