8 / 84
笹の花言葉は「ささやかな幸せ」
しおりを挟む
病院を退院してから初の登校日
「蒼汰、お前ヒーローになったんだってよかったな」
「科夫よくねえよ。ずっと病院に居たからPX4のゲームできなかったんぜ」
「あーそっか病院居たんだもんな。モンアドの宴イベントとかも逃した感じか」
親友科夫と当たり障りのない話をしているとチラチラと視線を感じた。
「ん?視線が気になるのか?」
「まあな。とりあえずどんな感じで聞かされたのか教えてくれるか?」
「それがだな……」
科夫からの説明を聞くとこうだ。
先生からは甘夏さんが親のライバル業者からの反感を買い誘拐されその際一緒に誘拐された蒼汰がケガをしたと話し、甘夏さんたちは無事警察によって救出されたと聞かされた。
……が甘夏さんが学校に戻ってくると甘夏さんは蒼汰が誘拐犯から身を挺して護り誘拐犯を倒したと聞いたそうだ。
この世間に流した情報と当事者がもたらした情報の齟齬が噂の原因となっているらしい。
最初に聞いたときは甘夏さんのオマケとして連れてこられた蒼汰が見せしめにでもされてケガを負ったと判断したが甘夏さん本人の話を聞くと誘拐犯と戦って傷を負ったように聞こえたらしい。
「んで結局のところどうなんだ?俺の予想だとお前が屁狂絽《へきろ》さん化して襲撃犯撃退したと思うけどな」
「屁狂絽《へきろ》さん化?」
「俺が勝手に呼んでるけど、蒼汰ってさ花の手入れをしてる時とかいつもの細腕とは思えないくらい筋肉盛り上がってるんだよ」
屁狂絽《へきろ》さんとは銀太郎というアニメに出てくるネタキャラで花屋の店主にして泣く子も黙り恐怖のどん底に陥れるような顔と肉体を持つ自然に優しいキャラだ。
彼には花や虫に関することになると物理法則を無視した技を使うことからギャグマンガ最恐のネタキャラとして君臨した。
「へえ、まあ科夫の言ってる通りでだいたいあってるよ。なんか俺がキレたときにそうなったみたい」
「そうなったみたいってお前、もしかして怒ってるときに自分を見失うタイプかよ」
「うーん俺も詳しくは知らないけど周りの人が言うにはそうなってるらしい」
「一応桜の植え替えのときにサッカー部のビデオ頼まれてたから映ってるかもしれないし蒼汰が怒った時どんな状態か予想できるかもしれないから後で確認しておくわ」
「うん、お願い。でも大丈夫?確か上野動物園のコンクールが近いんでしょ」
科夫は写真部で映像なども取り扱っていることとから他の部活からよくカメラマンとして駆り出されることがある。
というのもプロには及ばないにしろ慣れた人間が撮った方が綺麗に取れるし文化祭の発表するときなどもカメラワークがしっかりしていた方が説明しやすいということもある。
そのため運動部、文化部問わず引っ張りだこなため年間で一番忙しいのは写真部だったりする。
もちろん写真部の活動も忘れずに行っているのだからブラックではないかと疑ってしまうレベルだった。
「部長が上野動物園の写真部門で優勝するとか言ってたからな。まあでも俺には最近撮ったばかりの秘蔵のコレクションがあるし大丈夫だろ」
「コレクションってなんだよ?パンダか?」
「ちっちっち、上野と聞いてパンダとは通ではないぞ蒼汰!これを見るがいい」
そこには三銃士のように4匹の象が鼻を天高く上げ集める仕草が映っていた。
「そしてこれは序の口、本命はこれだ!」
巨大な怪鳥があくびをしているシーンだった。
「これなに?」
「何とはなんだ。これはハシビロコウと言ってだな殆ど動かないことで有名な鳥なんだ。それのあくびシーンの画像はとても貴重なんだぞ!」
「ごめんニュースで見たかも」
(ほんとにニュースで取り上げられてる鳥です)
「上野動物園には他にもいろんな動物がいっぱいいる。さっき見せた象だって4頭も飼っているところは中々ないんだぞ」
「科夫、おまえ熱く語ってるけど去年までパンダだけ見とけばいいとか言ってなかったっけ?」
「ふ、俺もあの頃は若かったのさ」
一瞬朝なのに夕方に風景が切り替わり科夫が黄昏ているように見えたのは気のせいではないだろうか。
きっと退院明けで疲れていると思い周囲を見渡すとクラスメイトも目を擦るようなことをしていた。
そういえば、テストが近かった。きっとみんな勉強で目が疲れているんだろうと思った。
「あの頃は若かったって何があったんだ?」
「いやさあリンリンちゃんとかは可愛いしみんなの人気者だからさ笹とか持ってくれることあるけどずっと俺のこと見てくれるシュシュちゃんのことの方が好きになっちゃたんだよ」
「へえそんなに良いなら俺も一度行ってみようかな?」
クラスメイトたちは写真部の言葉には特に疑問を持つことなく各々読書なり勉強なりに集中しているのだが初めてその言葉を聞いた人物は黙っていなかった。
「いいぞう蒼汰も一緒に来いよかわいい子紹介してやるからよ!」
「ああ」
「随分楽しそうな話をしていますね」
教室の温度が氷点下に達したかのようにクラスの人間が震えだした。
「甘夏さん?」
「蒼汰さんに科夫さん随分楽しそうに女の子とお喋りすることの話をしていましたがお好きなんですか?」
「そうだよ甘夏さん、俺ら女子とむっちゃ楽しいことするんだ」
おい科夫、言い方考えろ!お前のせいで絶対なんか勘違いしてるだろ!!
