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第6話「本腰のラーニャ」
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木刀を買った。帝国騎士団が訓練で実際に使っているという木刀。帝国から公式に売っているものだ。
それを買い、とにかく握り、振り回す。杭を立て、そこに藁を巻き、サンドバッグを作り、それに向かって剣を振りまくる。技とか作ろうと思ったが、そんな暇があったら、剣を使って戦えるようにならなければならないと思い、木刀を振る。
ただの筋肉トレーニングより、よっぽど疲れる。ただ、筋肉トレーニングのおかげで、少し動けるだけだ。実際に戦場へ出たら、すぐさま死んでしまうだろう。
敵に殺されてしまう。
どんな悪党が相手になるかわからない。サンドバッグに怖い顔の絵を貼り付け、それを木刀で斬り続けた。
ラーニャは腕が上がらなくなるまで木刀を振り上げた。
「……今日はここで」
終わりにしよう。
そう言おうとしたところで。
「まだ腕を上げんか!」
と、背後から怒号が聞こえた。
「誰……?」
振り向くと、そこには初老だろう見た目の男が、杖を持って立っていた。
「一時間。お主が木刀を振っとるのをずっと見とった。だが、それは素人そのもの。もっと様にしたいなら、まずは腕を上げろ! 剣を振れ!」
「え……。えっと……」
「あと二時間剣を振れたら、儂が剣の基礎を教えてやる」
「誰ですか……」
自分の庭を覗き込んでいた変人にも取れる男の言動だが……。一時間ずっと見ていたのだろうか。気づかなかったラーニャは、格好つけて剣を振っていた自分を思い返し顔を赤らめた。
「儂は元騎士団のジジイじゃ」
「ジジイと言う割には若い見た目ですね」
「そんなことを言ってる暇があったら剣を振れったら!」
「は、はい!」
怒号につられて。
命令に従ってしまう。剣を振ってしまう。それは、彼が元騎士団という肩書きを持っていたからか。いや、そうでなくとも、まだ木刀は振れる。限界はまだ先だ。
ラーニャの、地獄のような二時間が始まった。
それを買い、とにかく握り、振り回す。杭を立て、そこに藁を巻き、サンドバッグを作り、それに向かって剣を振りまくる。技とか作ろうと思ったが、そんな暇があったら、剣を使って戦えるようにならなければならないと思い、木刀を振る。
ただの筋肉トレーニングより、よっぽど疲れる。ただ、筋肉トレーニングのおかげで、少し動けるだけだ。実際に戦場へ出たら、すぐさま死んでしまうだろう。
敵に殺されてしまう。
どんな悪党が相手になるかわからない。サンドバッグに怖い顔の絵を貼り付け、それを木刀で斬り続けた。
ラーニャは腕が上がらなくなるまで木刀を振り上げた。
「……今日はここで」
終わりにしよう。
そう言おうとしたところで。
「まだ腕を上げんか!」
と、背後から怒号が聞こえた。
「誰……?」
振り向くと、そこには初老だろう見た目の男が、杖を持って立っていた。
「一時間。お主が木刀を振っとるのをずっと見とった。だが、それは素人そのもの。もっと様にしたいなら、まずは腕を上げろ! 剣を振れ!」
「え……。えっと……」
「あと二時間剣を振れたら、儂が剣の基礎を教えてやる」
「誰ですか……」
自分の庭を覗き込んでいた変人にも取れる男の言動だが……。一時間ずっと見ていたのだろうか。気づかなかったラーニャは、格好つけて剣を振っていた自分を思い返し顔を赤らめた。
「儂は元騎士団のジジイじゃ」
「ジジイと言う割には若い見た目ですね」
「そんなことを言ってる暇があったら剣を振れったら!」
「は、はい!」
怒号につられて。
命令に従ってしまう。剣を振ってしまう。それは、彼が元騎士団という肩書きを持っていたからか。いや、そうでなくとも、まだ木刀は振れる。限界はまだ先だ。
ラーニャの、地獄のような二時間が始まった。
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