253 / 359
第二十二章 銀眼は彼に応え扉を開く
マイペースな芸術家
しおりを挟む
前触れもなくトーワへ訪れた、絵画界の巨匠サレート=ケイキ。
細長の四角眼鏡をかけた優男は相も変わらず薄汚れた灰色の薄着の上に緑色のジュストコールを着用し、先端がカールを巻いた長めの茶髪を深緑のベレー帽で押さえるといった変わった出で立ちをしていた。
彼は呆気にとられるフィナやエクアの様子など気にすることもなく、眼鏡の奥の紫の瞳を輝かせて演者のように大仰な仕草をとりながら語り始める。
「あはは、ようやくアグリスでの仕事が終わってねっ。自由な時間が生まれたんだよ、エクアさん!」
「え、はぁ、そうなんですか? えっと、それで今日はどのようなご用向――」
「戦争、やるじゃないかっ。まさか、アグリスに勝利するなんて!」
「え? はい、なんとか」
「いやいやいや、領主ケント=ハドリー様、素晴らしい! あのアーガメイトのご子息なだけある。うん? ケント様は?」
「今は私用で、お出かけに」
「そうなのかい? 戦勝祝いにラスパのウイゲラワインをお持ちしたんだけどね!」
そう言って、サレートは風が巻き起こすが如くジュストコールを大きく払った。
すると、そこから七色の光が飛び出し、光は変化を遂げてワインボトルとなった。
彼はそれを後ろにいた親父に渡す。
「そこのあなた。ケント様がお帰り次第、これを献上してくれるかい?」
「ええ、わかったが……そこのあなたって、会ってすぐに名を名乗ってここまで案内したのは俺だろうに……」
まったくもってサレートに興味を抱かれていない親父は軽く頭を掻いてぼやく。
執務机に座るフィナはワインボトルに視線をぶつけ、今の現象について大きく声を飛ばす。
「今のって、錬金術!? しかも、空間の!」
「うん? ははぁ、君が噂の錬金術士だね。ケント様の片腕だそうで」
「片腕? 別にあいつの部下でもないけど。ま、仲間ってところよ」
「ふふ~ん、そうなのかい。しかし、まだ若くあるけど見事な才を持っているようだね。アグリスの門の魔導機構をいともたやすく乗っ取り、一部とはいえ呪われた大地を浄化するなんて」
どうやらサレートは、フィナのことを実践派の長とは知らないようだ。
一介の若い錬金術士として彼女を褒めている。
「それはどうも。で、あんた何者? 空間を操るなんて、相当上位の錬金術士よ。少なくとも私は実践派の中で画家をやっている上級錬金術士なんて知らないけど」
「ふふふ、元は理論派だからね。途中で実践派に興味を持って学んでいるのさ。実践派は理論派と違い、学問の門が広いから」
「なるほど、鞍替え組ってわけね。ま、あいつらみたいに偏狭な考え方で知識を独占しないのが実践派だもんね」
「ふふ、素晴らしい考え方だ。知識は伝播することにより、様々な価値と交わり、変化を遂げていく。芸術もまたそう! 数多の芸術的視野が混じり合い、溶け合い、そこから新たな芸術が生まれるんだ!!」
サレートは独擅場とばかりに力強く演説をまき散らす。
それを冷ややかな目で見つめるフィナは、エクアに問いかける。
「何あれ? ヤバくない?」
「え~っと、サレート先生は芸術をこよなく愛しているからこそ、つい、熱くなっちゃうんですよ」
「だからって、急にやってきて芸術を語られてもねぇ。ねぇ、サレートだっけ? 熱を下げて、何の目的でやってきたのか教えなさいよ」
「ああ、申し訳ない。君との会話で芸術を感じて、それを言葉に表したくなった」
「はぁ~、そうですかぁ。で、目的は? あ、私はフィナ。領主代行」
「僕はサレート=ケイキ。実はエクアさんに話があってね」
「私ですか?」
「僕は君の才能に深く興味があるんだよ。そこでだ、しばらく僕の下で学んでみないかい?」
「へ…………? えええええ? い、いいんですか?」
「もちろんだよっ! 君のような才気溢れる芸術家との交流は僕の刺激にもなるしね」
「そ、そんな、私にそんな才能なんて」
「う~ん、謙虚だねぇ。だけど、謙虚は美徳じゃないよ。そういうことで、領主代行さん。エクアさんを僕のアトリエに招待してもいいかな?」
「え?」
突然の願いにフィナの目は泳ぐ。
その泳いだ目をエクアに流す。
「え~っと、エクアはどうしたいの?」
「それは……このような機会、そうはありませんのでできれば……あ、でも、お仕事が大変そうなら私はっ」
「いや、こっちは大丈夫よ。そうね、エクアにとっては大きなチャンスだもの。わかった、行ってきなさい。ケントが戻ってきたらちゃんと伝えておくから」
「あ、ありがとうございます!」
「いや~、領主代行さんは話が通りやすくて嬉しいよ!」
エクアとサレートは喜びに言葉を弾ませる。
