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そろそろ孫の組手に専念する。
孫の使う武術は時代のうねりに細かく適応してきたものとは違い地形ごとに型を変えている特殊なものだ。
平面を使うことを前提にしている場合庭の木を使う時とでまるで動きが違う。
例えるなら将棋の駒のようにそれぞれの特性を活かす使い方をしている。
現代風に例えるならトレーディングカードゲームのデッキそのものだ。
流れに乗れば自分の流れから止まることなくコンボが繋がる。
もしくは相手のしたいことさせないハンデスデッキのようなこともしてくる。
一試合ごとにまるで異なるリズムも出してくることから全く違う武芸者と戦っている気すらある。
「時偶流の真髄は莫大な基礎を積むことにある。」
一昔前、傭兵時代には道場破りに近いことをしていたことがあった。
その際に今は無き天衣無縫とは言い難いのにも関わらず自然体という表現が最も合っている矛盾した構えをした人物に会っていた。
その人物はが話していた言葉があった。
「最強の武術と呼ばれるものがあるとするのならそれは時偶流戦士術であろう。
儂でさえ時偶流を行うのは不可能。
時偶流とは時偶に流れるその時代時代にあっている武術を身に着け続ける武。
才アリナシに関わらず時代の武を相手にしておるのだ。
彼らにとって儂らがやっている武は既に覚えるべき武であり瞬時に対応できるための武を身に着けるべく基礎を固めている。
どの武でも基礎に勝る真髄は無き。
一の型こそが奥義。
一を極めんと二を知れぬ。
時偶流は全ての基礎を知ることにある。
そしてそれを極める。
極まったという言葉は存在せぬ。
儂ですら今の武は極まったと思うてもまだ足りぬ。
しかし時偶流戦士術は既に無き武術。
最強の武術の伝承には究極の努力の才を持たなくてはならんだ。
若いの。
おぬしは儂に負けこそして居るがとても強い。
だが儂なんぞ児戯のように扱う時偶流戦士術という武術の使い手たちがうようよいたことを忘れる出ないぞ。
この武の使い手は世界各国に居た。
だが戦争で皆死んだのだ。
他ならぬ時偶流たちの相打ちによってことごとくな。
もし時偶流の使い手が居るとしたのなら特殊な五覚の使い手か陰陽の類であろう。」
長いこと良く喋る爺さんだった。
当時、若かりし頃の自分を赤子の手をひねるように倒したのにまだ最強があると言っていた。
今はまだ幹に勝ち越してるがそれも時間の問題だろう。
自分が道場破りや戦場で身に着けたありとあらゆる攻撃に即座に対応できる身体で対処しているだけでしかない。
それと天狗の術を用いて幹の感知しづらいところから攻撃するなどをして何とか師匠面できるだけだ。
「努力の才か。」
孫が何に対して努力をしているのかも知らない。
今まで育ててきた保護者として失格なのか。
それとももう一人立ちしたと考えるべきなのかは未だ教育者として答えの出ない課題。
「じいちゃんはまだまだ余裕だね。」
疲れ果てたのか幹は地面を背に倒れた。
五覚で感じるにまだまだ身体自体の体力は有り余っているが集中力が欠けていた。
まだまだ未熟な部分が多い。
それが若さというところだろう。
しかしここまで集中し続けるだけのことは称賛に値するし初の戦闘であればなおさら。
根々は先見の明と後の先を両方会得するべく五覚を活用している。
似ているようで全く違うその二つの技を両立させるには集中力の管理がとても重要となる。
先見の明は未来を予知することにあり後の先は技を受けてから対処する。
未来を予知できても対処できなければ意味をなさぬ。
技を受け対処するも敵の技が上回ることもあるだろう。
ならば自分が対処できない攻撃を受けた後に対処すれば良し
敵の技が上回るというのなら避けれが良し
自分が対処できず敵の技が上回るというのなら逃げれば良しとす。
しかし負けられぬ戦いもある。
だが負けられぬ戦いを起こさないためにできることもある。
それもまた根々の極めた武術の真髄にあたった。
根々の武術は我流と呼ぶに相応しいだろう。
拳一つ一つに自己の最良の結果になるように相手の身体を手に取るように潜在意識から働きかけ操る。
幹が攻撃を仕掛けたと同時に次に足の重心がどこに出るかを予知し技を受けてから自滅するように誘導していく。
もしそれに対処してくるように感じたのならそれに応じた対処をコツコツとしていく。
ここまでするのには単純な筋肉を大きく膨らませるようなことをしていては間に合わない。
そして脳もまた集中することをさせてはいけない。
身体に徹底的にそのことを学ばせつつ最後は逃げるために持久戦に持ち込む。
逃げるが勝ち。
生きていれば勝ちなのだから時偶流は時代に沿う最強を導きだし習得する武術に対して根々のそれは生存確率をなるべく上げるための護身術という方が正しかった。
「武はそんなに甘くはないか。」
「幹、生き急ぐ出ない。
武は料理と一緒だ。
世界各国に郷土料理と呼ばれるものがあるように地域ごとにその地形にあった料理が存在し武もまたその地形にあった武として生まれる。」
「じいちゃんそんなに料理得意じゃないよね。」
