美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ

文字の大きさ
41 / 51

第41話

しおりを挟む
「お店の焼肉」

 家に帰って5人で食事を摂っていると急にメイがつぶやいた。
 全員がスルーする。
 いや、話を変えよう。

「ユキナ、最近執筆の調子はどうかな?」
「順調よ、でも、もっとドキドキできる実体験が必要よね。例えば、シュウと一緒に過ごすとか」

 ユキナが指で僕の背中を撫でる。
 こんなことをしてスキンシップが多いけど、エチエチイベントは凄く恥ずかしがるのだ。

 ユキナは大胆に見えて、エチエチイベント耐性は無い。

「お姉ちゃん!お店の焼肉に行けば焼肉効果でいい事あるよ!」

 僕はスルーする。

「そう言えばヒマリはいつも部屋で何をしているだろ?」
「え?私!え、とぉ。スマホを見たり?きゅうを抱っこしたり?」

「スマホの焼肉おいしそうだよね!」

 メイがスマホの画面をみんなに見せる。

「それはいいとして、ユズキは最近自転車に乗ってる?」
「乗ってるわよ。でも、きゅうと散歩をしたくて、最近は走ることが多いわね」

「走ってるとお腹がすくよね!お店焼肉だよ!」

「メイ、ダメだよ。父さんも母さんも無駄な事にお金を使わないようにしてきたから今があるんだ。お金は出来るだけお金を生む物に使う方が後が楽だよ。

 収入-支出=貯金になるんだ。
 そして、余裕資金を残して全部投資に回す事で、将来が楽になるよ。

 メイには金融教育が必要だね。
 メイみたいに全部のお金を使い切っていたら何かあった時に困るんだよ」

 メイがおとなしくなったと思ったら、ウトウトと眠りそうになっていた。

「シュウ、ダメよ。メイにはもっと簡単に言わないと聞かないわ。簡単に言っても聞いてくれるかどうか怪しいわね」
「でも、このまま眠ってくれるなら、半分成功かな」

 でも、僕の話が終わるとメイは目を覚ます。

「僕の話は眠くなるかな?」
「お兄ちゃんは良い声だよ。お腹に響く感じで気持ちよくなるなあ」

「眠くなるのはお金の話の時だけだよね?」
「そんな事無いよー」

 メイがフルフルと首を横に振った。

「そんな事より、お店の焼肉いいよね」

 失敗か。

「次はもっと短く話をまとめようかな」
「あら、面白いわね。私もシュウ話が聞きたいわ」
「シュウが明日まとめてお金の発表をする事にしましょうよ」

「明日までに、うん。考えてみるよ」



 僕は部屋に戻った。
 メイに専門用語を使ったら駄目だ。
 結論を先に言って、4コマ漫画のように少ない資料を作ろう。

 僕はパソコンを打ち鳴らし、色んな事を省略した資料を作った。



【次の日の夜】

 夕食の後、僕はパソコンを開いてみんなに見せる。

「これから3分でお金持ちになる方法を言うよ」

 1つ目の資料を開く。
 絵を使い、文字は最小限に抑えた。

『①お金持ちになる方法』

 頑張って人が札束を持っていほほ笑む絵も作ってある。
 絵を使う事で分かりやすくなるし、イメージしやすくなるはずだ。

「お、お兄ちゃん!この絵何、ぷう、ふっふっふ、小学生、小学生の絵だよ!」

 メイが笑い出す。

「僕が簡単に作った絵だよ」
「これ、地面から浮いてる!飛んでるよ!」
 
 メイがツボにはまったように笑いだし、話が進まない。

「メイ、次に行っていいかな?いや、進めます」

『②節約する』

 ブタの貯金箱にお金を入れる絵を書いてある。
 分かりやすくイメージできる。

 またメイが笑う。

「カバにお金を入れてるよ!」
「違う、ブタの貯金箱だよ」

「でも、カバ、カバが大きすぎるよ!」

 メイが爆笑する。

「ブタの貯金箱だよ。貯金箱を強調しているんだよ」
「次、次見たいよ!」

 メイがおかしな方向で僕の資料に興味を持った。
 絶対に僕が意図した方向に興味を持っていない。

「次行きます」

『③収入アップ』

 笑顔で喜んでいる絵を入れてある。
 これはさすがに大丈夫だろう。

「人が、光ってるよ!ふふふふ、面白い!お兄ちゃん面白いよ!」

 メイがまた笑う。
 人の周りに効果線みたいなのを入れたつもりだけど、光っている感じになったのか。

「最後行きます」

『④余った分を投資する』

 チャートの線、そしてコインを手に持った絵を書き込んだ。
 ここは笑う要素が無いはずだ。

「赤ちゃんの手!赤ちゃんの手だよ!」
「ち、違う。デフォルメした手だからね。何が大事かと言うと、まずは節約なんだ」

 メイはしばらく笑い続けた。
 絵じゃなく、写真を入れておくべきだったか。



 メイが落ち着くと言った。

「エチエチな電子書籍をたくさん売れば解決だよ!」
「……んんんん???いや、お金持ちになるには最初節約するのがいいと話をしたつもりだよ?」

「頑張って絵を書こうっと。お兄ちゃん、小学生みたいな絵だったよ」

 そう言ってメイは部屋に戻っていった。
 僕は敗北した。

 床に倒れこむ。

「シュウ、思っていた流れとは違うけれど、悪くはないと思うわ。焼肉から興味が移って収入アップに取り組もうとしているわ。メイに何か言って、ここまで説得出来たら良い方だわ」
「そうだよ。メイは絶対に思った通りに動かないんだよ」
「収入がアップすれば、節約に目を向ける、かもしれないわね」

 いつもの事だけど、メイは感覚で動いて、僕の言ったことを聞かない。
 しかも動きを予想できないから父さんと母さんはメイの教育をあきらめているんだ。

 上出来、そう、良い方なんだ。
 メイ相手にうまくいった方だよ。




 新作のご紹介
 モブ炎使い、3000フォロワー突破&総合週間9位獲得!!

 僕の作品に3000フォロワー越えは他にもありますが、週間総合9位、トップ10入りは初だと思います。

執筆の積み重ねで皆さんに僕の事を知って頂いた点も大きいかと思っています。
カクヨムに投稿し始めた頃は、知られる事すらなかったので、カメのように少しずつでも前進しているのを感じます。
まだお読みいただいていない方は

『ゲーム序盤で死ぬモブ炎使いに転生したので、主人公に先回りしてイベントをクリアしたらヒロインが俺について来た』

を何卒お願いします。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...