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第158話
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俺達のレベルは上がっていく。
俺に突撃してきたオークは瞬殺し、周りにいるオークはアオイが倒していく。
俺は前のめりになって戦った。
今は早くオークを倒す!
ガードオークはしぶとい。
魔導士を潰すための魔物だ。
魔導士のカースウォー&攻撃魔法は早期決戦を狙う戦法だが、耐え凌がれると脆さが出てくる。
戦士隊が少なく、攻撃魔法を回復させる為魔力ポーションを飲んではいるだろうが、回復まで時間がかかる。
オークキングを倒す予定だったカムイパーティーとセイコウコウボウも雑魚狩りに参戦する。
本来なら最強のセイコウコウボウと2番目に強いカムイをオークキングにぶつけて瞬殺してもらう予定だった。
だが、完全に予定は崩れた。
教会騎士団よりはマシとは言え、ファルナ軍は魔導士の割合が最も多い。
相性が不利な状態での戦いが始まっているのだ。
それもあってデーブは攻撃に動かず、教会騎士団の数を温存する道を選んだのだろう。
「回復弾丸!」
ストレージから回復弾丸を取り出して手の甲に押し当てる。
『武具の耐久力とツインハンドガンの弾数が回復しました』
「ち!オークが硬い!」
ガードオークが硬いため、刀の耐久力が削られていく。
遠距離攻撃はされないから最悪ではないか。
「2つ目のソウルスキルを使う!超強化弾丸!」
超強化弾丸をストレージから取り出して手の甲に押し当てた。
俺の強化弾丸は『超強化弾丸』に進化していた。
それにより弾数は1つ減った。
だが、性能は大きく向上している。
『武具の攻撃力と防御力が2倍に上昇しました』
『シャドーファントムを発動します』
『ハイリジェネを発動します』
超強化弾丸の正体、それは、武具の性能を引き上げる『強化弾丸』、そして攻撃力・防御力・速度を20%上昇する『シャドーファントム』、そしてHP・MP・スタミナ・状態異常を回復させるハイリジェネを同時に発動させる。
ただそれだけのソウルスキルだ。
強化弾丸から弾数は1つに減った。
だがメリットもある。
本来シャドーファントムとハイリジェネは1秒につき1MPを消費するが、それが無い。
効果時間は技量値×2秒だ。
俺の技量値は300、つまり。
『超強化弾丸の効果時間は残り600秒です』
600秒、分に直せば10分間、武具の性能を2倍に引き上げた上でシャドーファントムの効果により攻撃力・防御力・速度を20%引き上げ、ハイリジェネによってHP・MP・スタミナ・状態異常を回復させつつ戦える。
火力を上げつつ、スタミナを回復しながら戦えるのはアドバンテージがかなり大きい。
今まで何度もスタミナが切れ、体に負担をかけつつ戦ってきたが、俺を守るように回復させ、強化しながら戦う事が出来る。
旧闇魔導士のような、1分だけの圧倒的な火力は失った。
だが、その代わりに、粘り強く戦い続ける事が出来るソウルスキルを手に入れたのだ。
俺は何度もガードオークを倒し続けた。
草原にまだらのように広がる乾いた土が土煙を上げ、乱戦の中心にいる俺は見えにくく目立たないだろう。
見物する者の多くはガタイの大きいオークキングとボスに迫ってくセイコウコウボウとカムイパーティーを見る。
俺はオークを踏み台にしてジャンプし、ツインハンドガンをボスとオークキングにばらまく。
1発当てる事で防御力が1%減少するのだ。
俺は、雑魚を残らず殲滅する。
だが、少しだけ援護しよう。
「回復弾丸!」
『武具の耐久力と、ツインハンドガンの弾数が回復しました』
俺は武具を回復させるリペアのカードを使えない。
でも、それでいいんだと思う。
俺のストレージは一瞬で出し入れ出来て、回復弾丸も素早く使う事が出来、スキが少ない。
俺はまたジャンプしてセイコウコウボウやカムイパーティーが迫るボスやオークキングにツインハンドガンをヒットさせた。
大したダメージは与えていないが、防御力を少し下げる事が出来た。
