オタク草食系男子は超肉食ヤンデレ宝石令嬢に美味しくいただかれます~純愛から狂愛へダイヤモンドの瞳は狙った獲物を逃さない~

スライム道

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里芋の花言葉は「無垢の喜び」4

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「こらこらまた甘夏が暴走したのか?ベジータ頭が嘆いていたぞ」
「先生、ベジータ頭とは何ですか?」
「なんだよお前らジャパニーズポップカルチャーをわかってないな。あれだよZになってくると出てくるキャラの頭のことをそういうんだよ。勉強ばかりにカマかけても社会じゃ面倒ごとをあしらえないぞ」

ベジータ頭に苦笑いを浮かべたのはほんの数人であとは基本的にクエスチョンマークを浮かべていた。
最後に言った言葉に関しては嘲笑気味の笑いを浮かべる人の方が多かった。

「おまえらな嘲笑するのは良いけど飲み会は断らない人になるぞ。飲み会なんてただの上司のご機嫌取りだし基本は実質パワハラなんだよ」

お、おお、社会の闇が見える。

蒼汰も一応収入を持っているため多少の社会人付き合いはある。
今まで未成年を理由に参加して来なかった飲み会なども乗り気で無い人は蒼汰に愚痴をSNSを通じて零していたりしたのでそれなりに解っているつもりではあったが忍先生の表情、オーラを見てしまうと自分も行きたく無くなってしまう。

「でも先生は新人なのにもう生徒指導教員になってるじゃない」
「そんなもん飲みの時にアルハラ、パワハラにして校長、理事長に書類提出してなっただけだし私以外の新任教師は未だノミハラから抜け出せてねえんだよ。だからよ自分が社会情勢は隅々まで把握してあしらい方を探すんだよ。趣味でも良いしとにかく自分にとってどちらが有意義かを見せつけるんだ。理解されなくても良い。見下されたら速攻パワハラで訴えればいいんだからな…おっともう時間が無い。授業を始めるぞ」

生徒たちは教科書を開き出す。

◇◇◇◇

お昼休みになると生徒たちは基本的には食堂に向かう。
お弁当を持ってくるのは余程の物好きか特待生くらいしか居ない。
だから教室はガラガラだ。

「あれ?科夫も今日は弁当か?珍しいな」
「ああ、そうなんだよ。つい最近結婚が決まってさ。そのお嫁さんが俺に弁当を作ってくれたんだ」
「嫁って……金持ちの結婚は早いって聞くけど凄いな」
「何言ってるんだ。うちの学校じゃ殆どが許嫁持ちで高校在学中に結婚するような奴らばっかりだぜ」

「ほほう、それは良いことを聴きました」
「残念法律が改正されてなければ蒼汰君と結婚できたのに……」

どうやら蒼汰の周囲に居る者たちにとってのNG《ヤンデレスイッチ》ワードを言って《押して》しまったようだ。
蒼汰争奪戦争の起爆剤を放り込んだ科夫は嬉しそうに弁当箱を開け里芋を摘まんでいた。

まるで幼い少年が好物を入っていたことを喜ぶような表情で……

里芋の花言葉は「無垢な喜び」

科夫の恋人である忍先生は科夫小さいときの好物が自分が初めて調理実習で作った里芋の煮物だということを覚えていたから入れてあることを蒼汰は知らない。
そもそも忍先生と科夫が恋人関係なことすらも全ては鬼灯《ホオズキ》の中に包まれている
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