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癒-healing-
P42.きゅうりってどう?
しおりを挟む次の日学校へ行くと
そこにはほっぺを膨らます かんながいた。
「あやちゃん、なんで先に帰っちゃったの?」
「えっと…これには色々と事情が」
「すっごい寂しかったんだからね」
とっても怒っている…
というよりは拗ねている彼女は
私にはなんだか可愛く見えた。
「ごめんね?」
「…もう1人で勝手に帰らない?」
「帰らないよ?」
「絶対ね?」
「うん、絶対。」
すると、かんなは満足気に
「じゃあ許す!」
と笑顔に戻った。
…昨日あの子に聞いた、かんなちゃんの力のこと…話したほうがいいのかな…?
自分の力のことだもん、もう使わないようにしてもらいたいし、言うしかないよね?
「きゅうりってどう?」
「へ?」
「あやちゃんのあだ名!九理だから、きゅうり!ってどうかな?」
「どうって…カッパみたい」
「ええー?!可愛くない?!」
ダメかなぁ?と真剣に考えている。
話も表情もコロコロ変わるんだよな…
命に関わることを考えている私の気も知らないで
呑気にあだ名を考えている。
考えてみれば
いつも彼女に振り回されては笑顔になるーー
やっぱりずっと一緒にいたいな
「じゃあかんなちゃんは“みかん”ね」
「え?」
「甘実かんなだから、みかん。」
「みかん…」
「どう?」
「…それ、すっごく可愛いね!きゅうり!」
そう言うと天使のような笑顔で
嬉しそうな笑顔を見せた。
私はかんなと離れるのが嫌だったんだ。
かんなに生きていて欲しいから
力のことを話して
一緒に力を抑える方法を考えなきゃ…
そう思っていた。
「みかん、私ね…昨日天使に会ったの。」
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