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第72話
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俺は毎日配信を続けた。
毎日毎日続けて借金奴隷の95%以上を買い取った。
今日の配信が終わったら休もう。
俺は配信をスタートした。
「魔王だ。今回は借金奴隷の95%以上を買い取った話をしていく」
『おお!遂にお母さんがやり遂げたか』
『最速10星冒険者イクスお母さんの件はまだあ?』
『このままスルーし続けるんだろうなwwwwww』
『おめでとう!』
『後は消化試合だよな。今までお疲れ様』
『あれ?目から液体が、ああ、涙か』
『お母さんはやっぱすごいと思うわ』
『最初の動画を見て、ここまで成果を上げられると誰が思っただろうか』
『4英雄のラストアタックは凄かった。あの時は4英雄だけじゃなく、画面を見ているみんなも1つになっていた』
コメントが高速で流れていく。
「やっとここまで来る事が出来た。ここまでこれたのは協力してくれたみんなのおかげだ。本当にありがとうございました」
俺は頭を下げた。
『残り5%の奴隷はやばい奴とか、販売価格が異様に高かったり、新しく売られた奴隷になる。後は惰性で奴隷を買っていけばいいだけだから借金奴隷の解放はほぼ達成やね』
『前に出るのが苦手なお母さんの発信だからこそ心にくるものがあった。お母さんじゃなきゃここまで寄付やらファンドは集まらなかったと思う』
「俺の、最後の奴隷解放を行う。アクアマリン、ニャリス、カノン、ジェンダ、前に出て欲しい」
4人がドレスを着て歩いて来た。
『何故かみんな真っ白なドレスな件!』
『みんな綺麗だよな』
『逆にまだ奴隷のままだったのか』
『でも、節目として分かりやすいメッセージになるだろう』
今まで奴隷解放の話をするたびに話が変わって話を進める事が出来なかった。
だが、今回は大事な節目という事で4人同時に奴隷解放を受けて貰う事に成功した。
アクアマリンが前に出た。
「アクアマリンは奴隷解放の組織を作ろうとしてから1人目の奴隷だった。今まで献身的に回復魔法を使い、惜しみなく皆に回復魔法の技術を教えてくれたおかげでここまで来る事が出来た。ありがとう」
俺はアクアマリンの左手を取り、薬指に魔力を流し込む。
アクアマリンの奴隷紋章が消えた。
だが、アクアマリンが泣き出した。
「アクアマリン?」
「これからもお母さんを手伝います、ずっと手伝いますうううう」
「ありがとう」
『涙が出てきた』
『アクアマリンはお母さんの奴隷で良かったと思う』
『アクアマリンは生き生きとみんなを助けていた。アクアマリンは幸せになったと思う』
ニャリスが前に出た。
「ニャリス。お前はいい奴だけど、もう少し配信の事を忘れてもいいと思うぞ」
「……考えておくね」
ニャリスの奴隷契約を解除した。
『絶対に忘れずに配信をするだろ』
『こいつ、懲りないな』
『ニャリスは配信の為に生まれてきたような感じだし、しょうがないよ』
カノンが前に出る。
もうすでにカノンは泣いていた。
「カノン、読み書きやテーブルマナー、魔法訓練の教育を買って出てくれたな。カノン1人のおかげで多くの人が救われた。ありがとう」
カノンの奴隷契約を解除した。
カノンは手で口を押さえ泣きながら何度も頷いた。
『泣きすぎて言葉に出来ないんだな』
『カノンが泣くのは珍しい』
『本当に感動する』
ジェンダは泣くアクアマリンやカノンをなだめる。
俺は無言で待った。
「明日でもいいかな?」
「いや、節目の大事な儀式だ。今やろう」
「……分かったよ」
俺はジェンダの元に歩いた。
「ジェンダは優等生だったな。ほとんど教える事が無くて進化後は安心してダンジョンに送り出す事が出来た。ありがとう」
ジェンダの奴隷契約を解除した。
「4人を奴隷解放した。俺は、少し休む」
『毎日の配信を楽しみにしていました。毎日見られなくなるのは少し悲しいですがゆっくり休んでください』
『毎日楽しかったで』
『あれ、涙腺が壊れたのか?涙が止まらない』
「今日の配信をご覧いただきありがとうございました」
配信を切った。
肩の力がすっと抜けて体が少し軽くなった気がする。
空気が美味しく感じる。
体中を血が巡って生きている感じがする。
呼吸が落ち着いて心が落ち着いているのを感じる。
「ふ~~!俺は、しばらく休む」
アクアマリンが歩いて来て俺の服を掴んだ。
「お母さん、ご褒美を忘れてますよね?」
「……あ」
「今日、ご褒美をください」
「な、何がいいんだ?」
「左手の薬指に指輪が欲しいです」
その瞬間にジェンダ・カノン・ニャリスが俺とアクアマリンを見た。
4人全員に服を掴まれた。
「私も左手の薬指に指輪が欲しいですわ」
「私にも頂戴!」
「僕も、欲しいよ」
「え、あ、薬指の指輪は皆にあげるものじゃないだろ」
その瞬間に4人が同時に話し出した。
何を言っているか分からない。
いや、集中できないのだ。
心臓がバクバクと鼓動を早める。
手の先がチリチリと熱くなる。