これで銃の事は考えず刀で戦える。
俺は戦いながら武具の耐久力を回復させてガードオークを倒し続けた。
『超強化弾丸の効果が切れました』
俺はハイリジェネ効果によりスタミナが回復した状態で更に魔物を狩る。
「ハヤト、もう無理をしなくても大丈夫よ!下がりなさい!魔導士のMPが回復したわ!」
「戦士隊!後退!魔導士の攻撃を開始しますわ!」
俺は最後尾で迫り来るオークを引きつけつつ味方を逃がした。
アオイも俺の近くでガードオークを引き付ける。
「ファルナ!撃たせろ!」
「魔導士部隊!攻撃開始!」
俺達をのいる範囲以外を狙って魔導士部隊がカースウォー&攻撃魔法でガードオークを攻撃する。
これにより、俺達の勝ちは確定した。
セイコウコウボウとカムイはボスとの戦いを始めた。
俺とアオイはボス戦へと向かった。
【ファルナ視点】
残るは打ち漏らしたガードオーク、そしてボス9体とオークキングのみ。
ボスとオークキングのレベルは高い。
セイコウコウボウとカムイパーティーはガードオークとの戦闘で消耗はした。
でも、ハヤトパーティーがいるのなら、大丈夫だろう。
セイコウコウボウはオークキングと4体のボスを引き付けるように戦う。
アオイとハヤトは1対1でボスを引き付けつつ確実に倒しに行っている。
残る3体のボスはカムイパーティーが倒すだろう。
カムイパーティーがボス3体を倒し、ハヤトが1体を倒せば、後は数の減ったオークキングとボスはやられていくだろう。
パチパチパチパチ!
デーブが拍手をしながら近づいてくる。
「うむ、実に見事だ。兵の被害は少ないようだが、多くの消耗品を使ったことで今後の活動に支障が出るだろう。教会にしたがう約束をするなら支援をしてやってもいい。犯罪者組織を潰すために、支援は必要だろう?」
「デーブ!教会騎士団と共闘していればもっと簡単な結果になっていましたわ!協力しないならこちらも魔導士部隊を防壁の上に上げてもっと安全に戦う戦法を取っていましたわ!協力する気が無いのなら、共闘の申し出をしない方がましでしたわよ!」
「それは困る。この防壁は神聖な教会本部に近いのだ。傷つけるのはいかん。万が一教会本部に被害が出ては事だ」
「危なく兵に被害が出る所でしたわ」
「うまくいきそうではないか」
「そうではありませんわ!今からでも戦って欲しいのですわ」
「うむ、実に残念だがトラブルが発生してな。うまく動けなかったのだ。すまんすまん。だが、今後は我が中心となって国を運営してやろう」
「話がすり替わっていますし、あなたは王ではありませんわ!」
「我は教会ギルド長だ。王にも勝る権限を持っている!つまり王をも兼ねる存在と言っていいだろう。ファルナよ、あまり変な事を言えば、教会騎士団と今この場で戦う不幸な事故が起きてしまうのだ。がははははははははははははははは!やっとだ!王を支配し、アサシンギルドすら支配できる!やっと我の夢がかなうのだ!」
話にならない。
いつもこの調子だ。
何度も同じ発言を繰り返す。
何度会議を重ねても話がすり替わり、自分の話しかしない。
「んん?どうした?頭を下げんか!?がはははははははははは!」
その時、ダミーファックが現れた。
数は、4,8……13体!
まずい!このまま戦えばこちらが負ける!
13体のダミーファックは散開して教会騎士団に攻撃を仕掛けた。
私はエクスファック改の言葉を思い出していた。
『分析、完了。脅威優先順位①教会騎士団、②セイコウコウボウ、③カムイ、④セイコウコウケン』
ダミーファックは、教会騎士団を殲滅しようとしている!
デーブが叫ぶ。
「た、倒すのだああああ!総員総攻撃いいいいいいいいいいいいいいいい!」
そう言いながら4人の護衛と共に防壁の中に走っていく。
教会騎士団を見捨てて逃げる気だ。
だが、逃げようとするデーブの前に暗殺ギルドの犯罪者が現れた。
「よお!デーブ!大変そうだなあ!」
「お前は!ファング!」
俺に突撃してきたオークは瞬殺し、周りにいるオークはアオイが倒していく。
俺は前のめりになって戦った。
今は早くオークを倒す!
