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里芋の花言葉は「無垢の喜び」3
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「今日は忍先生が生徒指導をしていますので副担任の私がホームルームをすることになります」
そういって来たのは教頭にして髪の毛が惑星ベジータの王、ベジータのような髪の毛と化している葉気野《ハゲノ》先生だ。
「忍先生が生徒指導するってことは一年か?」
「ああ、ちょいと口論になってたよ」
「口論か、日常茶飯事な気もするけどな。また部活の助っ人問題かなんか?」
「うちの学校は助っ人で行く万能生徒が多いのも問題な気もするけどそれがある意味優勝に繋がっていない理由だよな」
秀専学園はスポーツ系の強豪校の一つに数えられる学園であるが優勝したことは一度も無い。
理由は何故かと問われれば団結力が薄いからと運動部でない文系部活の人間は口をそろえて言うだろう。
「なんせ助っ人でほぼ成り立っているような阿保学校だからな」
「それ言ったらあれだけど、文系部活は優勝している連中もいるしな」
「ああ、そういえばeスポーツ部の連中は何か知らないけど工業系が出る技能五輪の建築、電工部門に出場したらしいぜ。しかも国際大会出場だってよ。あいつら普通に大会で優勝してるのにどこを目指してるんだか……」
呆れた様子で科夫は言うが蒼汰には共感性のある話題だった。
「eスポーツの連中はコンピュータ部の連中と違って趣味に生きる連中だし配線関係は綺麗にしたいと思っている連中だし俺も今年出る予定だからな」
「え?マジ!?」
「マジだよ」
「蒼汰さんそれはどういうことですか確か技能五輪は日本での開催は10月頃でしたよね?私は大会情報を見ても蒼汰さんの名前を見なかったのですが?」
甘夏さんが急に割り込んできた。
むしろ今までなぜ黙っていたのだろうとも思うがそれだけ大人になったのだろうか(遠い目(* ̄0 ̄))
「何で遠い目をしているのかは今は聞かないで置きますがうちのグループでは不動産業にも手を出しているので技能五輪は一種の指標にして扱っています。なのに私が知らないとはどういうことですか!」
「こらそこうるさいぞ」
流石に声が大きすぎたのか教頭からお叱りのお言葉が下る。
「てめえ黙ってろ。髪の毛抜かれたくなかったらとっとと失せろ」
突然の甘夏さんのドスの効いた声にクラスは騒然となるが教頭はもっと酷かった。
「す、すみませんでした!」
綺麗なジャンピング土下座とともに数少ない毛根を犠牲にしてまで頭を地面にこすりつけていた。
普段からこのような土下座を繰り返すことで禿げた、剥げたのではないかと思うくらいには必死の媚売りだった。
「必要事項を連絡したなら失せろ」
「はひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!」
しーんと静かになった教室
「それで蒼汰さんは何に出場で?」
「……ん、うん。言葉足らずでごめんねフラワー装飾の方に出場する予定だから甘夏さんが見ていた建築関係には入ってないよ」
「そうでしたか」
「まあでも蒼汰らしいものに出場するよな」
「うん、まあ親父は実際銀賞取ってるし俺もフラワー装飾技能士2級は最近取ったから受けてもいいかなと思ってさ」
「確か技能系って実務経験が必要なんだっけ?」
「ええ、先進国では基本そうですね。あとは技術校を卒業と同時に出してるところもあります。私のお母さんもフラワー装飾技能士の2級は持っているのである程度知っているつもりですが蒼汰さんも持っていたんですね」
「うん、2級までは実務経験なくてもできるし1級は働かないと取れないからね」
そこは企業によって変わるのだが業界的に見るなら蒼汰の実家のように花屋か冠婚葬祭の関連会社くらいしか需要が無いのもある。
サラリーマンの飲み会などで見る花は花屋に注文して活けたものだし冠婚葬祭の会社も花屋などに外部委託のケースもある。
もちろん資格の有無は判断材料には成りえるが1級まで取るのは実務経験で会社自体の精査などを国に申請が必要な場合もある。
基本は自己申請なため1級といっても実務経験はあてにならないのだ。
「まあうちでもプログラム系の資格持ちは優遇しているけど基本は契約社員だからな。資格持っててもやっぱ所詮試験だから結局実務だと労基に引っ掛かりやすいしむしろ資格持ってないやつの方ができてることもあるから一長一短だよな」
科夫の言葉をキリにチャイムが鳴った。
「とりあえず授業の準備をしようか……でも次の時間忍先生だし時間かかりそうだけどね」
「いや忍先生のことだから手っ取り早く証拠を親に突き付けておしまいってケースもありそうだけどな。学校は小規模社会を経験させるための場所であって人間性という超小規模社会を経験させる場所じゃありませんって親に言ってそう」
「確かに忍先生は去年の初受け持ちでモンスターペアレントを論破した人だから言いそうだな」
「ちょっとなんで蒼汰さんはこっちを見るんですか!」
思わず同じ狂気の人間として甘夏さんを見てしまったが素直に言ったら明日は何をされるかわからないので無視することにした。