蒼汰は玲菜がどういう意味で捉えたかを理解していた。そして奇しくも蒼汰が心の中でおもったことは科夫を除くクラスメイトたちも同じことを思っていた。
クラスの心が一つになった瞬間だった。
「そうですかそうですか」
なんで笑っていらっしゃるのかな
怖えよ!
「あ、甘夏さん」
「玲菜、蒼汰さんは玲菜とお呼びください」
「はい、玲菜さん」
あまりの怖さに屁狂絽《へきろ》さんの人格をもつ蒼汰もたじろいだ。
「れ、玲菜さん僕らが話してるのは動物園のことだよ」
「え?」
「そうだぞ俺が蒼汰と話してたのは動物園の可愛さを語っていたんだよ」
「し、失礼しました」
よかったぁ
そんな安堵からほっと胸をなでおろす蒼汰
「あ、でも蒼汰さんが私のこと玲菜って呼んでくれました!」
キャーと顔を赤くする甘夏さん改め玲菜さん
今までの地獄が嘘のようにお花畑に変貌したことによりクラスメイト達は知った。
ささやかな幸せはすぐに崩れ去りまたすぐ戻ってくるものであると
蒼汰も思い出した
パンダの主食の笹の花言葉は「ささやかな幸せ」であると
「蒼汰、お前ヒーローになったんだってよかったな」
「科夫よくねえよ。ずっと病院に居たからPX4のゲームできなかったんぜ」
「あーそっか病院居たんだもんな。モンアドの宴イベントとかも逃した感じか」
親友科夫と当たり障りのない話をしているとチラチラと視線を感じた。
「ん?視線が気になるのか?」
「まあな。とりあえずどんな感じで聞かされたのか教えてくれるか?」
「それがだな……」
科夫からの説明を聞くとこうだ。
先生からは甘夏さんが親のライバル業者からの反感を買い誘拐されその際一緒に誘拐された蒼汰がケガをしたと話し、甘夏さんたちは無事警察によって救出されたと聞かされた。
……が甘夏さんが学校に戻ってくると甘夏さんは蒼汰が誘拐犯から身を挺して護り誘拐犯を倒したと聞いたそうだ。
この世間に流した情報と当事者がもたらした情報の齟齬が噂の原因となっているらしい。
最初に聞いたときは甘夏さんのオマケとして連れてこられた蒼汰が見せしめにでもされてケガを負ったと判断したが甘夏さん本人の話を聞くと誘拐犯と戦って傷を負ったように聞こえたらしい。
「んで結局のところどうなんだ?俺の予想だとお前が屁狂絽《へきろ》さん化して襲撃犯撃退したと思うけどな」
「屁狂絽《へきろ》さん化?」
「俺が勝手に呼んでるけど、蒼汰ってさ花の手入れをしてる時とかいつもの細腕とは思えないくらい筋肉盛り上がってるんだよ」
屁狂絽《へきろ》さんとは銀太郎というアニメに出てくるネタキャラで花屋の店主にして泣く子も黙り恐怖のどん底に陥れるような顔と肉体を持つ自然に優しいキャラだ。
彼には花や虫に関することになると物理法則を無視した技を使うことからギャグマンガ最恐のネタキャラとして君臨した。
「へえ、まあ科夫の言ってる通りでだいたいあってるよ。なんか俺がキレたときにそうなったみたい」
「そうなったみたいってお前、もしかして怒ってるときに自分を見失うタイプかよ」
「うーん俺も詳しくは知らないけど周りの人が言うにはそうなってるらしい」
「一応桜の植え替えのときにサッカー部のビデオ頼まれてたから映ってるかもしれないし蒼汰が怒った時どんな状態か予想できるかもしれないから後で確認しておくわ」
「うん、お願い。でも大丈夫?確か上野動物園のコンクールが近いんでしょ」
科夫は写真部で映像なども取り扱っていることとから他の部活からよくカメラマンとして駆り出されることがある。
というのもプロには及ばないにしろ慣れた人間が撮った方が綺麗に取れるし文化祭の発表するときなどもカメラワークがしっかりしていた方が説明しやすいということもある。
