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書籍該当箇所こぼれ話
閑話 マリアノーラの観察録
わたくしはマリアノーラ。ここ、エーテルディアという世界で創造神をしているの。
そんなわたくしには、わたしくのことを支えてくれている四人の子達がいます。
火神サラマンティール、水神ウィンデル、風神シルフィリール、土神ノームードル。
みんな、可愛い子達よ。
そのわたくしの子の一人に、子供ができたらしいのよ! ということは、わたくしの孫よ。孫!
手元に置いて思う存分可愛がりたいのだけど……残念ねぇ。事情があって会うことが適わないみたいなのよ~。
そのうち会えるだろうと、楽しみにしておきましょう。
そんなある日――
「あらあら?」
「マリアノーラ様、いががいたしましたか?」
わたくしが急に声を出したものだから、側にいたわたくしの眷属で光の眷属長でもあるルーチェが心配そうに声を掛けてきた。
「シルフィリールがね、また失敗しちゃった感じ、かしら~?」
「シルフィリール様が……」
わたくしの四人の子のうちの一人、一番仕事熱心で真面目な風を司る子。あの子はね、ちょこーっとおっちょこちょいで、千年に一度くらいの割合で失敗をしちゃうのよねぇ~。
今回は歪みを正そうとして、力の加減を間違えてしまったのねぇ。あらあら、そのせいで人も巻き込んでしまったのねぇ。
仕方がない子ねぇ。被害は一人だったのは幸いかしら? 転生させるみたいだし、その男性にはわたくしからも祝福をしておきましょう。
あら、もしかしてシルフィリールったら、彼にあの子達のことを任せるつもりかしら?
ああ、やっぱりそうね。何だかんだ、あの子達のことを気に掛けていたものね。
「マリアノーラ様?」
「あらあら、ごめんなさいね。シルフィリールったら力の加減を間違っちゃったみたい」
「えっ!! 被害のほうは!?」
「他の世界の男性を一人、巻き込んでしまったみたい」
「えっ!?」
「とりあえず、あちらの方に事情を話に行ってくるわ~」
一人とはいえ、他世界の住人を巻き込んでしまったのだから、あちらの神には話を通しておかないとね。
そう思い、わたくしはルーチェに留守を預けて次元を渡る準備をした。
◇ ◇ ◇
シルフィリールが巻き込んで殺めてしまった彼――タクミさんは地球出身だったわよね。
さて、どうしましょうか? 地球には多くの神々が存在しているものねぇ。誰に会いにいけばいいのか悩んでしまうわ~?
そうねぇ~。タクミさんは日本出身だから、そちらの方に会いに行けばいいかしら? 日本、ね……。えっと……天照大神様がいいかしら? あの方なら面識があるから会いやすいわね。
わたくしは早速、天照大神様のもとへ向かった。
「お邪魔しますわ」
「ん? おお! マリアノーラ様ではないか! 久しいな!」
「はい、ご無沙汰しております。天照大神様、突然の訪問をお許しください」
「構わない構わない。いつでも来てくれ。それで今日はどうしたんだい?」
天照大神様は突然やって来たわたくしを歓迎してくれた。
天照大神様は艶やかで長い黒髪と黒曜石のような瞳を持つ、おおらかな女神様なの。同じ女神なのだけど、とっても憧れる女性でもあるわ。
特にあの豊満な胸とくびれた腰! 羨ましすぎですわぁ~~~。
ああ、そんなことを言っている場合ではありませんでしたわね。
「申し訳ありません、天照大神様。わたくし、今日はお詫びに参りましたの」
「詫び?」
「ええ。実はわたくしの子がこちらの人族の方を一人、歪みの修復に巻き込んでしまったのです」
「うん? ちょっと待ってくれ……――ああ、これだな。うん、確かにいるな。大人数でなく、一人だったから今の今まで気づかなかったよ。被害については気にしないでくれ。その彼には悪いが、こちらには何の影響もないから大丈夫だ。むしろ、こちらの歪みの対応がおくれてしまったようで悪かったね」
「いいえ、とんでもないですわ」