「今絶対都合が悪くなったから無視しましたね!」
とりあえずクラスメイトたちは思った。
甘夏さんはマフィアかギャングだろうな
そういって来たのは教頭にして髪の毛が惑星ベジータの王、ベジータのような髪の毛と化している葉気野《ハゲノ》先生だ。
「忍先生が生徒指導するってことは一年か?」
「ああ、ちょいと口論になってたよ」
「口論か、日常茶飯事な気もするけどな。また部活の助っ人問題かなんか?」
「うちの学校は助っ人で行く万能生徒が多いのも問題な気もするけどそれがある意味優勝に繋がっていない理由だよな」
秀専学園はスポーツ系の強豪校の一つに数えられる学園であるが優勝したことは一度も無い。
理由は何故かと問われれば団結力が薄いからと運動部でない文系部活の人間は口をそろえて言うだろう。
「なんせ助っ人でほぼ成り立っているような阿保学校だからな」
「それ言ったらあれだけど、文系部活は優勝している連中もいるしな」
「ああ、そういえばeスポーツ部の連中は何か知らないけど工業系が出る技能五輪の建築、電工部門に出場したらしいぜ。しかも国際大会出場だってよ。あいつら普通に大会で優勝してるのにどこを目指してるんだか……」
呆れた様子で科夫は言うが蒼汰には共感性のある話題だった。
「eスポーツの連中はコンピュータ部の連中と違って趣味に生きる連中だし配線関係は綺麗にしたいと思っている連中だし俺も今年出る予定だからな」
「え?マジ!?」
「マジだよ」
「蒼汰さんそれはどういうことですか確か技能五輪は日本での開催は10月頃でしたよね?私は大会情報を見ても蒼汰さんの名前を見なかったのですが?」
甘夏さんが急に割り込んできた。
むしろ今までなぜ黙っていたのだろうとも思うがそれだけ大人になったのだろうか(遠い目(* ̄0 ̄))
「何で遠い目をしているのかは今は聞かないで置きますがうちのグループでは不動産業にも手を出しているので技能五輪は一種の指標にして扱っています。なのに私が知らないとはどういうことですか!」
「こらそこうるさいぞ」
流石に声が大きすぎたのか教頭からお叱りのお言葉が下る。
「てめえ黙ってろ。髪の毛抜かれたくなかったらとっとと失せろ」
突然の甘夏さんのドスの効いた声にクラスは騒然となるが教頭はもっと酷かった。
「す、すみませんでした!」
綺麗なジャンピング土下座とともに数少ない毛根を犠牲にしてまで頭を地面にこすりつけていた。
普段からこのような土下座を繰り返すことで禿げた、剥げたのではないかと思うくらいには必死の媚売りだった。
「必要事項を連絡したなら失せろ」
「はひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!」
しーんと静かになった教室
「それで蒼汰さんは何に出場で?」
「……ん、うん。言葉足らずでごめんねフラワー装飾の方に出場する予定だから甘夏さんが見ていた建築関係には入ってないよ」
「そうでしたか」
「まあでも蒼汰らしいものに出場するよな」
「うん、まあ親父は実際銀賞取ってるし俺もフラワー装飾技能士2級は最近取ったから受けてもいいかなと思ってさ」
「確か技能系って実務経験が必要なんだっけ?」
「ええ、先進国では基本そうですね。あとは技術校を卒業と同時に出してるところもあります。私のお母さんもフラワー装飾技能士の2級は持っているのである程度知っているつもりですが蒼汰さんも持っていたんですね」
「うん、2級までは実務経験なくてもできるし1級は働かないと取れないからね」
そこは企業によって変わるのだが業界的に見るなら蒼汰の実家のように花屋か冠婚葬祭の関連会社くらいしか需要が無いのもある。
サラリーマンの飲み会などで見る花は花屋に注文して活けたものだし冠婚葬祭の会社も花屋などに外部委託のケースもある。
もちろん資格の有無は判断材料には成りえるが1級まで取るのは実務経験で会社自体の精査などを国に申請が必要な場合もある。
基本は自己申請なため1級といっても実務経験はあてにならないのだ。
「まあうちでもプログラム系の資格持ちは優遇しているけど基本は契約社員だからな。資格持っててもやっぱ所詮試験だから結局実務だと労基に引っ掛かりやすいしむしろ資格持ってないやつの方ができてることもあるから一長一短だよな」
科夫の言葉をキリにチャイムが鳴った。
「とりあえず授業の準備をしようか……でも次の時間忍先生だし時間かかりそうだけどね」
「いや忍先生のことだから手っ取り早く証拠を親に突き付けておしまいってケースもありそうだけどな。学校は小規模社会を経験させるための場所であって人間性という超小規模社会を経験させる場所じゃありませんって親に言ってそう」
「確かに忍先生は去年の初受け持ちでモンスターペアレントを論破した人だから言いそうだな」
「ちょっとなんで蒼汰さんはこっちを見るんですか!」
思わず同じ狂気の人間として甘夏さんを見てしまったが素直に言ったら明日は何をされるかわからないので無視することにした。
「今絶対都合が悪くなったから無視しましたね!」
とりあえずクラスメイトたちは思った。
甘夏さんはマフィアかギャングだろうな
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