そのため運動部、文化部問わず引っ張りだこなため年間で一番忙しいのは写真部だったりする。
もちろん写真部の活動も忘れずに行っているのだからブラックではないかと疑ってしまうレベルだった。
「部長が上野動物園の写真部門で優勝するとか言ってたからな。まあでも俺には最近撮ったばかりの秘蔵のコレクションがあるし大丈夫だろ」
「コレクションってなんだよ?パンダか?」
「ちっちっち、上野と聞いてパンダとは通ではないぞ蒼汰!これを見るがいい」
そこには三銃士のように4匹の象が鼻を天高く上げ集める仕草が映っていた。
「そしてこれは序の口、本命はこれだ!」
巨大な怪鳥があくびをしているシーンだった。
「これなに?」
「何とはなんだ。これはハシビロコウと言ってだな殆ど動かないことで有名な鳥なんだ。それのあくびシーンの画像はとても貴重なんだぞ!」
「ごめんニュースで見たかも」
(ほんとにニュースで取り上げられてる鳥です)
「上野動物園には他にもいろんな動物がいっぱいいる。さっき見せた象だって4頭も飼っているところは中々ないんだぞ」
「科夫、おまえ熱く語ってるけど去年までパンダだけ見とけばいいとか言ってなかったっけ?」
「ふ、俺もあの頃は若かったのさ」
一瞬朝なのに夕方に風景が切り替わり科夫が黄昏ているように見えたのは気のせいではないだろうか。
きっと退院明けで疲れていると思い周囲を見渡すとクラスメイトも目を擦るようなことをしていた。
そういえば、テストが近かった。きっとみんな勉強で目が疲れているんだろうと思った。
「あの頃は若かったって何があったんだ?」
「いやさあリンリンちゃんとかは可愛いしみんなの人気者だからさ笹とか持ってくれることあるけどずっと俺のこと見てくれるシュシュちゃんのことの方が好きになっちゃたんだよ」
「へえそんなに良いなら俺も一度行ってみようかな?」
クラスメイトたちは写真部の言葉には特に疑問を持つことなく各々読書なり勉強なりに集中しているのだが初めてその言葉を聞いた人物は黙っていなかった。
「いいぞう蒼汰も一緒に来いよかわいい子紹介してやるからよ!」
「ああ」
「随分楽しそうな話をしていますね」
教室の温度が氷点下に達したかのようにクラスの人間が震えだした。
「甘夏さん?」
「蒼汰さんに科夫さん随分楽しそうに女の子とお喋りすることの話をしていましたがお好きなんですか?」
「そうだよ甘夏さん、俺ら女子とむっちゃ楽しいことするんだ」
おい科夫、言い方考えろ!お前のせいで絶対なんか勘違いしてるだろ!!
蒼汰は玲菜がどういう意味で捉えたかを理解していた。そして奇しくも蒼汰が心の中でおもったことは科夫を除くクラスメイトたちも同じことを思っていた。
クラスの心が一つになった瞬間だった。
「そうですかそうですか」
なんで笑っていらっしゃるのかな
怖えよ!
「あ、甘夏さん」
「玲菜、蒼汰さんは玲菜とお呼びください」
「はい、玲菜さん」
あまりの怖さに屁狂絽《へきろ》さんの人格をもつ蒼汰もたじろいだ。
「れ、玲菜さん僕らが話してるのは動物園のことだよ」
「え?」
「そうだぞ俺が蒼汰と話してたのは動物園の可愛さを語っていたんだよ」
「し、失礼しました」
よかったぁ
そんな安堵からほっと胸をなでおろす蒼汰
「あ、でも蒼汰さんが私のこと玲菜って呼んでくれました!」
キャーと顔を赤くする甘夏さん改め玲菜さん
今までの地獄が嘘のようにお花畑に変貌したことによりクラスメイト達は知った。
ささやかな幸せはすぐに崩れ去りまたすぐ戻ってくるものであると
蒼汰も思い出した
パンダの主食の笹の花言葉は「ささやかな幸せ」であると
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる