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回-recovering-
F12.二度と俺の前に現れるな
しおりを挟む「慰めて損した」
二階堂は大きなため息をついた。
「まぁまぁ」
「まぁまぁ、じゃねーよ!よくよく話を聞いてみれば、俺を裏切ったな?!」
「裏切っただなんて大袈裟なぁ」
私はみかんと何があったのかを聞かれて
考え無しに昨日のことを話してしまったのだ。
よくよく考えると、
二階堂にはみかんに諦めるように
なだめてくれと頼まれていたんだっけ…
「一応、みかんにはプライベートな話だから、首を挟まないように言ったよ?でもみかんの話を聞いていたらさぁ」
「結果裏切ったなら裏切りなんだよ!パンケーキ返せ!」
「あれは本当にご馳走様でした。」
二階堂には悪いが私はみかんに
協力することを約束してしまった。
しかもさっき慰められたおかげで
その気持ちは更に固まってしまったわけで。
「お前に頼った俺が馬鹿だった…」
「そこまで言うことないでしょー?!…てか、真君は付き合ってみればいい人だよ。あんたと血が繋がってるとは思えないほどに。」
「いいやつかどうかなんて関係な…もういい。もうお前とは口聞かねー」
「え…?ちょっと…」
二階堂はその場を離れようと立ち上がったが
私はとっさにそのブレザーを掴んだ。
「もう!さっきから謝ってんじゃん!」
「謝ってねーよ、一度も!手を離せ!」
「ちょっと真君の話するだけだから!」
「それが嫌なんだよ!」
いつも通りの言い合いなのに
真君のこととなるとどこか刺々しく
声を荒立てるのはなんでなんだろう…?
「真君が家族を引き裂いたって言ってたよね?血が半分しか繋がってないって言うのも…真君の方は双…」
「黙れ!!!」
叫んだ声が中庭に響いた。
その声に驚いて咄嗟にブレザーから手を離してしまった。
私を睨みつけるその瞳は
今までで一番怖い目をしていて、
その場から動く事さえ許されない様なそんな感覚に陥るーー
「もう二度と俺の前に現れるな」
「な…」
言い返してやりたいのに、
私は二階堂が去っていくところを
黙って見つめることしかできなかった。
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