満員電車

安積

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再開、それから

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 ようやく仕事を終え、今日は残業も無理やり回避して、足早に駅へと向かう。一刻も早く自宅に帰り、身を清めたい。
 駅に着いて、改札を潜ろうとした瞬間、ピタリと足が止まる。
 ――いる。今朝、私を犯したおじさんが、改札の向こう側に立っていた。
 回れ右をして一駅歩こうか、はたまたタクシーで帰ろうか、そんな考えが瞬時に脳内を駆け巡った。が、それも叶わず、後ろから来た人波に押されるように改札を潜ってしまった。
 いや、おじさんがいるからといって、なんだと言うのだ。無視をすればいい。幸い、電車はすぐに到着するはずだ。
 無意識に胸ポケットを押し込み、ぷにぷにした感触を確かめる。

(帰りにどこかで捨ててくればよかった……)

 とにかく視線を合わせないようにして、足早にホームへと向かう。

「まだ持っててくれたんだ」
「えっ!?」

 背後から声をかけられ、手首を掴まれた。
 ビクンと身体を震わせて振り返ると、いつの間に移動したのか、今朝のおじさんが立っていた。

「行こうか」

 ニチャァと笑うおじさんに手を引かれる。抵抗したくても足が震えて上手く歩けない。そのまま流されるように再びトイレへ連れ込まれてしまった。



 翌朝、駅のホームへ続く階段を登ると、おじさんが立っていた。
 私はニッコリと笑って――駆け寄った。

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