上 下
11 / 12

しおりを挟む
「生きるのに夢が欲しかった。」

「そうか。」

「もう仕事に移る。」

「夜間も仕事するのか。
 なら、引率として私も行く。
 泊りはまだ許可が下りないから納得はしろよ。」

「なら僕も行かせて!」

「休んでいた方が良いんだけどな。」

「えー私一人でお留守番ですか。」

 現場責任者が居なくなってどうするのや。
 と叫んでいた受付嬢を無視して、もっと強さを求めて別のダンジョンに向かう。

 次に向かうダンジョンは榴ヶ岡ダンジョンからやや歩いた場所にある。

「おい、ここダンジョンじゃねえだろ。」

 某ビルの建築図面には載っていない地下施設。
 所謂非合法な施設だ。

「ここはダンジョンの一つ。
 国もダンジョンとして認知はしている。
 ダンジョン内は領土ではないから合法的な施設であってる。」

「なんで成り立てのお前さんが知っているか深くは喋らないが、ここは他よりも荒っぽいぞ。」

 しれっと行ったことのある悪い大人代表ヤンキー春。

「うおー!
 筋肉凄ーい!」

 1人ボディービルの大会見たいなノリの子がいるが除外する。

「ここは縛りが少ないことで有名だが、他よりも治療する設備がまともに揃っていないぞ。
 ◯分町の方がいいんじゃないか?
 異性とよ出会いもあるし。」

「えーナニナニ!
 ◯分町って彼氏作れるの!」

 -.-. .- -. .----. - / -.-- --- ..- / --. . - / .- / -... --- -.-- ..-. .-. .. . -. -.. ..--.. / -.-- --- ..- .----. .-. . / .-.. -.-- .. -. --. --..-- / -.. ..- -.. . .-.-.-
 Can't you get a boyfriend?
 You're lying, dude.

「お前、彼氏作れねえのか。
 嘘だろ、おい。」

 私と春さんの考えが一致した。
 あのあざとさでできないとか。
 マジで友達って面が強すぎて告白とかされなかったんか。

「僕彼氏なんてできたこないよ?」

「そ、そうか。
 まあ、お前さんは行かなくていい。
 理解できる奴が行かないと警察を呼ぶだけだからな。」

「ほへぇー。
 大人は難しい!」

【少女Aの対戦相手は決まりました。】

 出番のようだ。

「少女Aの相手をするのは歩く殺戮兵器狼牙流鎌術総師範代クアトロだ!」

「けけけ、狩ってやるぜ。」

 鎌に舌ベラを垂らしながら笑う男が対戦相手。
 危ないし、錆びるし、病気になりそう。

 何よりも。

「ダンジョン下で最強とされる銃の物量攻撃を物ともしない素早い鎌に少女Aはどう対応するのか。
 オッズは現状200倍だ!」

 尚、私自身に手持ちの全金額を賭けているので負けられない戦いである。
 
「切り刻んでやんよー。」

 踏み込みは確かに早い。
 これならば物量の銃も狙いづらいし、面で攻撃しなければ当たることもないだろう。
 他には足に何か仕込んでいること。

 それに注意して鎌を相手に向けた。
 あっさり倒れた。
 血は噴き出るが致命傷にはならないように調整したから大丈夫。

「おっと、ラッキーパンチか?」

「おいおい、クアトロ何やってんだよ。」

「おっと少女Aの希望によりさらに次の相手が組まれている。
 次は....」
しおりを挟む

処理中です...