ガードオークはしぶとい。
魔導士を潰すための魔物だ。
魔導士のカースウォー&攻撃魔法は早期決戦を狙う戦法だが、耐え凌がれると脆さが出てくる。
戦士隊が少なく、攻撃魔法を回復させる為魔力ポーションを飲んではいるだろうが、回復まで時間がかかる。
オークキングを倒す予定だったカムイパーティーとセイコウコウボウも雑魚狩りに参戦する。
本来なら最強のセイコウコウボウと2番目に強いカムイをオークキングにぶつけて瞬殺してもらう予定だった。
だが、完全に予定は崩れた。
教会騎士団よりはマシとは言え、ファルナ軍は魔導士の割合が最も多い。
相性が不利な状態での戦いが始まっているのだ。
それもあってデーブは攻撃に動かず、教会騎士団の数を温存する道を選んだのだろう。
「回復弾丸!」
ストレージから回復弾丸を取り出して手の甲に押し当てる。
『武具の耐久力とツインハンドガンの弾数が回復しました』
「ち!オークが硬い!」
ガードオークが硬いため、刀の耐久力が削られていく。
遠距離攻撃はされないから最悪ではないか。
「2つ目のソウルスキルを使う!超強化弾丸!」
超強化弾丸をストレージから取り出して手の甲に押し当てた。
俺の強化弾丸は『超強化弾丸』に進化していた。
それにより弾数は1つ減った。
だが、性能は大きく向上している。
『武具の攻撃力と防御力が2倍に上昇しました』
『シャドーファントムを発動します』
『ハイリジェネを発動します』
超強化弾丸の正体、それは、武具の性能を引き上げる『強化弾丸』、そして攻撃力・防御力・速度を20%上昇する『シャドーファントム』、そしてHP・MP・スタミナ・状態異常を回復させるハイリジェネを同時に発動させる。
ただそれだけのソウルスキルだ。
強化弾丸から弾数は1つに減った。
だがメリットもある。
本来シャドーファントムとハイリジェネは1秒につき1MPを消費するが、それが無い。
効果時間は技量値×2秒だ。
俺の技量値は300、つまり。
『超強化弾丸の効果時間は残り600秒です』
600秒、分に直せば10分間、武具の性能を2倍に引き上げた上でシャドーファントムの効果により攻撃力・防御力・速度を20%引き上げ、ハイリジェネによってHP・MP・スタミナ・状態異常を回復させつつ戦える。
火力を上げつつ、スタミナを回復しながら戦えるのはアドバンテージがかなり大きい。
今まで何度もスタミナが切れ、体に負担をかけつつ戦ってきたが、俺を守るように回復させ、強化しながら戦う事が出来る。
旧闇魔導士のような、1分だけの圧倒的な火力は失った。
だが、その代わりに、粘り強く戦い続ける事が出来るソウルスキルを手に入れたのだ。
俺は何度もガードオークを倒し続けた。
草原にまだらのように広がる乾いた土が土煙を上げ、乱戦の中心にいる俺は見えにくく目立たないだろう。
見物する者の多くはガタイの大きいオークキングとボスに迫ってくセイコウコウボウとカムイパーティーを見る。
俺はオークを踏み台にしてジャンプし、ツインハンドガンをボスとオークキングにばらまく。
1発当てる事で防御力が1%減少するのだ。
俺は、雑魚を残らず殲滅する。
だが、少しだけ援護しよう。
「回復弾丸!」
『武具の耐久力と、ツインハンドガンの弾数が回復しました』
俺は武具を回復させるリペアのカードを使えない。
でも、それでいいんだと思う。
俺のストレージは一瞬で出し入れ出来て、回復弾丸も素早く使う事が出来、スキが少ない。
俺はまたジャンプしてセイコウコウボウやカムイパーティーが迫るボスやオークキングにツインハンドガンをヒットさせた。
大したダメージは与えていないが、防御力を少し下げる事が出来た。
これで銃の事は考えず刀で戦える。
俺は戦いながら武具の耐久力を回復させてガードオークを倒し続けた。
『超強化弾丸の効果が切れました』
俺はハイリジェネ効果によりスタミナが回復した状態で更に魔物を狩る。