俺は休むつもりだった。
何か爆弾を投げ込まれたような衝撃を感じていた。
毎日毎日続けて借金奴隷の95%以上を買い取った。
今日の配信が終わったら休もう。
俺は配信をスタートした。
「魔王だ。今回は借金奴隷の95%以上を買い取った話をしていく」
『おお!遂にお母さんがやり遂げたか』
『最速10星冒険者イクスお母さんの件はまだあ?』
『このままスルーし続けるんだろうなwwwwww』
『おめでとう!』
『後は消化試合だよな。今までお疲れ様』
『あれ?目から液体が、ああ、涙か』
『お母さんはやっぱすごいと思うわ』
『最初の動画を見て、ここまで成果を上げられると誰が思っただろうか』
『4英雄のラストアタックは凄かった。あの時は4英雄だけじゃなく、画面を見ているみんなも1つになっていた』
コメントが高速で流れていく。
「やっとここまで来る事が出来た。ここまでこれたのは協力してくれたみんなのおかげだ。本当にありがとうございました」
俺は頭を下げた。
『残り5%の奴隷はやばい奴とか、販売価格が異様に高かったり、新しく売られた奴隷になる。後は惰性で奴隷を買っていけばいいだけだから借金奴隷の解放はほぼ達成やね』
『前に出るのが苦手なお母さんの発信だからこそ心にくるものがあった。お母さんじゃなきゃここまで寄付やらファンドは集まらなかったと思う』
「俺の、最後の奴隷解放を行う。アクアマリン、ニャリス、カノン、ジェンダ、前に出て欲しい」
4人がドレスを着て歩いて来た。
『何故かみんな真っ白なドレスな件!』
『みんな綺麗だよな』
『逆にまだ奴隷のままだったのか』
『でも、節目として分かりやすいメッセージになるだろう』
今まで奴隷解放の話をするたびに話が変わって話を進める事が出来なかった。
だが、今回は大事な節目という事で4人同時に奴隷解放を受けて貰う事に成功した。
アクアマリンが前に出た。
「アクアマリンは奴隷解放の組織を作ろうとしてから1人目の奴隷だった。今まで献身的に回復魔法を使い、惜しみなく皆に回復魔法の技術を教えてくれたおかげでここまで来る事が出来た。ありがとう」
俺はアクアマリンの左手を取り、薬指に魔力を流し込む。
アクアマリンの奴隷紋章が消えた。
だが、アクアマリンが泣き出した。
「アクアマリン?」
「これからもお母さんを手伝います、ずっと手伝いますうううう」
「ありがとう」
『涙が出てきた』
『アクアマリンはお母さんの奴隷で良かったと思う』
『アクアマリンは生き生きとみんなを助けていた。アクアマリンは幸せになったと思う』
ニャリスが前に出た。
「ニャリス。お前はいい奴だけど、もう少し配信の事を忘れてもいいと思うぞ」
「……考えておくね」
ニャリスの奴隷契約を解除した。
『絶対に忘れずに配信をするだろ』
『こいつ、懲りないな』
『ニャリスは配信の為に生まれてきたような感じだし、しょうがないよ』
カノンが前に出る。
もうすでにカノンは泣いていた。
「カノン、読み書きやテーブルマナー、魔法訓練の教育を買って出てくれたな。カノン1人のおかげで多くの人が救われた。ありがとう」
カノンの奴隷契約を解除した。
カノンは手で口を押さえ泣きながら何度も頷いた。
『泣きすぎて言葉に出来ないんだな』
『カノンが泣くのは珍しい』
『本当に感動する』
ジェンダは泣くアクアマリンやカノンをなだめる。
俺は無言で待った。
「明日でもいいかな?」
「いや、節目の大事な儀式だ。今やろう」
「……分かったよ」
俺はジェンダの元に歩いた。
「ジェンダは優等生だったな。ほとんど教える事が無くて進化後は安心してダンジョンに送り出す事が出来た。ありがとう」
ジェンダの奴隷契約を解除した。
「4人を奴隷解放した。俺は、少し休む」
『毎日の配信を楽しみにしていました。毎日見られなくなるのは少し悲しいですがゆっくり休んでください』
『毎日楽しかったで』
『あれ、涙腺が壊れたのか?涙が止まらない』
「今日の配信をご覧いただきありがとうございました」
配信を切った。
肩の力がすっと抜けて体が少し軽くなった気がする。
空気が美味しく感じる。
体中を血が巡って生きている感じがする。
呼吸が落ち着いて心が落ち着いているのを感じる。
「ふ~~!俺は、しばらく休む」
アクアマリンが歩いて来て俺の服を掴んだ。
「お母さん、ご褒美を忘れてますよね?」
「……あ」
「今日、ご褒美をください」
「な、何がいいんだ?」
「左手の薬指に指輪が欲しいです」
その瞬間にジェンダ・カノン・ニャリスが俺とアクアマリンを見た。
4人全員に服を掴まれた。
「私も左手の薬指に指輪が欲しいですわ」
「私にも頂戴!」
「僕も、欲しいよ」
「え、あ、薬指の指輪は皆にあげるものじゃないだろ」
その瞬間に4人が同時に話し出した。
何を言っているか分からない。
いや、集中できないのだ。
心臓がバクバクと鼓動を早める。
手の先がチリチリと熱くなる。
俺は休むつもりだった。
何か爆弾を投げ込まれたような衝撃を感じていた。
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