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第七章 遺跡に繋がるもの
地下室の模様の正体
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――古城トーワ・地下
トーワ一階の南西部分に、地下へと続く階段がある。
ゴリンたちが来るまで階段手前の壁は自然光をふんだんに届ける隙間だらけの壁であったが、今では壁も修復されているため、階段周辺はあまり日の当たらない薄暗い場所となっている。
そんな薄暗い場所からさらに地下へ潜った場所にある部屋の壁に、何か怪しげなものが描かれているらしい。
そうだというのに、エクアとフィナは意気揚々と階段へ向かっていく。
興味が前面に出て、呪いに対する恐怖や不気味さというものを全く感じていないようだ。
「二人とも、危険があるかもしれないから、もう少し落ち着いたらどうだ」
「危険があったらゴリンって人が大変なことになってるでしょっ」
「そうですよ。どんな模様なのかなぁ~」
「駄目だ。浮かれて何も聞こえちゃいない」
「ふふふ、ケントといい、銃といい、次から次におもしろそうな話が飛び出すじゃない。来てよかった」
「模様ってどんな感じかな? トーワから人がいなくなってから、百年くらい? あの頃の主流は大胆なデフォルメ画だったから、何かを題材にしたとても奇妙な模様かも……」
はしゃぐ二人の少女。
私は小さな子どもを引率するような気分で地下へ向かった。
石製のブロックで作られた階段を降りて、地下の部屋の扉の前に立つ。
扉は鉄製で錆びついているが、取っ手を引くと難なく開いた。
錆により、扉は劈くような悲鳴を轟かす。
部屋内部は地下のため暗い。
そこでフィナがナルフを飛ばし、天井部分で発光させて、部屋全体に光を降り注いだ。
彼女の持つナルフはとても高性能なのか、部屋の隅々まで光が届く。
部屋はかなり広く、また天井も高く、フィナの研究室としては十分。
室内には古びた机とその上に古ぼけたランプが置いてあるだけで、元々何に使用していた部屋なのかはわからない。
そして、正面奥に広がる壁。
そこにはゴリンが言っていた、奇妙な模様が描かれてあった。
エクアはそれらを目にして、首をかしげる。
「あれ? 絵、とは違う感じがしますね。図形? 周りには文字? でも、こんな文字見たことないですし? これは一体……?」
と、エクアは私とフィナへ顔を向ける。
だが、私たちは言葉を失い、茫然と壁を見続けるのが精一杯だった。
フィナは一歩前に出て、壁の模様を舐めるように見る。
「エクア、これは図形でも絵でもない。でも、文字は合ってる。なかなかの観察眼ね」
「文字なんですか、これが?」
「私も文字自体の意味は詳しく知らない。だけど、これは数式ね。この図形は何かの設計図、たぶん」
フィナは壁に近づき、目を何度も左右に往復させている。
「魔力のエネルギー量を測る計算式? 設計図は何らかの媒体に魔力を吸着させるもの?」
彼女のこの言葉を聞いて、私は思わず眉をピクリと動かしてしまった。
フィナはそれを見逃さない。
「ケント。あんたにはこれがなんなのかわかっているのね?」
「それは……」
「機密事項って言うつもりだろうけど、話せるところ話しなさいよ。全部だんまりなら、これを実践派の錬金術士にばら撒いて解読させてやる!」
「ここで脅しとは、見上げたものだ」
「ケント、茶化さないでっ。これはなんなのっ? どうして、ここに彼らの文字があるの!?」
彼女は声を荒げ、私から視線を切り、再び壁に描かれた模様を食い入るように見つめた。
私もまた、銀の瞳に焼きつけるように模様を見つめる。
壁に書かれていたのは…………アラビア数字とアルファベット。
スカルペルの言語ではない、地球の言語だった……。
トーワ一階の南西部分に、地下へと続く階段がある。
ゴリンたちが来るまで階段手前の壁は自然光をふんだんに届ける隙間だらけの壁であったが、今では壁も修復されているため、階段周辺はあまり日の当たらない薄暗い場所となっている。
そんな薄暗い場所からさらに地下へ潜った場所にある部屋の壁に、何か怪しげなものが描かれているらしい。
そうだというのに、エクアとフィナは意気揚々と階段へ向かっていく。
興味が前面に出て、呪いに対する恐怖や不気味さというものを全く感じていないようだ。
「二人とも、危険があるかもしれないから、もう少し落ち着いたらどうだ」
「危険があったらゴリンって人が大変なことになってるでしょっ」
「そうですよ。どんな模様なのかなぁ~」
「駄目だ。浮かれて何も聞こえちゃいない」
「ふふふ、ケントといい、銃といい、次から次におもしろそうな話が飛び出すじゃない。来てよかった」
「模様ってどんな感じかな? トーワから人がいなくなってから、百年くらい? あの頃の主流は大胆なデフォルメ画だったから、何かを題材にしたとても奇妙な模様かも……」
はしゃぐ二人の少女。
私は小さな子どもを引率するような気分で地下へ向かった。
石製のブロックで作られた階段を降りて、地下の部屋の扉の前に立つ。
扉は鉄製で錆びついているが、取っ手を引くと難なく開いた。
錆により、扉は劈くような悲鳴を轟かす。
部屋内部は地下のため暗い。
そこでフィナがナルフを飛ばし、天井部分で発光させて、部屋全体に光を降り注いだ。
彼女の持つナルフはとても高性能なのか、部屋の隅々まで光が届く。
部屋はかなり広く、また天井も高く、フィナの研究室としては十分。
室内には古びた机とその上に古ぼけたランプが置いてあるだけで、元々何に使用していた部屋なのかはわからない。
そして、正面奥に広がる壁。
そこにはゴリンが言っていた、奇妙な模様が描かれてあった。
エクアはそれらを目にして、首をかしげる。
「あれ? 絵、とは違う感じがしますね。図形? 周りには文字? でも、こんな文字見たことないですし? これは一体……?」
と、エクアは私とフィナへ顔を向ける。
だが、私たちは言葉を失い、茫然と壁を見続けるのが精一杯だった。
フィナは一歩前に出て、壁の模様を舐めるように見る。
「エクア、これは図形でも絵でもない。でも、文字は合ってる。なかなかの観察眼ね」
「文字なんですか、これが?」
「私も文字自体の意味は詳しく知らない。だけど、これは数式ね。この図形は何かの設計図、たぶん」
フィナは壁に近づき、目を何度も左右に往復させている。
「魔力のエネルギー量を測る計算式? 設計図は何らかの媒体に魔力を吸着させるもの?」
彼女のこの言葉を聞いて、私は思わず眉をピクリと動かしてしまった。
フィナはそれを見逃さない。
「ケント。あんたにはこれがなんなのかわかっているのね?」
「それは……」
「機密事項って言うつもりだろうけど、話せるところ話しなさいよ。全部だんまりなら、これを実践派の錬金術士にばら撒いて解読させてやる!」
「ここで脅しとは、見上げたものだ」
「ケント、茶化さないでっ。これはなんなのっ? どうして、ここに彼らの文字があるの!?」
彼女は声を荒げ、私から視線を切り、再び壁に描かれた模様を食い入るように見つめた。
私もまた、銀の瞳に焼きつけるように模様を見つめる。
壁に書かれていたのは…………アラビア数字とアルファベット。
スカルペルの言語ではない、地球の言語だった……。
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