息子の恋愛事情

ななし

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「ガタン)ただいま、母さん」

優斗ゆうと、おかえりなさい」

「おばさん、お邪魔します」

「あら、冬真とうまくん、いらっしゃい。
ゆっくりしてってね。」

息子である優斗の、首にできた赤い跡。

日に日に増えていくそれは、初めこそは
虫刺されかな~って思いましたよ。
けど、いくらなんでも冬にこんな刺されるわけがない。
そう…これは…

「(キスマーク、よね。)」

私の息子もついに彼女ができたのか。
だとしたら家に連れてきたらいいのに。
最近はずっと、家に来るのは冬真くん。

「いったいどこでこんなことをしているのかしら…」

だんだん心配になってきた。
これが暴力によってできた跡だったらどうしよう。

「考えても仕方ないわ…お菓子の準備でもしておこうかしら。」

棚から優斗の大好きなポテトチップスと、ジュースを取り出す。

「コンコン  ガチャ)ゆうと~、これお菓子…」

…?

「ちょっ母さん、すぐに入ってこないでってば!」

…あら?

「どうしてそんなところでくっついてるのよ」

「こっこれは、転んだだけだしっ」

「…ふ~ん、なるほどねぇ。」

そこでは、優斗が冬真くんの腕に抱かれていた。そこで、私はやっと、意味を理解した。

「優斗、母さんは応援しているわ。」

「ぇ…?」

「ふふ、安心してね。明日は母さん家空けるから、冬真くん、明日もいらっしゃいな。」

「あー…ありがとうございます」

せっかくの恋人との時間を、邪魔するわけにはいかない。
定期的に家を空けるとしましょう(納得)。

「それじゃあ、母さん今から出かけてくるから」

「え、あっ、ちょ」

「ごゆっくり~」

さぁ、今日の夕ご飯は少し豪華にしましょうか。
ふふふ、と笑みがこぼれる。

2人とも、お幸せに。
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