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邪滅のアリサvs女悪魔
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二人の悲痛な叫びにより、ノエルの腕の中で寝息をたてていたカマイタチの子供が目を覚ました。それと同じくらいに、スズフミが言葉をしぼりだすようにゆっくりと口を開いた。
『ノエル・・・それにイフちゃんもジェネちゃんもあきらめるのはまだ早いとおもうよ・・・もしかしたら、レツくんにも、さっきノエルが私にいったような奇跡の力みたいなのがあって・・・死んでなかったのかもしれない・・・もちろんユウイチくんも』
スズフミ自身、自分の能力に半信半疑なのだが、レツとユウイチが忽然と姿を消したという背景には、その可能性があることをどうしても捨て置くことができなかった。
『・・・たしかにスズのいうとおりかもしれない・・・わたし、答えをいそぎすぎたかも』
そんな時、ぴょんっと、ノエルの腕から白い獣が弧を描いて飛び降りる。哀しみに押しつぶされ、泣きつかれて眠っているイフの姿を心配そうにみている。
ノエルは、そんなカマイタチの姿を見ながら、イフの頭を一回だけ撫でると話を続けた。
『・・・でも、仮にスズの言うとおりだとして・・・なんで・・・それも二人して姿を消したりしたんだろう』
『・・・さすがにそこまでは私にもわからないよ・・・けど、きっと出てこれない理由があったんだとおもう』
ノエルとスズフミのそんな話を近くで聞いていたジェネの表情も心なしか明るさを取り戻す。
イフと同じようにレツを慕っていたジェネは泣き崩れこそしなかったが、その思う心は変わらなかった。
―生きているかもしれない―
この際、(・・・かもしれない)で十分だった。死んでしまっていれば・・・もう二度とあえない。・・・でも、(・・・かもしれないなら、それは絶対ではない)ジェネは確率に置き換え考えをめぐらせていた。
と同時に体育館であった惨劇が頭をよぎる。
他の部員が恐怖に震え、気を失ってしまっている中でただ一人、自分とイフを逃がすために、その身を呈してカマイタチの刃を全身に受けたユウナの姿を思いだす。
ジェネは真剣な眼差しでスズフミの方へ振り返ると、大きな声で慈愛の天使の名前を呼んだ。
・・・そして場面は舞台を移し、少しだけ時間を遡った陸上部部室。
マリオネットに首を締められ体力を消耗したアンズと、その後輩のコウを逃がしたアリサは姿の見えない相手と対峙していた。
・・・だが、当面の敵はマリオネット達だ。アリサは頭の中で考えを巡らせる。
(まずは操られている陸上部の人達をなんとかしないと・・・多分相手はこの武器のことを知らないはず・・・チャンスは一度、警戒されていない今しかないっ・・・でもわたしにそれができるの?・・・いやっ、やってみせるっ!アンズと約束したんだっ!!)
その心を揺るぎないものとしたアリサがマリオネット達にむかって二丁拳銃を構える。
その様をどこかで傍観している女悪魔の美しくも冷ややかな声がアリサの耳に届く。
『あなたの大切な者を守るために、他の者たちの命を犠牲にするおつもりですか・・・あなた達人間も私たち悪魔となんらかわりはない』
アリサはその悪魔の言葉の心理を素直に受けいれ、不安にかられるが。そんな感情をなんとか圧し殺し、精神を集中させるべく、両の瞼を閉じ雑念を振り払う。
(・・・失敗はできない・・・警官のおじさん・・・ううんっ・・・先生、わたしに力をかしてっ!!)
『誰も犠牲なんてだしたくないし、他の人たちを傷つけたくない。でも、わたしたち力のない人間ってさ、手に届くものすら守りきれないんだよ。だから、やれることを全力でやるんだ。』
アリサの身体がその思いに答えるように、徐々に白く輝きだす。警官の形見である邪滅聖魂が聖なる光を放ちはじめる。
(あったかい・・・おちつく・・・これが光の力・・・そして今のわたしの力か・・・アンズ・・・今度はわたしがあなたを守るよっ!!そして約束を守るっ!!)