「ハヤト、もう無理をしなくても大丈夫よ!下がりなさい!魔導士のMPが回復したわ!」
「戦士隊!後退!魔導士の攻撃を開始しますわ!」
俺は最後尾で迫り来るオークを引きつけつつ味方を逃がした。
アオイも俺の近くでガードオークを引き付ける。
「ファルナ!撃たせろ!」
「魔導士部隊!攻撃開始!」
俺達をのいる範囲以外を狙って魔導士部隊がカースウォー&攻撃魔法でガードオークを攻撃する。
これにより、俺達の勝ちは確定した。
セイコウコウボウとカムイはボスとの戦いを始めた。
俺とアオイはボス戦へと向かった。
【ファルナ視点】
残るは打ち漏らしたガードオーク、そしてボス9体とオークキングのみ。
ボスとオークキングのレベルは高い。
セイコウコウボウとカムイパーティーはガードオークとの戦闘で消耗はした。
でも、ハヤトパーティーがいるのなら、大丈夫だろう。
セイコウコウボウはオークキングと4体のボスを引き付けるように戦う。
アオイとハヤトは1対1でボスを引き付けつつ確実に倒しに行っている。
残る3体のボスはカムイパーティーが倒すだろう。
カムイパーティーがボス3体を倒し、ハヤトが1体を倒せば、後は数の減ったオークキングとボスはやられていくだろう。
パチパチパチパチ!
デーブが拍手をしながら近づいてくる。
「うむ、実に見事だ。兵の被害は少ないようだが、多くの消耗品を使ったことで今後の活動に支障が出るだろう。教会にしたがう約束をするなら支援をしてやってもいい。犯罪者組織を潰すために、支援は必要だろう?」
「デーブ!教会騎士団と共闘していればもっと簡単な結果になっていましたわ!協力しないならこちらも魔導士部隊を防壁の上に上げてもっと安全に戦う戦法を取っていましたわ!協力する気が無いのなら、共闘の申し出をしない方がましでしたわよ!」
「それは困る。この防壁は神聖な教会本部に近いのだ。傷つけるのはいかん。万が一教会本部に被害が出ては事だ」
「危なく兵に被害が出る所でしたわ」
「うまくいきそうではないか」
「そうではありませんわ!今からでも戦って欲しいのですわ」
「うむ、実に残念だがトラブルが発生してな。うまく動けなかったのだ。すまんすまん。だが、今後は我が中心となって国を運営してやろう」
「話がすり替わっていますし、あなたは王ではありませんわ!」
「我は教会ギルド長だ。王にも勝る権限を持っている!つまり王をも兼ねる存在と言っていいだろう。ファルナよ、あまり変な事を言えば、教会騎士団と今この場で戦う不幸な事故が起きてしまうのだ。がははははははははははははははは!やっとだ!王を支配し、アサシンギルドすら支配できる!やっと我の夢がかなうのだ!」
話にならない。
いつもこの調子だ。
何度も同じ発言を繰り返す。
何度会議を重ねても話がすり替わり、自分の話しかしない。
「んん?どうした?頭を下げんか!?がはははははははははは!」
その時、ダミーファックが現れた。
数は、4,8……13体!
まずい!このまま戦えばこちらが負ける!
13体のダミーファックは散開して教会騎士団に攻撃を仕掛けた。
私はエクスファック改の言葉を思い出していた。
『分析、完了。脅威優先順位①教会騎士団、②セイコウコウボウ、③カムイ、④セイコウコウケン』
ダミーファックは、教会騎士団を殲滅しようとしている!
デーブが叫ぶ。
「た、倒すのだああああ!総員総攻撃いいいいいいいいいいいいいいいい!」
そう言いながら4人の護衛と共に防壁の中に走っていく。
教会騎士団を見捨てて逃げる気だ。
だが、逃げようとするデーブの前に暗殺ギルドの犯罪者が現れた。
「よお!デーブ!大変そうだなあ!」
「お前は!ファング!」
応援ありがとうございます!
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