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「質問カピ!王の右腕を長期間活用した王は居るカピか?」

《問、王の右腕を活用した王は存在するのか。解、存在しません。廃棄またはキャンセルしています。》

あーやっぱり、自分の知らない知識を多く持っているって時点で王ってものを名乗るスキルについているんだから覇道というなの我道を進むやつらと相場が決まっている。
そんな奴らとこの性格じゃあ頼りにされんわな。

「うん、わかったカピ。王の右腕さんの名前は《ヘラ》にするカピ。」

王の右腕、神の右腕としても名高い女神を彼女名前にした。
ヘラとゼウスは夫婦なのに仲が悪いことでも有名だ。
事あるごとに夫婦喧嘩をしている。
でも心の中ではゼウスを愛しているからこその行動をする人物でもある。

事あるごとに王と仲たがいをしてこそいるが王とは全く別の視点を見ることのできる彼女にぴったりだと思った。

《王の右腕に名づけが行われました。これにより固有スキルの構成を開始します。固有スキル名、《ヘラ》構築開始。宿主の記憶からサンプルを算出、サポートいたします。》

頭の中に彼女のイメージが入っていく。
だが突然彼女のイメージの情報がなくなった。

《宿主の階位不足により固有スキル化のうち90%を封印状態で行います。》

「結局俺のレベルが足りねえってことカピか。」

口調がだんだん悪くなってきている気がするがこのプリティーボディをもってすれば俺の全てが可愛く見えるので問題無しだ。

《はい、その通りです。階位に関しましては王個人の強さや民の質によって変異いたします。》

「なんか口調が緩くなったカピね。」

《当然でございます。王の右腕史上初の固有スキル化を行っていただいたのです。感謝こそあれど不満など一切ございません。宿主と円滑なコミュニケーションを取るために感情を獲得いたしました。》

「でも異世界初心者のカピに、んカピよ?」

異世界、異世界、異世界だとおぉぉぉぉ!!!!
さらっと今まで流していたけど、ここアメリカでも無ければ地球でもないとは驚いた。

「ここは地球ですら無かったカピか……。」

《はいこの世界は12の大陸と13の大海洋からなる巨大な星でございます。この星には地球とは違いその大きな星の重力に対抗させるために魔力物質が生成されております。地球でも恐竜時代までは生成されていましたが宿主の時代ではほぼ皆無に等しいくらいに枯渇していました。》

「もう通勤時に女子高生の見えそうで見えないスカートを見ることはできないカピね。」
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