ANGEL -エンジェル-

癒-healing-

Ｐ11．何言ってるの雫

次の日、
私はみかんに二階堂優には弟がいて
みかんは真君を二階堂優と勘違いしているのだと
直接説明した。

「ね、だから一度真君に会いに行こう？」

私は真君に会せれば
置き換えられていく記憶は
元に戻せるんじゃないか
そう思っていた…

「真君？何言ってるの雫」

「だからね、二階堂優は顔が似てるだけで…」

「真君なら何回か話したことあるよ？」

「・・・え？」

「私、放課後はよく図書室に行くの。そこで何度か話しかけられて…だから、弟君がいるのは知ってるよ？」

何度か話している?!
実際に会って話しても記憶がすり替えられていることに気付けないの…？
てことは…もしかして、真君もみかんに思い出してもらおうとしてたのかな…

「勘違いしてるなんて…そんな失礼なことしないよ～」

何言ってるの？と笑いながらそう答えるみかんは
いつもの可愛い顔なのに、私はぞっとした。

みかんの記憶…
本当に元に戻せるのかな…