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魔法のある世界で
38.疑惑のラーラ姫01
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あの闇将軍とも死神将軍とも呼ばれるクルディガン将軍すらもラーラ姫の可愛さに籠絡された!
そんな噂は城下にも広がり、それは、城下町を挟んで建つ大神殿にまで伝わった。
「これは…少し調べねばならんかもな…」
何かを危惧するかのように大神殿長ボルガが、そう言った。
「何がです?平和そうで良いではないですか?先王が築き上げた今の泰平の世に、可愛らしい姫君の登場!皆が喜んでいるのですから喜ばしい事では?」
聖魔導師のシルバが、そう言うと大神殿長が小さな溜め息をつき言った。
「どんなに、素晴らしい人間でも全ての人に受け入れられると言うのは何か変だとは思わないか?」
「それは…でもまだ三歳の子供でしょう?単純に小さな子は他意なく受け入れられるものでは?」
「お前…先日、孤児院に慰問に行った時の事をもう忘れたのか?」
大神殿長ボルガは呆れた様にそう言った。
そう言われて、シルバは先日の孤児院慰問の時の様子を思いだす。
お忍び姿の大神殿長のボルガと共に行った時の事である。
そこには、二歳から十三歳までの子供達が二十人ほどいたが、泣いたりわめいたり凄まじい戦場だった。
小さな子供が泣いているからとあやそうとしたら、余計に泣かれて手にしていた泥団子をぶつけられた。
涙と鼻水とよだれで、およそ可愛いとは言い難かったが幸いシルバは潔癖症という訳でもなく普通に受け入れる事も出来、帰る頃にはそれなりに子供達も懐いてくれていたようだが、一緒に慰問に参加していた貴族のご婦人の何人かは不快感を隠そうともせず、足早に立ち去り、慈善家面して慰問に来た紳士の中には、子供達の無作法に怒鳴り散らしながら帰って行く者もいた。
無論、そんな大人ばかりではなく、心優しい裕福な商家の夫婦は一番小さな男の子を自分達の子として育てると養子縁組を願いでてくれるなど嬉しい出来事もあった訳だが…よく考えれば確かにボルガ様の言う通りだった。
どんなに可愛く小さな子供だとしても、全ての人に受け入れられる人間などいる筈も無い…。
どうしたって、子供自体が苦手な人間だっている筈である。
何より現国王バートは、老若問わずの女嫌いで妹姫…つまり女の子を受け入れるなんて考え難かった。
そんな国王陛下ですら手の平を返したような溺愛ぶりとの事。
「確かに…少しおかしいかもしれませんね?」
「大分、おかしいだろう…?」
「まさか…魅惑の魔術か何かで…」
「うむ…何者かが幼子を利用しているのかもしれん」
「そうすると、もしかしたら王の子供と言うのも?」
「いや、先王自身が認めているのじゃから何か確信があっての事じゃろうが…出来れば、そこも確かめたきところじゃの…」
「皆の噂の真意も確かめたいという事ですね?」
「そこでじゃ、儂はその姫に直接会ってみたいと思うのじゃ」
「えっ?大神殿長であるボルガ様が王家の姫に面会となるとかなり大騒ぎになりますよ!」
「馬鹿もん!当たり前じゃ!だから前回の慰問の時のように、お忍びでじゃのぅ…!」
「いや、それだと一般人が王家の姫君に会うなんて無理では?」
もっともなシルバの言い分に大神殿長は頭を抱えた。
「ううむ、何か手を考えるのじゃ!」
大神殿長は、聖魔導士シルバにそう無茶ぶりをするのだった。
そんな噂は城下にも広がり、それは、城下町を挟んで建つ大神殿にまで伝わった。
「これは…少し調べねばならんかもな…」
何かを危惧するかのように大神殿長ボルガが、そう言った。
「何がです?平和そうで良いではないですか?先王が築き上げた今の泰平の世に、可愛らしい姫君の登場!皆が喜んでいるのですから喜ばしい事では?」
聖魔導師のシルバが、そう言うと大神殿長が小さな溜め息をつき言った。
「どんなに、素晴らしい人間でも全ての人に受け入れられると言うのは何か変だとは思わないか?」
「それは…でもまだ三歳の子供でしょう?単純に小さな子は他意なく受け入れられるものでは?」
「お前…先日、孤児院に慰問に行った時の事をもう忘れたのか?」
大神殿長ボルガは呆れた様にそう言った。
そう言われて、シルバは先日の孤児院慰問の時の様子を思いだす。
お忍び姿の大神殿長のボルガと共に行った時の事である。
そこには、二歳から十三歳までの子供達が二十人ほどいたが、泣いたりわめいたり凄まじい戦場だった。
小さな子供が泣いているからとあやそうとしたら、余計に泣かれて手にしていた泥団子をぶつけられた。
涙と鼻水とよだれで、およそ可愛いとは言い難かったが幸いシルバは潔癖症という訳でもなく普通に受け入れる事も出来、帰る頃にはそれなりに子供達も懐いてくれていたようだが、一緒に慰問に参加していた貴族のご婦人の何人かは不快感を隠そうともせず、足早に立ち去り、慈善家面して慰問に来た紳士の中には、子供達の無作法に怒鳴り散らしながら帰って行く者もいた。
無論、そんな大人ばかりではなく、心優しい裕福な商家の夫婦は一番小さな男の子を自分達の子として育てると養子縁組を願いでてくれるなど嬉しい出来事もあった訳だが…よく考えれば確かにボルガ様の言う通りだった。
どんなに可愛く小さな子供だとしても、全ての人に受け入れられる人間などいる筈も無い…。
どうしたって、子供自体が苦手な人間だっている筈である。
何より現国王バートは、老若問わずの女嫌いで妹姫…つまり女の子を受け入れるなんて考え難かった。
そんな国王陛下ですら手の平を返したような溺愛ぶりとの事。
「確かに…少しおかしいかもしれませんね?」
「大分、おかしいだろう…?」
「まさか…魅惑の魔術か何かで…」
「うむ…何者かが幼子を利用しているのかもしれん」
「そうすると、もしかしたら王の子供と言うのも?」
「いや、先王自身が認めているのじゃから何か確信があっての事じゃろうが…出来れば、そこも確かめたきところじゃの…」
「皆の噂の真意も確かめたいという事ですね?」
「そこでじゃ、儂はその姫に直接会ってみたいと思うのじゃ」
「えっ?大神殿長であるボルガ様が王家の姫に面会となるとかなり大騒ぎになりますよ!」
「馬鹿もん!当たり前じゃ!だから前回の慰問の時のように、お忍びでじゃのぅ…!」
「いや、それだと一般人が王家の姫君に会うなんて無理では?」
もっともなシルバの言い分に大神殿長は頭を抱えた。
「ううむ、何か手を考えるのじゃ!」
大神殿長は、聖魔導士シルバにそう無茶ぶりをするのだった。
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