ANGEL -エンジェル-

蜜星

文字の大きさ
上 下
85 / 119
回-recovering-

F4.パンケーキ

しおりを挟む



一体、今どういう状況なんだろう?


みかんは2人の誤解を解いて、
仲直りさせたいと思っている。

しかし、わかめには門前払いをくらい、
真君には気にしないでほしいと言われている…?


みかん…まーた空回ってるんだろうな…


兄弟のことに関しては2人の問題だし、
踏み込んでほしくない部分なのだろう。

私は今後みかんに何を言われても
それ以上詮索はしないことにした…


















はずだったのだが…


「何か御用でしょうか?」

「おい、あのちっちゃいのなんとかしてくれ!」


私はクラスの前に居た二階堂を
何事もなかったかのように
素通りしようとしたところ、
カバンを掴まれて今この状況に至った。

前もわかめがクラスの前で
同じようなことを言って来たのを思い出すが、
今回は前よりも精神的ダメージが強いようだ。


「あんた、クマやばいよ?!まっくろ!くっきり!」

「だから、何とかしろって言ってんだよ!指差すな!」

「はぁ?それが人にものを頼む態度なわけ?お断りだわ!」


私は掴まれたカバンをぐいぐい引っ張るが、
負けじと二階堂は掴む手を強める。


「お前がちゃんとあいつの面倒見てないからだろうが!」

「私はみかんの保護者か?!」

「お前が言えば大人しくなんだろ?!頼むからなんとかしてくれ!」


男女の力の差は歴然だ。
私の方が耐えられなくなって
引っ張られそうになった時、
私は思わずこう叫んでしまった…






「~~~っ!!!パンケーキ!!!」







「………パ…ンケーキ?」

「パンケーキ奢りなさいよ!」


しおりを挟む

処理中です...