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こんにちは、はじめまして。
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しおりを挟む「ここだよ。可愛くて、綺麗でしょ」
そう言ってユニコーン男が止まった場所には、綺麗な家があった。
――確かに可愛くて、綺麗な家だ。
日当たりが良さそうで、花や野菜が、庭らしき場所に綺麗に、美味しそうに実っている。
パッと見ただけでも人が2、3人なら住むのには困らなさそうな感じだった。
まさか森の奥にこんな場所があったなんて、知らなかった。
「今日から、ゆずみちゃんはこのお家に、僕とゆずみちゃんの2人だけで住みまーす!楽しみでしょ!」
ニコニコと嬉しそうにユニコーン男は笑っている。
「…………」
何と言うのが、正解なのだろう。
「楽しみだよね?ゆずみちゃん?」
――目が、目が笑っていない。
私は恐怖のあまり、
「……た、楽しみでしゅ」
と答えた。
「アハハ!ゆずみちゃん、楽しみすぎて言葉を噛んじゃったの?可愛いね」
楽しみな訳がない。
恐怖しかない。
早く誰か助けて。
「まずは……僕のお家の中をご招待!ささっ!早く入ろう」
嫌だ、離して欲しい。帰して欲しい。
「大丈夫だよ。お家の中も綺麗にしてるつもりだし……きっと気にいるよ」
そう言ってユニコーン男は家の中へと、私を腕に抱いたまま入っていった。
「じじゃーん!いざ見せるとなると、ちょっと照れるけど……このお部屋どうかな?」
そう言って私を優しく、ゆっくりと、腕の中から降ろした。
「す、素敵です」
この言葉に嘘はない。
誰が見ても、こんな部屋に住んでみたいな。と思うような内装だった。
見るからにふかふかな大きなベッド、お洒落で可愛い木のテーブルに、テーブルとセットに見える、可愛らしい木の椅子。
座り心地が良さそうなソファー。壁には所々に花の家具、綺麗なスワッグが吊るされている。
「良かった、趣味悪い!とか言われたらショックでツノ折ってたかも」
部屋を見渡していたら、いつの間にか裸のユニコーン男は、装飾が綺麗な長いタオルみたいな物を体に巻いていた。
そして、あのツノも綺麗になっていた。
……常に裸のスタイルじゃなくてよかった。
「ツノ折ったことないけど、折れてもまた生えると思うし、僕のツノ欲しくなったらいつでも言ってね」
アハハと嬉しそうに笑いながら、
冗談なのか本気なのか分からない事を言っていた。
「今日からゆずみちゃんもココで暮らすんだし、このお部屋の中なら自由にしていいからね」
「は、はい」
「やっぱり、ゆずみちゃんっていい子だね」と耳元で優しく甘く囁いた。
「……ヒッ」
「ごめん、ごめん。急に囁いたからビックリしちゃったね。でも、ゆずみちゃんの反応可愛かったよ」
冗談はやめてほしい、と思って一瞬だけ私は嫌な顔をしてしまった。
「……冗談じゃないよ。ゆずみちゃんは今まで僕が、出会った処女の中で、1番素直で可愛い」
可愛いなんて言われ慣れていないので、変に照れてしまい、何も言えない。
「あれ?照れてる?可愛いね……やっぱり処女はウブでいいなぁ」
最後の方の言葉はちょっと、何というか、
喜んで良いのだろうか?怒るべきなのだろうか?
「今日は色々あって疲れたよね。僕が美味しいお茶を入れてあげるから。その間、ゆずみちゃんはくつろいでいてね」
「お茶……」
この、ツノの生えた男が、お茶を入れるなんて思わなかった。意外だったので、思わず口から本音が出てしまった。
「僕がお茶入れるの意外だと思ってる?僕結構ティータイムとか好きだから。お茶入れる事多いし、きっと美味しいよ」
青い綺麗な目と視線が合う。
よく見ると瞳の奥がキラキラと宝石のように輝いていた。
青い宝石のような瞳と、白くしなやかで綺麗な髪の毛。そして、貝殻のような綺麗で美しいツノが、私のことを狙ったかのように鋭く光って見えた気がした。
「だから、楽しみにしててね」
まるで愛おしい人に愛の言葉を誓うように、
優しく私に言う。
この男の話す言葉一つ一つが、毒のようで。
ユニコーンが私に優しく話す度に、
私の中に何かイケないものが入っていくような感覚がした。
「じゃあ僕はお茶を入れるから。ゆずみちゃんは、ゆっくり適当にくつろいでいてね。」
ユニコーン男のゆったりとしたペースに巻き込まれて、私は本当に少しずつだがこの男が、人殺しのユニコーンなのを忘れそうになっていた。
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