天照大神様は今回のことはまだお気づきでなかったようね。被害についてもお怒りがなく良かったわ~。
たった一人でも自分の管理する輪廻から魂が外れてしまえば、その世界のリソースが減ってしまう。そうなると、多少の狂いは発生する。微調整だが、天照大神様の仕事が増えているのは確かのはずよ。なのに、天照大神様はこちらが気にしないように、あんな風に言ってくださってるの。優しい方だわ~。
「で、その彼はどうなったんだね?」
「わたくしの世界に生まれ変わっていただく予定ですわ。それで今は準備をしているところですの」
「ああ、魂が完全に変質してしまっているから元には戻れないのか。うん、了解した。まあ、あなたなら無碍には扱う心配はないだろう。彼のことをよろしく頼むよ」
「はい。しっかりと預からせていただきます」
既にわたくしが祝福をしてありますので、何かあればすぐにわかりますし、責任感の強いシルフィリールが当面は目を離さないと思うので大丈夫でしょう。
「で、マリアノーラ様。お茶をしていく時間ぐらいあるのだろうか?」
「はい。ご相伴に預かってもよろしいでしょうか?」
「もちろんだとも! 今、用意させよう」
わたくしは天照大神様にお茶に誘われ、少しの間ゆったりとした時間を過ごしました。
「あら。これ、とっても美味しいですわね」
「そうだろう。これは○○堂のロールケーキだ! これは妾の最近のお気に入りなのだ!」
「こちらには本当に美味しいものがたくさんありますわよねぇ~。以前に頂いたことのあるガトー・○○○のプリンも絶品でしたわ~」
本当に美味しいわ~。これらの品がわたくしの世界にもあったなら、いつでも食べられるのに……残念で仕方がありませんわ。
「確かにあれも美味いよな。日本では次々と美味しいものができるもんだから、食べ過ぎないように気をつけなきゃいけないんだよ」
「いいですわねぇ~。わたくしのところでは、最近そういう発展はめっきりないのですわ~。羨ましいですぅ~」
「日本は地球の中でもいろんなものを作り出すことに特出した種族だからな。だが、食材の数だけをいえばあなたのところの方が断然多いのだがなぁ。ふむ。こちらから行った彼。彼がこの手のことを嗜んどるかは知らないが、日本人だからな。そちらに貢献してくれる可能性があるのではないか?」
「あら? 確かにそうですわね。そうだと嬉しいですわ~」
日本人は美味しい食べ物を求める種族だと天照大神様が言っていらしたから、彼が料理のできる人ならエーテルディアで地球の料理が再現されますの?
あらあら、それは大変! 帰ったら彼のスキルを少し調べましょうかね。そうね、もし料理スキルがなかったとしても、与えてしまいましょう! そうすれば、簡単なものくらい再現してくれるわよね? あら、何だかとっても楽しみになってきたわ~。
◇ ◇ ◇
「「お帰りなさいませ」」
「ルーチェ、ただいま~。あら、フォンセも来ていたのね」
ルーチェと闇の眷属長であるフォンセがわたくしを出迎えてくれた。
「はい。それで、マリアノーラ様。いかがでしたか?」
「大丈夫よ~。お許しいただいたわ」
「それはようございました」
ルーチェとフォンセがほっとした様子をみせた。
まあ、あちらの神がお怒りでしたら、どうなるかわからなかったですものねぇ。
「そうそう。ねぇ、これをシルフィリールのところに持っていって、例の彼に届けるように言って来てちょうだいな」
「こちらは?」
「日本の食べ物ね。急に故郷を離れることになったからって、天照大神様が気を遣ってくださって、いろいろ融通してくれたの」
「そうでしたか。すぐに届けさせます」
「ああ、シルフィリールには後で来るようにも伝えておいてちょうだい」
「はい」
その後、怒るために呼び出したわけではないのだけど、シルフィリールは悲愴な表情をしてわたくしのところにやってきたの。
本当にも~仕方がない子ねぇ。くよくよしている暇があるのなら、タクミさんの様子をしっかり把握してちょうだい。あの子達をタクミさんに預けたからって、まだ安心はできないでしょうに?
