カピバラ異世界温泉郷~勇者は女湯を覗いていたので出禁にしたら、戦争仕掛けてきてカピバラが魔王と呼ばれるまで~

スライム道

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「いらっしゃい。お、青磁君今週は出張か何か入っているのかい?おや後ろの人たちは……。」

店に入るとすぐにマスターが出迎えてくれた。
岡田と実さんも目礼しようとしたが固まっていた。

「すまんマスター、説明はしてないんだ。」

「ちょっと、まあいいけど。じゃあいつものセットでいいかな?」

「うん、頼むわ。」

このマスターは顔が厳ついのだ。
厳つい顔からは似ても似つかない高い声にさらに驚いてほとんど客は来ないが店の味を知るとマスターのことを気にしない客はどんどん来る。

「ほら二人とも席に座るから動けな。」

「「あ、はい。」」

しばらくするとすぐにコーヒーとガレッドをマスターが持ってきた。
その間二人は放心していた。
ここってやっぱり若い人に敷居が高く感じるのかね。

「はいお待たせ。」

「お、とりあえず、コーヒーも来たことだしなんの相談か教えてもらっても良いかな?」

「あの実は相談というのは恋の相談なんです。」

「恋の相談?」

何で万年彼女いない歴イコール年齢の俺にそんなことを振るんだ?
っていうか岡田の彼女じゃなかったの?
あれ?岡田って確か別に彼女が居たような……

「何で俺なんだ?岡田の方が知っていそうなものだが……?」

「青磁課長、俺には確かに彼女が居ますけど、実さんとは状況が違い過ぎるんですよ。」

「私、昔転勤族だったお兄さんのことが忘れられないんです。」

へえ、俺も確かに転勤族の家系だったから共感はできる。
でも転勤族の子って浅くするタイプが多いし交流関係意外と狭くする子も多いんだよね。
そうなると……

「探すのは困難だと思うけど一応その辺は大丈夫なの?」

「一応居場所は分かったんですけど、そこからどう踏み込めばいいかわからなくて。」

「それを俺に聞かれても困るんだけど……。」

「青磁課長以外に子どものころからの転勤族って人は居ないじゃないですか。」

転勤族の人は大抵出世街道を走っている人と相場が決まっており大学は居る辺りには落ち着いたが仕事に就くなり俺自身が転勤族となったときは苦労した。
ある意味で転勤族のスペシャリストみたいな存在だ。
しかし俺は陰キャで通っており最低限の付き合いしかできない。
何故二人が俺に強く推すのかが謎だ。

「そんなこと言われてもな。
 最低限の付き合いしかしてこなかったし人付き合い自体が面倒になってる転勤族の人間もレアケースだと思うけどな。」

「そんな青磁課長みたいな人なんですけど、その人は昔太っていた私を勇気づけてくれて今みたいに綺麗に成れたキッカケの人なんです。」

「そうなのか。
 まあ俺が言えるのはそこまで言っていると既に独り身の方が心地良く感じているんじゃないかな?」

俺がそうだし。
その人物のことを知ろうとしても妬もうともせずとも俺が出せる答えはこのくらいだと思いそう話してみたのだが、

「あれ?」

視界が暗転した。
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