新米♂サキュバス♂ですが異世界の男の子をたらし込みますっ! ~エロいだけの黒髪少年が魔王になるまでの物語~

アメショもどき

文字の大きさ
27 / 34
第一章 虜囚

27話 致命傷

しおりを挟む
 予想外の闖入者に部屋の中の時間が一瞬止まる。

 そして、すぐにバタバタと慌ただしくなった。

 乱交大会の主賓だった孫眷属の異種族の子達は慌てて身繕いをしているし、衛生兵の子たちもとりあえず身近にあった布を身体に巻いて僕の方に駆け寄ってきてきた。

 蜂の巣をつついたような騒ぎになった室内を、原因である所長はつまらなさそうに眺めている。

「ああ、貴様たちに用があるわけではないからそのまま続けててもらって構わんぞ。
 貴様たちのような野蛮な種族が性欲を全てに優先することは分かっているからな」

 所長は同じ異世界人である異種族の子たちもあわせてバカにするようにあたりを見回すと、僕を……いや、僕の隣で身体を起こしているウルガを見つけるとこちらに向かって歩いてくる。

「シルバーファング少尉候補生、探したぞ。
 貴様は他の蛮族と違って性欲を御せているものと思って目をかけてやっていたが、所詮は貴様も蛮族だったようだな」

 シルバーファングというのはウルガの姓だろうか?

 そう言えば聞いてなかったな、フルネーム。

 性欲を御していたと言うか恥ずかしくて性癖をさらけ出せていなかっただけではあったんだけど、それが元で所長はウルガを評価していたようだ。

 とするとこんなところを見られちゃったのはまずかったな……。

「申し訳ありませんっ!所長殿っ!
 しかし、これは単に検診の時間の延長線でありましてっ!」

 近寄ってくる所長に、ウルガがガッチガチの気をつけの姿勢で言い訳をする。

 ウルガが言っているのは普通なら言い訳にもならない理由だけど、捕虜の虐待は常態化しているみたいだしそれで十分なのかもしれない。

「ああ、『レクリエーション』が貴様たちのような股間にぶら下がっているものでしかものを考えられない蛮族に必要なことは分かっているから大丈夫だよ」

 実際、所長はウルガたちを見下したような感じはあっても咎める様子はない。

 しかし、そうすると所長はなにをしに来たんだろう?

 この僕たちをバカにしきった様子からして、混ざりに来たってわけでもなさそうだし……。

「ぼくがここに来たのはほかでもない、シルバーファング候補生、貴様に用があってね」

「お……私に用……ですか?」

「ああ、貴様の書いた日誌に目を通したのだが、例の眠り続けていた魔術師もどきが目を覚ましたんだって?」

 え?もしかして所長の目的、僕?

 うっわ、嫌な予感しかしない。

「は、はあ……たしかに目は覚ましましたが……」

「どれなのかな?」

 聞かれたウルガが答えていいものか迷っている。

 わざわざ向こうから出向いてきたとなると、単に顔を見に来たとかって穏当な理由じゃないだろうからなぁ。

 とは言え、ウルガが黙ってれば済む問題ではない……というかウルガの立場が悪くなるだけなので、自分から名乗り出よう。

「僕がその魔法使いです、所長殿」

 立ち上がった僕を所長が値踏みするようにしげしげと眺めてる。

「なんだ、ただの子供じゃないか」

 いや、それはそのとおりなんだけど、所長も僕と対して年が変わらないように見えるけどなぁ。

 所長は短い金髪と緑色の目を持ったかっこいい顔をしているけど、どう見たってせいぜい僕と同い年、下手すると僕より年下に見える。

 ウルガたちとは作りの違う多分高級将校用の軍服を着て、剣を何故か二本手に持っているけど、こましゃくれた良いところのボンボンにしか見えない。

 偉そうな顔はしているけど、背丈も僕より低いし、筋肉もたいしてなさそうだし全然強くなさそう。

 それこそ、ウルガのほうが強そうに見えるけどなぁ。

 まあ、ウルガほか異種族の子たちの怯え様からして、強いのは間違いないんだろうけど。

「マナも大した量があるわけじゃないし……。
 おい、お前、本当にゴールドリーフ大佐……エルフの魔法攻撃をしのぎきったのか?」

 なるほど、その確認に来たのか。

 所長の方も疑いを持っているみたいだしここは誤魔化しても良いのかもしれないけど……。

 魔法やらスキルやらという訳のわからないもののある世界だし、下手なことはしないほうが良いか。

「はい、おそらくそうだと思います」

「おそらく?」

「……自分でもどうやったのかいまいち分からないものでして……」

 これは嘘じゃない。

 みんなからエネルギーを貰って回復魔法を強化したんだと思うんだけど……いまやろうとしてもどうやったのかいまいち分からない。

「ふーん……窮地に陥らないと本領が発揮されないタイプか?」

 たしかにそう言うのはよく有るけど、そう言うのとはまた違う気がするんだよなぁ……。

「まあ、いい、それならそれで試してみれば済む話だ。
 おい、抵抗するつもりなら剣をやるがどうする?」

「…………は?」

 え?普通になにを言っているのか分からない。

 『抵抗する気なら』って僕抵抗しなきゃいけないようなことされるの?

「しょ、所長殿?一体何の話をなさっているのですか?」

 ウルガも状況が分からなくて慌てているし、クロウくんたちもザワザワしだしている。

「ああ、そうか、お前ら蛮族には知らせていなかったな。
 基本的には現地人の魔術師もどきは別に害にはならんのでそのまま放置することになっているがな、エルフの魔法を防いだ個体だけは始末するように指令が出ているのだ」

 ……は?

「そ、そんな話は一言もおっしゃらなかったではないですかっ!?
 ただ、こいつが起きたら連絡するようにとだけでっ!」

「ああ、エルフの魔法を防ぐほどの強者なら一度手合わせを願おうと思ってな。
 起きるのを待ってみたが、マナもたいしたことはないし、見るだけで分かるくらい貧弱だし、そもそも始末しろという司令は出ているし、もう良いだろう」

 まるで朝食のメニューでも告げるようにこともなげに言う所長に、みんな絶句してしまっている。

 所長をどうにか眷属化するどころの話じゃなくって、なんとかこの場を生き延びなければいけなくなってしまった。

「ほら?どうする?
 抵抗する気なら剣なら渡すぞ。
 心配するな、ぼくのものと同等の剣だ」

 必死に生き残る方法を考えている僕に所長が剣を押し付けてくる。

 銃ならともかくこんなもの渡されても、使ったこともない。

 構え方どころか鞘からの抜き方すら分からずにまごついている僕を所長が不思議そうな顔で見ている。

「抵抗しないのか?
 つまんないな。
 それでは、まだ書類仕事が残っているのでな」

「所長っ!待ってくださいっ!!」

 無造作に一歩踏み出した所長を止めようとウルガが足を踏み出す。

「ん?シルバーファング候補生のお気に入りだったか?」

 足を踏み出したウルガを、血に濡れた抜身の剣を持った所長が不思議そうにみやった。

 …………?

 え?所長はいつの間に剣を抜いたんだ?

 と言うか、あの血は?

「お気に入りだったのならすまんな。
 もっと早く言ってくれればこの程度の現地人なら隠れて飼わせてやることも出来たんだが。
 もう終わった」

「ごぼ」

 口から『え?』という声とも言えない声の代わりに血が溢れてきた。

 何事か分からずに下を見ると、僕の足元に血溜まりが出来ていた。

 その血は僕の首から出ていて……。

「スキル『一閃』。
 いわゆる神速の一撃というやつだな。
 見ることすら出来なかったようだし、やはり、ゴールドリーフ大佐の魔法が防がれたのはなにかの偶然か」

 剣に付いた血を拭いながら所長がつまらなさそうにそう言った。

 どうやら僕は気づかないうちに首を切られていたらしい。

「イロハっ!?」

「先輩っ!?」

 明らかな致命傷を負った僕を見てみんなが騒ぎ始める。

「……てめぇ……」

「…………」

 ウルガとモルックくんに至っては、所長に向かって拳を握りしめている。

「ほぉ、シルバーファング候補生だけでなくモルグルム候補生もこいつがお気に入りだったのか。
 それは悪いことをしたな。
 剣を貸してやるから、貴様らもかかってくるが良い。
 貴様ら相手なら少しは楽しむ……のは無理だな」

 この余裕そうな感じからすると、ウルガとモルックくんの二人がかりでも歯は立たないんだろう。

 それなら、無駄に命をかける必要はないと思う。

「……ん?
 握ったまま死んだか、面倒な」
 
 まだ剣を持ったままの僕から剣を取ろうとした所長がちょっとだけ眉をしかめる。

 いやぁ、別に僕まだ死んでないし?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...