「ところでシルフィリール。タクミさんに料理スキルがあったか、わかるかしら?」
「料理、ですか? それならありましたよ。そこそこの腕だったはずです」
「あら、本当?」
それは朗報ね~。これからが楽しみになってきたわ~♪
そんなわたくしには、わたしくのことを支えてくれている四人の子達がいます。
火神サラマンティール、水神ウィンデル、風神シルフィリール、土神ノームードル。
みんな、可愛い子達よ。
そのわたくしの子の一人に、子供ができたらしいのよ! ということは、わたくしの孫よ。孫!
手元に置いて思う存分可愛がりたいのだけど……残念ねぇ。事情があって会うことが適わないみたいなのよ~。
そのうち会えるだろうと、楽しみにしておきましょう。
そんなある日――
「あらあら?」
「マリアノーラ様、いががいたしましたか?」
わたくしが急に声を出したものだから、側にいたわたくしの眷属で光の眷属長でもあるルーチェが心配そうに声を掛けてきた。
「シルフィリールがね、また失敗しちゃった感じ、かしら~?」
「シルフィリール様が……」
わたくしの四人の子のうちの一人、一番仕事熱心で真面目な風を司る子。あの子はね、ちょこーっとおっちょこちょいで、千年に一度くらいの割合で失敗をしちゃうのよねぇ~。
今回は歪みを正そうとして、力の加減を間違えてしまったのねぇ。あらあら、そのせいで人も巻き込んでしまったのねぇ。
仕方がない子ねぇ。被害は一人だったのは幸いかしら? 転生させるみたいだし、その男性にはわたくしからも祝福をしておきましょう。
あら、もしかしてシルフィリールったら、彼にあの子達のことを任せるつもりかしら?
ああ、やっぱりそうね。何だかんだ、あの子達のことを気に掛けていたものね。
「マリアノーラ様?」
「あらあら、ごめんなさいね。シルフィリールったら力の加減を間違っちゃったみたい」
「えっ!! 被害のほうは!?」
「他の世界の男性を一人、巻き込んでしまったみたい」
「えっ!?」
「とりあえず、あちらの方に事情を話に行ってくるわ~」
一人とはいえ、他世界の住人を巻き込んでしまったのだから、あちらの神には話を通しておかないとね。
そう思い、わたくしはルーチェに留守を預けて次元を渡る準備をした。
◇ ◇ ◇
シルフィリールが巻き込んで殺めてしまった彼――タクミさんは地球出身だったわよね。
さて、どうしましょうか? 地球には多くの神々が存在しているものねぇ。誰に会いにいけばいいのか悩んでしまうわ~?
