オタク草食系男子は超肉食ヤンデレ宝石令嬢に美味しくいただかれます~純愛から狂愛へダイヤモンドの瞳は狙った獲物を逃さない~

スライム道

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ヨモギの花言葉は「幸福」4

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「……ん…ここは………?」

知らない天井だ。
と思ったらリビングだった。

まだまだ引っ越してから日の浅い新居では見慣れない天井の方が多い。
だが俺の頭に乗せてあるクッションは知らない。

この弾力といい柔らかさと良い。

むにゅむにゅ

「あん♡」

ふむ。

むにゅむにゅたゆんたゆん

「って!そこは恥ずかしがるんじゃないんですか!」
「いや、とりあえず呼吸がしづらいから邪魔な極上のクッションを退けようとしただけなんだけど?」
「わたしの胸は邪魔な極上のクッションですか、褒められているような褒められていないような複雑な気持ちです。…というか乙女の身体を弄んだんです!責任とってください!!」
「なぜ?弄ばれるようなことをした甘夏さんにも問題があるのでは?」
「そうだよ、偶々順番のときに蒼汰君が目覚めたからって恩着せがましすぎるよ」

来夢さんがスポーツドリンクのペットボトルを持って話に割ってきた。
良くみれば2人ともお風呂に上がりなのか少し汗ばんでいて来夢さんの髪は濡れていた。

「来夢さんは髪を乾かさなくていいの?」
「うんうん(フルフル)、私は髪が短いしいつもしてないから大丈夫だよ。それよりウォーターエリアス飲んで」

そういって玲菜と蒼汰の居るソファーの前に座る。

来夢さんは短髪のためドライヤーをするのを嫌ったらしい。
男子からしてみれば充分長いのでドライヤーは必須のように見えるが本人が良いと言っているから大丈夫だろう。
来夢さんからスポーツドリンクを受け取りゆっくりと飲む。

「来夢さん、いくらボブカットで短髪とはいえ髪を乾かさないのは同じ乙女として関心しませんよ」
「ううぅ、ママにも言われてはいるんだけど…ね」
「ね、じゃありません。きちんと髪を乾かさないと将来の髪のボリュームが減ってしまう可能性がありますし雑菌も繁殖しやすいですからきちんと乾かしてください。蒼汰さんに臭いって言われたく無いでしょう」
「わかった今からドライヤーかけてくる。蒼汰君ドライヤー借りてもいい?」
「いいよ」
「ちょっと待ちなさい」

速攻で洗面台で行こうと立ち上がろうとした来夢さんの襟をつかむ。
そのまま来夢さんは転倒し蒼汰の胸に飛び込む。

「ぐふぇ」
「あ、蒼汰さん大丈夫ですか?」
「大丈夫だけど来夢さんは大丈夫」
「ダイジョブ、けど玲菜さん急に何するの?」
「何勝手に蒼汰さんの私物を借りようとしているんですか!なんて羨ま……ではなくて男性のドライヤーと女性の扱うドライヤーでは根本的な部分が異なる場合があります。ですから私が持ってきたのを使ってください」
「あー確かにね。僕のはドンキーチンパンジーの安物だしマイナスイオンとかそういうのは出ないから甘夏さんのを使った方がいいと思うよ」

ドライヤーは乾けばいいと思っているし偶に出る寝癖を直すために買ったものに過ぎないので手入れもそこまで頻繁にしていない。
甘夏さんはカバンからあの変わらない吸引力で有名な掃除機メーカーが出している無翼ドライヤーを取り出した。

「これを使ってください。これなら温風でもダメージは少ないですしマイナスイオンは出ないですが無翼ですのでそこまで埃も入りません」
「これって確か諭吉が5枚がいくお値段だよね」
「蒼汰さんも知ってるんですか?」
「うんリスナーさんが使ってるんだ」
「そういえばポケットの中のモンスター実況のコメント欄でドライヤー見たいって言ったときに私の使ってるダインソドライヤーで再現できますかねって書いてた人が居たよね。私と同じ古参のリスナーだったから覚えてるけど」
「最初にチャンネル登録してくれた人だったから良く覚えているけどあの人良くコメントしてくれるからね。とっても大事なファンだよ」
「じゃあ私はドライヤーしてくるね」

そういって来夢さんは去っていった。

「じゃあ僕もいったんお茶でも煎れようかな」
「私が淹れますよ?まだお身体の方が優れないでしょうし」
「大丈夫大丈夫、だいぶ楽になったからさ今日もこれから編集作業があるし自分の好みに入れたいから」

キッチンに向かいお茶用やかんに茶葉を入れそのまま湯を沸かし茶葉からエキスを煮出す。

「私と蒼汰さんの言い方に語弊がありましたね」
「淹れると煎じるの違い?」
「はい、それにこれはまたヨモギですか?とてもお好きなんですね」
「ヨモギというか薬草全般が好きなんだよね。タンポポコーヒーとかも偶に作ったりするし慣れるととても病みつきになるんだ」
「お母さんも薬草茶というかドクダミ茶が好きなんですけど私やお父さんは遠慮がちなんですよね」
「あれは初めて飲む人にはきついでしょ」

そういってお茶を沸かしているうちに来夢さんが戻ってきた。

「もう起きて大丈夫なの?」
「うん大丈夫だよ。来夢さんもヨモギ茶飲む?」
「うん、これ飲んだら帰るね。蒼汰君はこれからお仕事でしょう。玲菜さんは鎖で縛ってでも連れて行くから安心してね」

精力増強効果はもう切れたのか二人とも顔色は若干赤みがかっているものの問題なさそうだった。
それに来夢さんが縄に括り付けてと言わないあたり意思の硬さを感じるので信じてよさそうだ。

「じゃあお茶を飲もうか」
「いただきます」
「ご相伴《しょうばん》に預かります」

ずずずっと音を経てる

「ふふふ(*´艸`*)」
「(* ̄▽ ̄)フフフッ♪」
「どうしたの二人とも笑って」

「幸福を味わっていただけだよ」
「そうですよヨモギの花言葉のようにね」

お茶を飲み終わると二人は帰っていった。
どこからか得た幸福を噛みしめながら……
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