美しいツノ

あずき

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あなたのことは、きらいです。

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ここ、何処だっけ。

それが、目を開けて最初に思った感想だった。

まだ、目がショボショボする。脳が正常に動いていない。まだ、眠たい。


「……あっ、私……ユニコーンの……」

寝起きでかすれた声が出る。

そうだった、私はユニコーン男の家に居るんだった。

……起きたくなかったな。

また、嫌な現実と向き合わないといけないんだ。

ふかふかに包まれた優しい夜は終わってしまって、残酷な朝が来てしまった。

「おはよう。ゆずみちゃん」

螺旋状のツノが視界に入る。

残酷な朝、今一番聞きたくない声がした。

「あらら、髪ボサボサだね」

ユニコーン男は少しだけ楽しそうに笑って、壊れ物を扱う様に優しく私の髪を撫でた。

「……おはようございます」

触らないで。

なんてことは言えずに、私は彼におはようの挨拶をした。

「疲れは取れたかな?ゆずみちゃん凄く気持ちよさそうに、すやすやと眠ってたよ」

本当は眠るつもりなんて無かった。

ユニコーン男が眠った隙に、逃げ出して助けを求めよう。そう思っていたのに、睡魔に勝てず、ユニコーン男の隣ですやすやと気持ちよさそうに寝てしまったみたいだ。

「顔、洗っておいで。僕は朝食の準備するから、その間、ゆずみちゃんは自由にしてて良いからね。」

――意外、料理できるんだ。

馬だし勝手なイメージで、ニンジンとかそのまま調理しないで食べるのかな? なんて事を思っていたけど、意外だなと思った。

「あっ、そうだ」と私に近づくユニコーン男。


「寝顔、凄く可愛かったよ」

……み、みみもとで喋るのは、やめて。

お願いだから、耳元で甘い声を出さないでほしい。

また、疲れる1日が始まった。



「……ちょっと疲れた顔してる」

鏡に映る自分の顔は、少しだけ疲れた顔をしていた。

「あの、変態クソクソ ユニコーン男のせいだ……」

私は早くここから出て助けを呼ばないといけない。

……美優どうなったんだろう。
誰か美優の死体に気付いていたら良いな、そして早く私のことも見つけて。

お母さん、お父さん。私はここにいるよ。
悪いユニコーンに捕まっているの、早く迎えに来て。

きっと、お母さんとお父さんが警察に相談して、探してくれているはずだ。
私が見つかるのも時間の問題だと思う。

そう信じて、少しの希望に、今は賭けてみるしかなかった。

深く深呼吸をして、少しの希望を胸に、顔にバシャバシャと水を強く当て、眠気を覚ました。

――頑張らないと。

ここから逃げるんだ、絶対に。

私はもう一度、自分の顔を強く見つめて、誰にも聞こえないような小さな声で、「よし」と呟いた。




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