その二人にフィナは軽く息を落としながら注意を促す。
「はぁ、二人とも喜ぶのは早いよ。サレート、あんたの滞在場所をちゃんと教えてもらわないと」
「ああ、そうだったね。今は港町アルリナに宿を借りているんだ。そこをアトリエ代わりに使っている」
「宿の名前は?」
「アドソン。港そばに在って、海が一望できる場所だよ」
「宿・アドソンね。何か用事がある場合は、そっちに人をやるから」
「ああ、わかってるさ。では、エクアさん。行こうか」
「い、今からですか?」
「何か不都合でも?」
「それは準備もありますし、それにお仕事も途中ですし」
エクアはちらりとフィナを見る
フィナはそれに柔らか笑みを浮かべた。
「大丈夫よ、この程度。だから安心して行ってらっしゃい」
「ありがとうございます、フィナさん!」
「あと、サレート。女の子の支度は宝石よりも価値ある行為なんだから、少し待ちなさいよ」
「宝石よりも価値の高い支度。なるほど、面白い。ならば僕は城の外で待っているよ。では、エクアさん、あとで」
サレートは指を二本そろえて、それをピッと前に飛ばし、颯爽と執務室から出ていった。
残る三人は……。
「なんだか、わけわかんない人ね。大丈夫なの、エクア?」
「あはは、大丈夫ですよ。芸術が関わるとちょっと熱くなりがちですが」
「エクアの嬢ちゃんの憧れの人ってんで、あんまり悪くは言いたくはないけどよ、一癖二癖ありそうな人物だな」
――城外
エクアが旅支度を行う中、サレートは丘陵の頂に建つ城のそばからトーワを見下ろしていた。
「ふむ、不思議な形をした城壁だ。だが、いまいちだね。先端部分はもっと大胆に尖鋭的な鋭さを持った方が、おや?」
彼の目に、ある人物の影が映る。
それは銀に輝く鱗に、背には青と黒の模様が走るギウだ。
「ギウ?」
「ああ、君がアグリスの宗教騎士団を蹴散らしたギウだね。アルリナにもいるが~~~~、ふむふむ、君は彼らよりも洗練されている」
サレートはギウを余すことなく興味深げに覗き見てくる。
ギウの真っ黒なお目目に、サレートの紫の瞳が映る。
(ギウ……)
彼はその瞳の奥底に眠る、粘着するような闇を知る。
「ギウッ」
ギウはサレートの視線を振り切り、城内へと入っていった。
背後から寂しげな声が届く。
「これは残念、振られてしまったようだ……彼もまた、素晴らしい芸術作品だね」
細長の四角眼鏡をかけた優男は相も変わらず薄汚れた灰色の薄着の上に緑色のジュストコールを着用し、先端がカールを巻いた長めの茶髪を深緑のベレー帽で押さえるといった変わった出で立ちをしていた。
彼は呆気にとられるフィナやエクアの様子など気にすることもなく、眼鏡の奥の紫の瞳を輝かせて演者のように大仰な仕草をとりながら語り始める。
「あはは、ようやくアグリスでの仕事が終わってねっ。自由な時間が生まれたんだよ、エクアさん!」
「え、はぁ、そうなんですか? えっと、それで今日はどのようなご用向――」
「戦争、やるじゃないかっ。まさか、アグリスに勝利するなんて!」
「え? はい、なんとか」
「いやいやいや、領主ケント=ハドリー様、素晴らしい! あのアーガメイトのご子息なだけある。うん? ケント様は?」
「今は私用で、お出かけに」
「そうなのかい? 戦勝祝いにラスパのウイゲラワインをお持ちしたんだけどね!」
そう言って、サレートは風が巻き起こすが如くジュストコールを大きく払った。
すると、そこから七色の光が飛び出し、光は変化を遂げてワインボトルとなった。
彼はそれを後ろにいた親父に渡す。
「そこのあなた。ケント様がお帰り次第、これを献上してくれるかい?」
「ええ、わかったが……そこのあなたって、会ってすぐに名を名乗ってここまで案内したのは俺だろうに……」
まったくもってサレートに興味を抱かれていない親父は軽く頭を掻いてぼやく。
執務机に座るフィナはワインボトルに視線をぶつけ、今の現象について大きく声を飛ばす。
「今のって、錬金術!? しかも、空間の!」
「うん? ははぁ、君が噂の錬金術士だね。ケント様の片腕だそうで」
「片腕? 別にあいつの部下でもないけど。ま、仲間ってところよ」
「ふふ~ん、そうなのかい。しかし、まだ若くあるけど見事な才を持っているようだね。アグリスの門の魔導機構をいともたやすく乗っ取り、一部とはいえ呪われた大地を浄化するなんて」
どうやらサレートは、フィナのことを実践派の長とは知らないようだ。
一介の若い錬金術士として彼女を褒めている。
「それはどうも。で、あんた何者? 空間を操るなんて、相当上位の錬金術士よ。少なくとも私は実践派の中で画家をやっている上級錬金術士なんて知らないけど」