光がその輝きを増す。闇に覆われていた部屋が希望の光でみたされ、その中から闇に潜んでいた者の姿が浮かびあがる。
アリサは目を閉じながらも、その光景は頭の中に描かれていた。気配を感じ取っていたのだ。今は亡き警官から授けられたもう一つの力。動体視力によって。
二つある銃口をそれぞれ、マリオネット達と女悪魔にむけ、目標を定める。
聖なる光によって動きを封じられているマリオネット達(元は人間)を眺めながら女悪魔は忌々しげに口を開く。
『・・・くっ、光の力を扱えるとはあなたを甘くみていました・・・マリオネットはもう使い物になりませんか・・・しかし、あなたにわたしが捉えられますか・・・いきますよ?』
光により姿が公になった、宙を漂う女悪魔の移動速度がはやくなる。人の目には分身して見えるほどのはやさだ。
(・・・わかる・・・感じる・・・今はあそこだ・・・次はそっち・・・よしっ!!)
『なんのためにずっと目を閉じていたかわからない?・・・これで終わりっ・・・勝たせてもらう!!』
アリサの両目が開かれると同時に一発の銃声。
ドンッ
それから、右に身体を転がし膝立ち二発の銃声。
ドドンッ
左手の銃からの弾丸は途中で分裂し、流星のようにマリオネット達に降り注ぎ、その操りの呪縛を絶ちきる。
そして右手の銃からの弾丸は、二つの彗星のように、女悪魔の心臓あたりと腰のあたりを突き抜ける。ぽっかりと空いた、それらの傷口から噴き出す悪魔でいう、血のような液体も光に浄化されてゆく。
『さ・・・先見の能力も・・・もって・・・いるとは・・・ぐっ・・・ぐはぁっ・・・私の完敗・・・です』
宙に浮かんでいた美しい女性の姿をした人ならざるものの細い首が傾き、その身体は地に落ちる。
『・・・や、やったっ・・・かったっ!!・・・アン・・・』
ドシュッ
『ノエル・・・それにイフちゃんもジェネちゃんもあきらめるのはまだ早いとおもうよ・・・もしかしたら、レツくんにも、さっきノエルが私にいったような奇跡の力みたいなのがあって・・・死んでなかったのかもしれない・・・もちろんユウイチくんも』
スズフミ自身、自分の能力に半信半疑なのだが、レツとユウイチが忽然と姿を消したという背景には、その可能性があることをどうしても捨て置くことができなかった。
『・・・たしかにスズのいうとおりかもしれない・・・わたし、答えをいそぎすぎたかも』
そんな時、ぴょんっと、ノエルの腕から白い獣が弧を描いて飛び降りる。哀しみに押しつぶされ、泣きつかれて眠っているイフの姿を心配そうにみている。
ノエルは、そんなカマイタチの姿を見ながら、イフの頭を一回だけ撫でると話を続けた。
『・・・でも、仮にスズの言うとおりだとして・・・なんで・・・それも二人して姿を消したりしたんだろう』
『・・・さすがにそこまでは私にもわからないよ・・・けど、きっと出てこれない理由があったんだとおもう』
ノエルとスズフミのそんな話を近くで聞いていたジェネの表情も心なしか明るさを取り戻す。
イフと同じようにレツを慕っていたジェネは泣き崩れこそしなかったが、その思う心は変わらなかった。
―生きているかもしれない―
この際、(・・・かもしれない)で十分だった。死んでしまっていれば・・・もう二度とあえない。・・・でも、(・・・かもしれないなら、それは絶対ではない)ジェネは確率に置き換え考えをめぐらせていた。
と同時に体育館であった惨劇が頭をよぎる。
他の部員が恐怖に震え、気を失ってしまっている中でただ一人、自分とイフを逃がすために、その身を呈してカマイタチの刃を全身に受けたユウナの姿を思いだす。
ジェネは真剣な眼差しでスズフミの方へ振り返ると、大きな声で慈愛の天使の名前を呼んだ。
・・・そして場面は舞台を移し、少しだけ時間を遡った陸上部部室。
マリオネットに首を締められ体力を消耗したアンズと、その後輩のコウを逃がしたアリサは姿の見えない相手と対峙していた。
・・・だが、当面の敵はマリオネット達だ。アリサは頭の中で考えを巡らせる。
(まずは操られている陸上部の人達をなんとかしないと・・・多分相手はこの武器のことを知らないはず・・・チャンスは一度、警戒されていない今しかないっ・・・でもわたしにそれができるの?・・・いやっ、やってみせるっ!アンズと約束したんだっ!!)
