雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

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第43話 カリスマ

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「う、うううううう!」

 司会の女性がメイに駆け寄った。

「もし良ければ、今の気持ちをお聞かせください」
「ソウルアップ、しなければ、言わなければ、勝って、勝って、うううううう!」

『苦しいよな、自分だけランクが低くて、自分のせいで負けたみたいになってる』
『元々アキラだけなら東高校に転入できたがアキラはメイも一緒じゃなければ行かないと言って今回の対決イベントが始まった』
『気にしなくていい、気合侍もアキラも気にしない』
『でも気にするだろ』

 クラックの声が頭に響く。

『変われ』
「いや、俺の言葉で言いたい」
『こういうのは得意だ』
「クラックの方が得意だろうな、それでも俺が、俺の言葉で言う、うまく言えなくてもいいから俺に言わせてくれ」
『分かった』

 司会が俺に近づいてくる前に俺は前に出た。

「言葉をお願いします」

 俺の前にマイクが向けられた。
 俺はマイクを受け取って握り締めた。

「俺は負けた。だが、一片の悔いも無い! 仲間の悩みを犠牲にして勝っても何の意味も無い! 仲間を踏み台にして勝って何の意味がある!?」
『そうだ、仲間の未来を潰して勝っても残るのは罪悪感だけだ! 俺とお前は胸を張って生きていく!』

 俺は両手を前に出して続けた。

「胸を張って言える! 兄さんとメイのソウルアップは間違っていない!! 以上だ!!」
『胸を張れ! お前は間違っていない!』

 メイが俺を見て号泣した。

 俺もクラックもいいと思って選んだ道だ。

 何の後悔も無い。

 胸を張って言える。

 クラックと俺の魂が混ざり合う感覚がした。

『ソウルアップが可能です』

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

「あ、ありがとうございました」

『校長を超えるオーラを感じる』
『カリスマ感が半端ない』
『司会のお姉さんもオーラで圧倒されとる』
『アキラを見る周りの目が明らかに変わった!』

 俺はメイに駆け寄った。

「そ、それでは今回の対決イベントは終了です、皆さま、ありがとうございました」



【掲示板】

 クラックがクラックじゃない!

 言っている事は分かる。

 校長越えのカリスマ!

 校長越えは中々無いで!

 校長が盛り上がりマックスかと思っていたけど、アキラで引き込まれたわ。

 これは、モテる。

 その横で感動して泣く気合侍は誰も突っ込まないのか?

 アキラが言い終わった後に何かが変わった、何と言ったらいいのか分からないけど、何かが変わった気がする。

 俺も同じ感覚だった、うまく言えないけど何かが変わったよな。

 やばいぞ、また13ゲートからモンスターが溢れた。

 配信でも警報が鳴ってる!

 これは、補修が終わっていない防壁北がまた突破されるな。

 ニワトリ? ウサギ? 牛? イノシシ?

 イノシシだな。

 突撃で池を飛び越えて修理中の防壁にタックルされる、一番駄目なパターンだ。

 ニワトリは防壁を飛び越えるからそっちのが厄介。

 いや、ニワトリは打たれ弱いから撃ち落とせばいい。
 でもイノシシはタフだ。
 銃で仕留めきれない可能性があるのと弾切れを起こしやすくなる。
 イノシシを倒すためにはたくさんの弾丸が必要なのに弾が足りないからヤバイ。

 4種の内どれが来ても嫌なんだけどね。

 確かに。

 魔法弾は不足したままだ。
 雑魚が多数と10メートル級が10体以上出て来て北を目指している。
 これがその動画→これ

 イノシシの突撃ラッシュはマジでヤバイからな。

 犠牲が出るのは確定だ。

 冒険者は稼ぎ時じゃん

 マジで言ってる? ネタだよな?
 死ぬかもしれないんだぞ?

 キッズなんだろう、10%の確率で死にます、戦って下さいと言われたら断る人の方が多い。
 ゲームじゃないんだから。

 10メートル級は最悪1撃で死ぬ、もしくは1撃目で吹き飛ばされて倒れた所に突撃されて死ぬ。

 ゲームならボーナスステージだけど、現実だと罰ゲームな


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