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癒-healing-
P41.どのくらい?
しおりを挟む私はこの子に天使の力の事を沢山教えてもらった。
星しずくに話した天使についての知識は
この子に聞いたもの。
「ーーというわけで、寿命と天使の力はどちらにでも変化してしまうんだ。だから天使の力は使い過ぎてはいけないよ。君には制御の仕方も教えてるし…もう使わなくても済むね。」
「そっか…じゃあもう使わない」
使わなくて済むならむしろこれ以上の事はないのだ。
だってずっとこの力に苦しめられてきたんだから。
私はもう人の心を読まなくて済むんだ…
「君の友達は本当に残念だったけど、君の力は解決できたし、また何かあれば相談にのるよ」
「え…残念だった…ってどういうこと?」
なんでもないような顔をして
その子は笑いながら言った。
「だから、話聞いてた?天使の力を使い続けるとどんどん短命になって死んじゃうんだよ?君の友達はもう随分暴走してるみたいじゃない。そのままだといつまで生きられるか分かんないしねー」
「私のことは助けてくれたじゃない!あなたならかんなちゃんのことも…」
「それはさ、君の力が感情や心を読み取る力だったからだよ。簡単に僕の教えたこと理解できたでしょう?でも、他の人にこれを教えるのは無理だもん。」
すっぱりと無理だと答える声に。
私は目の前が真っ白になった。
かんなはどうなっちゃうの…?
私はどうすれば…
「…どのくらい?」
「ん?」
「短命って、あとどのくらい生きられるの?!」
「そうだなぁ…一番早い人で20歳まで生きずに寿命で亡くなってしまった人もいたよ?」
どこかその子の顔は楽しそうに見えた。
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