その心を揺るぎないものとしたアリサがマリオネット達にむかって二丁拳銃を構える。
その様をどこかで傍観している女悪魔の美しくも冷ややかな声がアリサの耳に届く。
『あなたの大切な者を守るために、他の者たちの命を犠牲にするおつもりですか・・・あなた達人間も私たち悪魔となんらかわりはない』
アリサはその悪魔の言葉の心理を素直に受けいれ、不安にかられるが。そんな感情をなんとか圧し殺し、精神を集中させるべく、両の瞼を閉じ雑念を振り払う。
(・・・失敗はできない・・・警官のおじさん・・・ううんっ・・・先生、わたしに力をかしてっ!!)
『誰も犠牲なんてだしたくないし、他の人たちを傷つけたくない。でも、わたしたち力のない人間ってさ、手に届くものすら守りきれないんだよ。だから、やれることを全力でやるんだ。』
アリサの身体がその思いに答えるように、徐々に白く輝きだす。警官の形見である邪滅聖魂が聖なる光を放ちはじめる。
(あったかい・・・おちつく・・・これが光の力・・・そして今のわたしの力か・・・アンズ・・・今度はわたしがあなたを守るよっ!!そして約束を守るっ!!)
光がその輝きを増す。闇に覆われていた部屋が希望の光でみたされ、その中から闇に潜んでいた者の姿が浮かびあがる。
アリサは目を閉じながらも、その光景は頭の中に描かれていた。気配を感じ取っていたのだ。今は亡き警官から授けられたもう一つの力。動体視力によって。
二つある銃口をそれぞれ、マリオネット達と女悪魔にむけ、目標を定める。
聖なる光によって動きを封じられているマリオネット達(元は人間)を眺めながら女悪魔は忌々しげに口を開く。
『・・・くっ、光の力を扱えるとはあなたを甘くみていました・・・マリオネットはもう使い物になりませんか・・・しかし、あなたにわたしが捉えられますか・・・いきますよ?』
光により姿が公になった、宙を漂う女悪魔の移動速度がはやくなる。人の目には分身して見えるほどのはやさだ。
(・・・わかる・・・感じる・・・今はあそこだ・・・次はそっち・・・よしっ!!)
『なんのためにずっと目を閉じていたかわからない?・・・これで終わりっ・・・勝たせてもらう!!』
アリサの両目が開かれると同時に一発の銃声。
ドンッ
それから、右に身体を転がし膝立ち二発の銃声。
ドドンッ
左手の銃からの弾丸は途中で分裂し、流星のようにマリオネット達に降り注ぎ、その操りの呪縛を絶ちきる。
そして右手の銃からの弾丸は、二つの彗星のように、女悪魔の心臓あたりと腰のあたりを突き抜ける。ぽっかりと空いた、それらの傷口から噴き出す悪魔でいう、血のような液体も光に浄化されてゆく。
『さ・・・先見の能力も・・・もって・・・いるとは・・・ぐっ・・・ぐはぁっ・・・私の完敗・・・です』
宙に浮かんでいた美しい女性の姿をした人ならざるものの細い首が傾き、その身体は地に落ちる。
『・・・や、やったっ・・・かったっ!!・・・アン・・・』
ドシュッ
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