そうねぇ~。タクミさんは日本出身だから、そちらの方に会いに行けばいいかしら? 日本、ね……。えっと……天照大神様がいいかしら? あの方なら面識があるから会いやすいわね。
わたくしは早速、天照大神様のもとへ向かった。
「お邪魔しますわ」
「ん? おお! マリアノーラ様ではないか! 久しいな!」
「はい、ご無沙汰しております。天照大神様、突然の訪問をお許しください」
「構わない構わない。いつでも来てくれ。それで今日はどうしたんだい?」
天照大神様は突然やって来たわたくしを歓迎してくれた。
天照大神様は艶やかで長い黒髪と黒曜石のような瞳を持つ、おおらかな女神様なの。同じ女神なのだけど、とっても憧れる女性でもあるわ。
特にあの豊満な胸とくびれた腰! 羨ましすぎですわぁ~~~。
ああ、そんなことを言っている場合ではありませんでしたわね。
「申し訳ありません、天照大神様。わたくし、今日はお詫びに参りましたの」
「詫び?」
「ええ。実はわたくしの子がこちらの人族の方を一人、歪みの修復に巻き込んでしまったのです」
「うん? ちょっと待ってくれ……――ああ、これだな。うん、確かにいるな。大人数でなく、一人だったから今の今まで気づかなかったよ。被害については気にしないでくれ。その彼には悪いが、こちらには何の影響もないから大丈夫だ。むしろ、こちらの歪みの対応がおくれてしまったようで悪かったね」
「いいえ、とんでもないですわ」
天照大神様は今回のことはまだお気づきでなかったようね。被害についてもお怒りがなく良かったわ~。
たった一人でも自分の管理する輪廻から魂が外れてしまえば、その世界のリソースが減ってしまう。そうなると、多少の狂いは発生する。微調整だが、天照大神様の仕事が増えているのは確かのはずよ。なのに、天照大神様はこちらが気にしないように、あんな風に言ってくださってるの。優しい方だわ~。
「で、その彼はどうなったんだね?」
「わたくしの世界に生まれ変わっていただく予定ですわ。それで今は準備をしているところですの」
「ああ、魂が完全に変質してしまっているから元には戻れないのか。うん、了解した。まあ、あなたなら無碍には扱う心配はないだろう。彼のことをよろしく頼むよ」
「はい。しっかりと預からせていただきます」
既にわたくしが祝福をしてありますので、何かあればすぐにわかりますし、責任感の強いシルフィリールが当面は目を離さないと思うので大丈夫でしょう。
「で、マリアノーラ様。お茶をしていく時間ぐらいあるのだろうか?」
「はい。ご相伴に預かってもよろしいでしょうか?」
「もちろんだとも! 今、用意させよう」
わたくしは天照大神様にお茶に誘われ、少しの間ゆったりとした時間を過ごしました。
「あら。これ、とっても美味しいですわね」
「そうだろう。これは○○堂のロールケーキだ! これは妾の最近のお気に入りなのだ!」
「こちらには本当に美味しいものがたくさんありますわよねぇ~。以前に頂いたことのあるガトー・○○○のプリンも絶品でしたわ~」
本当に美味しいわ~。これらの品がわたくしの世界にもあったなら、いつでも食べられるのに……残念で仕方がありませんわ。
「確かにあれも美味いよな。日本では次々と美味しいものができるもんだから、食べ過ぎないように気をつけなきゃいけないんだよ」
「いいですわねぇ~。わたくしのところでは、最近そういう発展はめっきりないのですわ~。羨ましいですぅ~」
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「あら? 確かにそうですわね。そうだと嬉しいですわ~」
日本人は美味しい食べ物を求める種族だと天照大神様が言っていらしたから、彼が料理のできる人ならエーテルディアで地球の料理が再現されますの?
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◇ ◇ ◇
「「お帰りなさいませ」」
「ルーチェ、ただいま~。あら、フォンセも来ていたのね」
ルーチェと闇の眷属長であるフォンセがわたくしを出迎えてくれた。
「はい。それで、マリアノーラ様。いかがでしたか?」
「大丈夫よ~。お許しいただいたわ」
「それはようございました」
ルーチェとフォンセがほっとした様子をみせた。
まあ、あちらの神がお怒りでしたら、どうなるかわからなかったですものねぇ。
「そうそう。ねぇ、これをシルフィリールのところに持っていって、例の彼に届けるように言って来てちょうだいな」
「こちらは?」
「日本の食べ物ね。急に故郷を離れることになったからって、天照大神様が気を遣ってくださって、いろいろ融通してくれたの」
「そうでしたか。すぐに届けさせます」
「ああ、シルフィリールには後で来るようにも伝えておいてちょうだい」
「はい」
その後、怒るために呼び出したわけではないのだけど、シルフィリールは悲愴な表情をしてわたくしのところにやってきたの。
本当にも~仕方がない子ねぇ。くよくよしている暇があるのなら、タクミさんの様子をしっかり把握してちょうだい。あの子達をタクミさんに預けたからって、まだ安心はできないでしょうに?
「ところでシルフィリール。タクミさんに料理スキルがあったか、わかるかしら?」
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