オタク草食系男子は超肉食ヤンデレ宝石令嬢に美味しくいただかれます~純愛から狂愛へダイヤモンドの瞳は狙った獲物を逃さない~

スライム道

文字の大きさ
44 / 84

里芋の花言葉は「無垢の喜び」3

しおりを挟む
「今日は忍先生が生徒指導をしていますので副担任の私がホームルームをすることになります」

そういって来たのは教頭にして髪の毛が惑星ベジータの王、ベジータのような髪の毛と化している葉気野《ハゲノ》先生だ。

「忍先生が生徒指導するってことは一年か?」
「ああ、ちょいと口論になってたよ」
「口論か、日常茶飯事な気もするけどな。また部活の助っ人問題かなんか?」
「うちの学校は助っ人で行く万能生徒が多いのも問題な気もするけどそれがある意味優勝に繋がっていない理由だよな」

秀専学園はスポーツ系の強豪校の一つに数えられる学園であるが優勝したことは一度も無い。
理由は何故かと問われれば団結力が薄いからと運動部でない文系部活の人間は口をそろえて言うだろう。

「なんせ助っ人でほぼ成り立っているような阿保学校だからな」
「それ言ったらあれだけど、文系部活は優勝している連中もいるしな」
「ああ、そういえばeスポーツ部の連中は何か知らないけど工業系が出る技能五輪の建築、電工部門に出場したらしいぜ。しかも国際大会出場だってよ。あいつら普通に大会で優勝してるのにどこを目指してるんだか……」

呆れた様子で科夫は言うが蒼汰には共感性のある話題だった。

「eスポーツの連中はコンピュータ部の連中と違って趣味に生きる連中だし配線関係は綺麗にしたいと思っている連中だし俺も今年出る予定だからな」
「え?マジ!?」
「マジだよ」
「蒼汰さんそれはどういうことですか確か技能五輪は日本での開催は10月頃でしたよね?私は大会情報を見ても蒼汰さんの名前を見なかったのですが?」

甘夏さんが急に割り込んできた。
むしろ今までなぜ黙っていたのだろうとも思うがそれだけ大人になったのだろうか(遠い目(* ̄0 ̄))

「何で遠い目をしているのかは今は聞かないで置きますがうちのグループでは不動産業にも手を出しているので技能五輪は一種の指標にして扱っています。なのに私が知らないとはどういうことですか!」

「こらそこうるさいぞ」

流石に声が大きすぎたのか教頭からお叱りのお言葉が下る。

「てめえ黙ってろ。髪の毛抜かれたくなかったらとっとと失せろ」

突然の甘夏さんのドスの効いた声にクラスは騒然となるが教頭はもっと酷かった。

「す、すみませんでした!」

綺麗なジャンピング土下座とともに数少ない毛根を犠牲にしてまで頭を地面にこすりつけていた。
普段からこのような土下座を繰り返すことで禿げた、剥げたのではないかと思うくらいには必死の媚売りだった。

「必要事項を連絡したなら失せろ」
「はひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!」

しーんと静かになった教室

「それで蒼汰さんは何に出場で?」
「……ん、うん。言葉足らずでごめんねフラワー装飾の方に出場する予定だから甘夏さんが見ていた建築関係には入ってないよ」
「そうでしたか」
「まあでも蒼汰らしいものに出場するよな」
「うん、まあ親父は実際銀賞取ってるし俺もフラワー装飾技能士2級は最近取ったから受けてもいいかなと思ってさ」
「確か技能系って実務経験が必要なんだっけ?」
「ええ、先進国では基本そうですね。あとは技術校を卒業と同時に出してるところもあります。私のお母さんもフラワー装飾技能士の2級は持っているのである程度知っているつもりですが蒼汰さんも持っていたんですね」
「うん、2級までは実務経験なくてもできるし1級は働かないと取れないからね」

そこは企業によって変わるのだが業界的に見るなら蒼汰の実家のように花屋か冠婚葬祭の関連会社くらいしか需要が無いのもある。
サラリーマンの飲み会などで見る花は花屋に注文して活けたものだし冠婚葬祭の会社も花屋などに外部委託のケースもある。
もちろん資格の有無は判断材料には成りえるが1級まで取るのは実務経験で会社自体の精査などを国に申請が必要な場合もある。
基本は自己申請なため1級といっても実務経験はあてにならないのだ。

「まあうちでもプログラム系の資格持ちは優遇しているけど基本は契約社員だからな。資格持っててもやっぱ所詮試験だから結局実務だと労基に引っ掛かりやすいしむしろ資格持ってないやつの方ができてることもあるから一長一短だよな」

科夫の言葉をキリにチャイムが鳴った。

「とりあえず授業の準備をしようか……でも次の時間忍先生だし時間かかりそうだけどね」
「いや忍先生のことだから手っ取り早く証拠を親に突き付けておしまいってケースもありそうだけどな。学校は小規模社会を経験させるための場所であって人間性という超小規模社会を経験させる場所じゃありませんって親に言ってそう」
「確かに忍先生は去年の初受け持ちでモンスターペアレントを論破した人だから言いそうだな」
「ちょっとなんで蒼汰さんはこっちを見るんですか!」

思わず同じ狂気の人間として甘夏さんを見てしまったが素直に言ったら明日は何をされるかわからないので無視することにした。

「今絶対都合が悪くなったから無視しましたね!」

とりあえずクラスメイトたちは思った。

甘夏さんはマフィアかギャングだろうな
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

処理中です...