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君と出会うハンバーグ
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「俺、彼女ができそうなんだよね」と相手は言った。
「俺とその子、今すげえいい感じでさあ……」
休日の午後。満席のカフェ。各テーブルからは、楽しげな話し声が流れてくる。
芽衣の周りだけが、重い空気に包まれていた。
「だから芽衣ちゃんとこうやって二人で会うのはまずいっていうか……」
相手はそこで言葉を選んでいるのか、小さく唸った。「だから、その……」
「うん、大丈夫。わかったよ」
芽衣は先回りして言った。
「彼女ができそうなときに、他の女の子と二人で遊んだりするのは、おかしいもんね」
「ああ、うん、そうなんだよ」
芽衣の物分かりの良さに、相手は一瞬、救われたような表情を浮かべた。
彼とは、友達の紹介で知り合った。二人きりで会うのは、今日が三度目。前回のデートですでに、芽衣は彼の気持ちに気付いていた。思い返せば最初のデートから、彼はいかにも気乗りしないという態度をとっていた。
「なんか、ごめんね……。わざわざ紹介とかしてもらったのに、こんなことになって」
それから彼は、芽衣を紹介した友人の名前を口にし、彼女にも謝っておいてほしいと言った。
「そんな、全然気にしなくていいよ」
芽衣は彼を気遣い、微笑んでみせた。
「ありがとう。芽衣ちゃんて、いい子だよね」
芽衣が非難めいたことを口にしないとわかり、彼は肩の力を抜いた。それでついうっかり、本音をこぼしてしまったのだろう。
「俺もさあ、一応三回はデート付き合ってあげたんだから、いいよね」
「え?」
訊き返した芽衣の前で、彼はしまったという顔をした。どうやら彼は今日まで、芽衣を紹介した友人への義理で、デートに誘ってくれていたようだ。
芽衣は下唇を噛んだ。
(そんなふうに気を遣うなら、最初から断ってくれて良かったのに……)
「あ、あのさあ、俺たち、彼氏彼女という意味では縁がなかったけど、これからも普通に友達としては、全然相談とか乗るし」
彼は取り繕うように言った。
「あ、うん。ありがとう」
芽衣は小さく返す。
そのまま、気まずい沈黙が流れた。
これまでにも、友人の紹介などで男の子と知り合う機会はあった。デートもした。だけど何度か会ううち、男の子は決まって芽衣に言うのだ。「友達してはいいんだけど……」
男の子はみんな、芽衣を恋愛対象の枠に引っ掛けてくれさえしない。
いい加減、気詰まりな空気に耐えきれなくなったのか、彼は冷めたコーヒーをごくごくと飲み干すと、席を立った。
「じゃあ俺、帰るね。芽衣ちゃんにも早く彼氏ができるといいね」
「あ、うん。ありがとう。楽しかった」
深く考えず、当たり前に感謝を口をした。
しかし彼は怪訝そうな顔で芽衣を見下ろした。「本当に、楽しかったの?」
「え……?」
芽衣が息を洩らすと、
「俺といるとき、芽衣ちゃん無理して笑ってただろう? 全然楽しそうじゃなかったじゃん」
彼は問い詰めるような口調になった。芽衣は気圧され、口の中で何事かをもごもごとつぶやく。すると彼は呆れ切った顔でため息をついた。
「別に責めてるわけじゃないよ。親切でアドバイスするけど、芽衣ちゃん次にもしいい感じの相手が現れたらさあ、ちゃんと心から笑ったほうがいいと思う。自分では取り繕えてたつもりなんだろうけど、作り笑顔って結構相手に伝わってるもんだよ」
(わたし、楽しそうじゃなかった? ちゃんと笑えてなかった?)
芽衣は愕然として、彼を見返した。彼はもう言いたいことは言ったという顔で、
「じゃあね」
今度こそ席を離れる。
ひとりになったテーブルで、芽衣は考えた。
デートの間の、上滑りするばかりの会話。彼の硬い表情。ずっと、彼は自分といても楽しくないのだと思っていた。だけどむしろ、楽しくなさそうに見えていたのは、自分のほうだったのだ。楽しくないのに、無理して笑う。そんな自分の態度が、彼を虚しい気持ちにさせていたのかもしれない。
肩を落とし、カフェを出た。
自分には一生、恋愛なんてできないんじゃないか。
悲しい、と芽衣は思った。だけどそれ以上に、お腹が空いていた。
頭に浮かんだのは、さっきまでいたカフェのメニュー。今月のおすすめスイーツの欄には、特製シュークリームとあった。
「シュークリーム……やっぱり注文すれば良かったな」
しかしコーヒーしか注文していない彼の前で、自分だけシュークリームを頬張るわけにはいかなかった。食べたい気持ちを、ぐっと堪えた。
芽衣にとってデートは、己の食欲との戦いでもあった。
芽衣は食べることが好きだ。そして周りの女の子たちと比べて、二倍三倍の量を食べる。
だがそのことは、家族や親しい友人以外には秘密にしていた。デートの相手が大食いだと知れば、彼はきっと嫌な気持ちになるだろうと思った。
芽衣が大食いを恥ずかしいと感じたのは、中学二年の夏だった。
初めて部活の先輩に誘わて、夏祭りに行った。先輩は芽衣が密かに想いを寄せている相手だった。
屋台の食べ物に次々と手をつけていく芽衣を見て、先輩は言った。
「なんか、男より食う女子って、見てて引くわ……」
それきり先輩が芽衣を遊びに誘ってくれることはなかった。芽衣の初恋は苦い思い出だけを残し、終わった。
同じ失敗は二度と繰り返すまいと、芽衣は人前で食欲を抑えるようになった。
映画館デートでは、売店のポップコーンの香りに惹かれながらも、涙を呑んで注文するのを諦めた。
映画の後に入ったファーストフード店では、ダブルサイズのハンバーガーを夢見ながら、Sサイズのポテトをちびちびと齧った。
きっと彼の目には、食べたいものを我慢する自分の姿が、「無理して笑っている」「全然楽しそうじゃない」ように映っていたのだろう。
「これからはもう、休みの日にまで大食いだってことを隠す必要もないんだな……」
帰り道を歩きながら、芽衣はつぶやいた。目についたコンビニに飛び込む。デザートコーナーに直行し、シュークリームを手に取った。
おいしいものを食べれば、きっと元気になれる。悲しい気持ちのときは、とびきり甘いものを食べるのだ。
隣のプリンにも手を伸ばす。チーズタルトもいいな。クリームたい焼きも好き。そうして芽衣は買い物かごをスイーツでいっぱいにした。
レジで会計を済ませようとして、気が付いた。
「嘘……財布がない……」
慌てて鞄の中を探る芽衣に、コンビニ店員が面倒臭そうな視線を向ける。
「お客さん、どうします? 次の人、レジ通しちゃっていいっすか?」
「……すみません」
芽衣は何度も頭を下げ、何も買えないままコンビニを出た。
すぐさま来た道を引き返す。
カフェを出たときには、確かに財布を持っていた。だからその後、コンビニまで歩く間に落としてしまったに違いない。
早く財布を探さなければ――。
一時間後、芽衣は公園のベンチでひとり、途方に暮れていた。
あれから財布を探して歩いたが、すでに誰かに拾われた後だったらしく、見つけられなかった。交番に行って尋ねてみたが、財布を拾ったという届け出はないという。
もしかしたらもう、財布は戻って来ないかもしれない。中身のバイト代ともさよならだ。
「今日は最悪の日だ……」
芽衣はがっくりと肩を落とした。
一日のうちでデート相手に見切りをつけられ、財布を落として全財産を失くすなんて、本当についてない。その上、この空腹。お金がなければ、食べ物も買えない。
芽衣のお腹が、ぐうと鳴った。そのとき、どこからか食欲を刺激する香りが漂ってきた。
「何だろう、このおいしそうな匂い……」
芽衣は鼻をひくつかせながら、周囲を見回した。少しの遊具が設置されているだけの、小さな公園だ。夕暮れとあって、その遊具で遊ぶ子どもたちの姿もない。この公園に自分以外の人がいるなど、芽衣は思いもしていなかった。
その彼は、ブランコに座り、深く項垂れていた。膝の上には、なぜか皿を乗せていた。
おいしそうな匂いは、その皿から漂っているようだった。
じっと見ていると、突然彼が顔を上げた。
「あ……」
瞬間、目が合ってしまった。芽衣は思わず、ごくりと唾を呑み込んだ。
視線を逸らすより先に、彼が声をかけてきた。
「あの、もしかしてお腹空いてますか?」
「俺とその子、今すげえいい感じでさあ……」
休日の午後。満席のカフェ。各テーブルからは、楽しげな話し声が流れてくる。
芽衣の周りだけが、重い空気に包まれていた。
「だから芽衣ちゃんとこうやって二人で会うのはまずいっていうか……」
相手はそこで言葉を選んでいるのか、小さく唸った。「だから、その……」
「うん、大丈夫。わかったよ」
芽衣は先回りして言った。
「彼女ができそうなときに、他の女の子と二人で遊んだりするのは、おかしいもんね」
「ああ、うん、そうなんだよ」
芽衣の物分かりの良さに、相手は一瞬、救われたような表情を浮かべた。
彼とは、友達の紹介で知り合った。二人きりで会うのは、今日が三度目。前回のデートですでに、芽衣は彼の気持ちに気付いていた。思い返せば最初のデートから、彼はいかにも気乗りしないという態度をとっていた。
「なんか、ごめんね……。わざわざ紹介とかしてもらったのに、こんなことになって」
それから彼は、芽衣を紹介した友人の名前を口にし、彼女にも謝っておいてほしいと言った。
「そんな、全然気にしなくていいよ」
芽衣は彼を気遣い、微笑んでみせた。
「ありがとう。芽衣ちゃんて、いい子だよね」
芽衣が非難めいたことを口にしないとわかり、彼は肩の力を抜いた。それでついうっかり、本音をこぼしてしまったのだろう。
「俺もさあ、一応三回はデート付き合ってあげたんだから、いいよね」
「え?」
訊き返した芽衣の前で、彼はしまったという顔をした。どうやら彼は今日まで、芽衣を紹介した友人への義理で、デートに誘ってくれていたようだ。
芽衣は下唇を噛んだ。
(そんなふうに気を遣うなら、最初から断ってくれて良かったのに……)
「あ、あのさあ、俺たち、彼氏彼女という意味では縁がなかったけど、これからも普通に友達としては、全然相談とか乗るし」
彼は取り繕うように言った。
「あ、うん。ありがとう」
芽衣は小さく返す。
そのまま、気まずい沈黙が流れた。
これまでにも、友人の紹介などで男の子と知り合う機会はあった。デートもした。だけど何度か会ううち、男の子は決まって芽衣に言うのだ。「友達してはいいんだけど……」
男の子はみんな、芽衣を恋愛対象の枠に引っ掛けてくれさえしない。
いい加減、気詰まりな空気に耐えきれなくなったのか、彼は冷めたコーヒーをごくごくと飲み干すと、席を立った。
「じゃあ俺、帰るね。芽衣ちゃんにも早く彼氏ができるといいね」
「あ、うん。ありがとう。楽しかった」
深く考えず、当たり前に感謝を口をした。
しかし彼は怪訝そうな顔で芽衣を見下ろした。「本当に、楽しかったの?」
「え……?」
芽衣が息を洩らすと、
「俺といるとき、芽衣ちゃん無理して笑ってただろう? 全然楽しそうじゃなかったじゃん」
彼は問い詰めるような口調になった。芽衣は気圧され、口の中で何事かをもごもごとつぶやく。すると彼は呆れ切った顔でため息をついた。
「別に責めてるわけじゃないよ。親切でアドバイスするけど、芽衣ちゃん次にもしいい感じの相手が現れたらさあ、ちゃんと心から笑ったほうがいいと思う。自分では取り繕えてたつもりなんだろうけど、作り笑顔って結構相手に伝わってるもんだよ」
(わたし、楽しそうじゃなかった? ちゃんと笑えてなかった?)
芽衣は愕然として、彼を見返した。彼はもう言いたいことは言ったという顔で、
「じゃあね」
今度こそ席を離れる。
ひとりになったテーブルで、芽衣は考えた。
デートの間の、上滑りするばかりの会話。彼の硬い表情。ずっと、彼は自分といても楽しくないのだと思っていた。だけどむしろ、楽しくなさそうに見えていたのは、自分のほうだったのだ。楽しくないのに、無理して笑う。そんな自分の態度が、彼を虚しい気持ちにさせていたのかもしれない。
肩を落とし、カフェを出た。
自分には一生、恋愛なんてできないんじゃないか。
悲しい、と芽衣は思った。だけどそれ以上に、お腹が空いていた。
頭に浮かんだのは、さっきまでいたカフェのメニュー。今月のおすすめスイーツの欄には、特製シュークリームとあった。
「シュークリーム……やっぱり注文すれば良かったな」
しかしコーヒーしか注文していない彼の前で、自分だけシュークリームを頬張るわけにはいかなかった。食べたい気持ちを、ぐっと堪えた。
芽衣にとってデートは、己の食欲との戦いでもあった。
芽衣は食べることが好きだ。そして周りの女の子たちと比べて、二倍三倍の量を食べる。
だがそのことは、家族や親しい友人以外には秘密にしていた。デートの相手が大食いだと知れば、彼はきっと嫌な気持ちになるだろうと思った。
芽衣が大食いを恥ずかしいと感じたのは、中学二年の夏だった。
初めて部活の先輩に誘わて、夏祭りに行った。先輩は芽衣が密かに想いを寄せている相手だった。
屋台の食べ物に次々と手をつけていく芽衣を見て、先輩は言った。
「なんか、男より食う女子って、見てて引くわ……」
それきり先輩が芽衣を遊びに誘ってくれることはなかった。芽衣の初恋は苦い思い出だけを残し、終わった。
同じ失敗は二度と繰り返すまいと、芽衣は人前で食欲を抑えるようになった。
映画館デートでは、売店のポップコーンの香りに惹かれながらも、涙を呑んで注文するのを諦めた。
映画の後に入ったファーストフード店では、ダブルサイズのハンバーガーを夢見ながら、Sサイズのポテトをちびちびと齧った。
きっと彼の目には、食べたいものを我慢する自分の姿が、「無理して笑っている」「全然楽しそうじゃない」ように映っていたのだろう。
「これからはもう、休みの日にまで大食いだってことを隠す必要もないんだな……」
帰り道を歩きながら、芽衣はつぶやいた。目についたコンビニに飛び込む。デザートコーナーに直行し、シュークリームを手に取った。
おいしいものを食べれば、きっと元気になれる。悲しい気持ちのときは、とびきり甘いものを食べるのだ。
隣のプリンにも手を伸ばす。チーズタルトもいいな。クリームたい焼きも好き。そうして芽衣は買い物かごをスイーツでいっぱいにした。
レジで会計を済ませようとして、気が付いた。
「嘘……財布がない……」
慌てて鞄の中を探る芽衣に、コンビニ店員が面倒臭そうな視線を向ける。
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「……すみません」
芽衣は何度も頭を下げ、何も買えないままコンビニを出た。
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もしかしたらもう、財布は戻って来ないかもしれない。中身のバイト代ともさよならだ。
「今日は最悪の日だ……」
芽衣はがっくりと肩を落とした。
一日のうちでデート相手に見切りをつけられ、財布を落として全財産を失くすなんて、本当についてない。その上、この空腹。お金がなければ、食べ物も買えない。
芽衣のお腹が、ぐうと鳴った。そのとき、どこからか食欲を刺激する香りが漂ってきた。
「何だろう、このおいしそうな匂い……」
芽衣は鼻をひくつかせながら、周囲を見回した。少しの遊具が設置されているだけの、小さな公園だ。夕暮れとあって、その遊具で遊ぶ子どもたちの姿もない。この公園に自分以外の人がいるなど、芽衣は思いもしていなかった。
その彼は、ブランコに座り、深く項垂れていた。膝の上には、なぜか皿を乗せていた。
おいしそうな匂いは、その皿から漂っているようだった。
じっと見ていると、突然彼が顔を上げた。
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