「それは言うな。」
孫の使う武術は時代のうねりに細かく適応してきたものとは違い地形ごとに型を変えている特殊なものだ。
平面を使うことを前提にしている場合庭の木を使う時とでまるで動きが違う。
例えるなら将棋の駒のようにそれぞれの特性を活かす使い方をしている。
現代風に例えるならトレーディングカードゲームのデッキそのものだ。
流れに乗れば自分の流れから止まることなくコンボが繋がる。
もしくは相手のしたいことさせないハンデスデッキのようなこともしてくる。
一試合ごとにまるで異なるリズムも出してくることから全く違う武芸者と戦っている気すらある。
「時偶流の真髄は莫大な基礎を積むことにある。」
一昔前、傭兵時代には道場破りに近いことをしていたことがあった。
その際に今は無き天衣無縫とは言い難いのにも関わらず自然体という表現が最も合っている矛盾した構えをした人物に会っていた。
その人物はが話していた言葉があった。
「最強の武術と呼ばれるものがあるとするのならそれは時偶流戦士術であろう。
儂でさえ時偶流を行うのは不可能。
時偶流とは時偶に流れるその時代時代にあっている武術を身に着け続ける武。
才アリナシに関わらず時代の武を相手にしておるのだ。
彼らにとって儂らがやっている武は既に覚えるべき武であり瞬時に対応できるための武を身に着けるべく基礎を固めている。
どの武でも基礎に勝る真髄は無き。
一の型こそが奥義。
一を極めんと二を知れぬ。
時偶流は全ての基礎を知ることにある。
そしてそれを極める。
極まったという言葉は存在せぬ。
儂ですら今の武は極まったと思うてもまだ足りぬ。
しかし時偶流戦士術は既に無き武術。
最強の武術の伝承には究極の努力の才を持たなくてはならんだ。
若いの。
おぬしは儂に負けこそして居るがとても強い。
だが儂なんぞ児戯のように扱う時偶流戦士術という武術の使い手たちがうようよいたことを忘れる出ないぞ。
この武の使い手は世界各国に居た。
だが戦争で皆死んだのだ。
他ならぬ時偶流たちの相打ちによってことごとくな。
もし時偶流の使い手が居るとしたのなら特殊な五覚の使い手か陰陽の類であろう。」
長いこと良く喋る爺さんだった。
当時、若かりし頃の自分を赤子の手をひねるように倒したのにまだ最強があると言っていた。
今はまだ幹に勝ち越してるがそれも時間の問題だろう。
自分が道場破りや戦場で身に着けたありとあらゆる攻撃に即座に対応できる身体で対処しているだけでしかない。
それと天狗の術を用いて幹の感知しづらいところから攻撃するなどをして何とか師匠面できるだけだ。
「努力の才か。」
孫が何に対して努力をしているのかも知らない。
今まで育ててきた保護者として失格なのか。
それとももう一人立ちしたと考えるべきなのかは未だ教育者として答えの出ない課題。
「じいちゃんはまだまだ余裕だね。」
疲れ果てたのか幹は地面を背に倒れた。
五覚で感じるにまだまだ身体自体の体力は有り余っているが集中力が欠けていた。
まだまだ未熟な部分が多い。
それが若さというところだろう。
しかしここまで集中し続けるだけのことは称賛に値するし初の戦闘であればなおさら。
根々は先見の明と後の先を両方会得するべく五覚を活用している。
似ているようで全く違うその二つの技を両立させるには集中力の管理がとても重要となる。
先見の明は未来を予知することにあり後の先は技を受けてから対処する。
未来を予知できても対処できなければ意味をなさぬ。
技を受け対処するも敵の技が上回ることもあるだろう。
ならば自分が対処できない攻撃を受けた後に対処すれば良し
敵の技が上回るというのなら避けれが良し
自分が対処できず敵の技が上回るというのなら逃げれば良しとす。
しかし負けられぬ戦いもある。
だが負けられぬ戦いを起こさないためにできることもある。
それもまた根々の極めた武術の真髄にあたった。
根々の武術は我流と呼ぶに相応しいだろう。
拳一つ一つに自己の最良の結果になるように相手の身体を手に取るように潜在意識から働きかけ操る。
幹が攻撃を仕掛けたと同時に次に足の重心がどこに出るかを予知し技を受けてから自滅するように誘導していく。
もしそれに対処してくるように感じたのならそれに応じた対処をコツコツとしていく。
ここまでするのには単純な筋肉を大きく膨らませるようなことをしていては間に合わない。
そして脳もまた集中することをさせてはいけない。
身体に徹底的にそのことを学ばせつつ最後は逃げるために持久戦に持ち込む。
逃げるが勝ち。
生きていれば勝ちなのだから時偶流は時代に沿う最強を導きだし習得する武術に対して根々のそれは生存確率をなるべく上げるための護身術という方が正しかった。
「武はそんなに甘くはないか。」
「幹、生き急ぐ出ない。
武は料理と一緒だ。
世界各国に郷土料理と呼ばれるものがあるように地域ごとにその地形にあった料理が存在し武もまたその地形にあった武として生まれる。」
「じいちゃんそんなに料理得意じゃないよね。」
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