換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~

スライム道

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「家族ってのは羨ましい限りださ。」
「んなこと言ってる余裕あるならおめえさも薪割手伝ってけろ。」
「客人に仕事させるとは相変わらず豪胆だなぁ根々。」
「あたりめえだ。
 人の恋路、肴にすんだから、きちんと働いてけ。」

バシッとじいちゃんが密造している酒を出す。
じいちゃんの作っている芋焼酎の一つでこれは3年寝かせたモノだ。

「いい肴と酒にはきちんと労働でむくいなければな。」

薪割の斧をもってそのまま山に入って行った。
それで動かされるのだから酒吞童子に恥じぬ酒好きにあっぱれ。

「これで邪魔者はいなくなった。
 そろそろ自分にとって何が幸せか考えた方がええぞ。
 この儂ですら孤独には耐えきれんかった。
 今亡きばあさんが居なけらば儂は10にも見たん頃に死んでいたと感じる。
 孤独は好んでいてもずっと好きにはなれん。」
「知ってる。」
「なら、そろそろパートナーを見つけておけ。
 アドバイスなんて洒落たことは言わん。
 風邪を引くな、暖かくしておけ、わしが言いたいのはそれだけだ。」
「でも俺はやだ。」
「寒くなってからでは遅いかもしれんぞ。」
「それで選択したら、俺の人生と呼びたくなくなる。」

人の意見に流されるのも人生だけど。
流されるままのレールの上の人生は通りたくない。
誰も知らない道を歩みたい。

「なら存分に歩んでいけ。」

そういって差し出されたのは電話番号と住所が書かれた紙だった。

「此奴はお前の両親のものじゃ。
 未来へ行く前に過去を清算せい。
 もう生来の呪いは解けとる。
 けじめをつけんと前に進めぬ。」

会う必要は無いとは言っていたが、じいちゃんももし俺が生きたくなった時のために、メモをしてくれていた育ての親の真心というやつ。

「過去を清算したら思う存分行けばいい。」
「旅?」
「ああ、もう孤独になってしまったころにはもうこの家は無くなっているかもしれんがな。」

望むところだ。
もう後戻りもしない。
過去にケリをつけてやりたいことをやってこい。

「肉親にケリをつけられんようには育てておらん。」

言わぬがな。
教えてきたことは忘れないで欲しいとも言っているように聞こえるじいちゃんの優しさが身に染みていた。
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