「ふふふ、元は理論派だからね。途中で実践派に興味を持って学んでいるのさ。実践派は理論派と違い、学問の門が広いから」
「なるほど、鞍替え組ってわけね。ま、あいつらみたいに偏狭な考え方で知識を独占しないのが実践派だもんね」
「ふふ、素晴らしい考え方だ。知識は伝播することにより、様々な価値と交わり、変化を遂げていく。芸術もまたそう! 数多の芸術的視野が混じり合い、溶け合い、そこから新たな芸術が生まれるんだ!!」
サレートは独擅場とばかりに力強く演説をまき散らす。
それを冷ややかな目で見つめるフィナは、エクアに問いかける。
「何あれ? ヤバくない?」
「え~っと、サレート先生は芸術をこよなく愛しているからこそ、つい、熱くなっちゃうんですよ」
「だからって、急にやってきて芸術を語られてもねぇ。ねぇ、サレートだっけ? 熱を下げて、何の目的でやってきたのか教えなさいよ」
「ああ、申し訳ない。君との会話で芸術を感じて、それを言葉に表したくなった」
「はぁ~、そうですかぁ。で、目的は? あ、私はフィナ。領主代行」
「僕はサレート=ケイキ。実はエクアさんに話があってね」
「私ですか?」
「僕は君の才能に深く興味があるんだよ。そこでだ、しばらく僕の下で学んでみないかい?」
「へ…………? えええええ? い、いいんですか?」
「もちろんだよっ! 君のような才気溢れる芸術家との交流は僕の刺激にもなるしね」
「そ、そんな、私にそんな才能なんて」
「う~ん、謙虚だねぇ。だけど、謙虚は美徳じゃないよ。そういうことで、領主代行さん。エクアさんを僕のアトリエに招待してもいいかな?」
「え?」
突然の願いにフィナの目は泳ぐ。
その泳いだ目をエクアに流す。
「え~っと、エクアはどうしたいの?」
「それは……このような機会、そうはありませんのでできれば……あ、でも、お仕事が大変そうなら私はっ」
「いや、こっちは大丈夫よ。そうね、エクアにとっては大きなチャンスだもの。わかった、行ってきなさい。ケントが戻ってきたらちゃんと伝えておくから」
「あ、ありがとうございます!」
「いや~、領主代行さんは話が通りやすくて嬉しいよ!」
エクアとサレートは喜びに言葉を弾ませる。
その二人にフィナは軽く息を落としながら注意を促す。
「はぁ、二人とも喜ぶのは早いよ。サレート、あんたの滞在場所をちゃんと教えてもらわないと」
「ああ、そうだったね。今は港町アルリナに宿を借りているんだ。そこをアトリエ代わりに使っている」
「宿の名前は?」
「アドソン。港そばに在って、海が一望できる場所だよ」
「宿・アドソンね。何か用事がある場合は、そっちに人をやるから」
「ああ、わかってるさ。では、エクアさん。行こうか」
「い、今からですか?」
「何か不都合でも?」
「それは準備もありますし、それにお仕事も途中ですし」
エクアはちらりとフィナを見る
フィナはそれに柔らか笑みを浮かべた。
「大丈夫よ、この程度。だから安心して行ってらっしゃい」
「ありがとうございます、フィナさん!」
「あと、サレート。女の子の支度は宝石よりも価値ある行為なんだから、少し待ちなさいよ」
「宝石よりも価値の高い支度。なるほど、面白い。ならば僕は城の外で待っているよ。では、エクアさん、あとで」
サレートは指を二本そろえて、それをピッと前に飛ばし、颯爽と執務室から出ていった。
残る三人は……。
「なんだか、わけわかんない人ね。大丈夫なの、エクア?」
「あはは、大丈夫ですよ。芸術が関わるとちょっと熱くなりがちですが」
「エクアの嬢ちゃんの憧れの人ってんで、あんまり悪くは言いたくはないけどよ、一癖二癖ありそうな人物だな」
――城外
エクアが旅支度を行う中、サレートは丘陵の頂に建つ城のそばからトーワを見下ろしていた。
「ふむ、不思議な形をした城壁だ。だが、いまいちだね。先端部分はもっと大胆に尖鋭的な鋭さを持った方が、おや?」
彼の目に、ある人物の影が映る。
それは銀に輝く鱗に、背には青と黒の模様が走るギウだ。
「ギウ?」
「ああ、君がアグリスの宗教騎士団を蹴散らしたギウだね。アルリナにもいるが~~~~、ふむふむ、君は彼らよりも洗練されている」
サレートはギウを余すことなく興味深げに覗き見てくる。
ギウの真っ黒なお目目に、サレートの紫の瞳が映る。
(ギウ……)
彼はその瞳の奥底に眠る、粘着するような闇を知る。
「ギウッ」
ギウはサレートの視線を振り切り、城内へと入っていった。
背後から寂しげな声が届く。
「これは残念、振られてしまったようだ……彼もまた、素晴らしい芸術作品だね」
0
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる