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第二十三章 決戦前夜
テレパシー?
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エクレル先生と別れ、屋敷へ戻ってきた。
昼は学校として機能している屋敷だが、夜は人の気配が全くなく周囲は閑散としている。
屋敷の中はより一層、静寂が広がり、命の熱を全く感じさせない。
「こわっ。おまけにさっぶ」
地球とは違い、アクタにはエアコンなんて便利なものはない。
屋敷の照明はランプの他に魔力の籠る石を使い明かり灯しているのだが、夜になるとあまり使用されない廊下の明かりは落とされる。
その代わりに、壁のところどころに埋められた淡く光る不思議な石を頼りとする。
だが、その光も長い廊下の先には届かず、視線の先にはぽっかりとした闇が広がっていた。
その闇を見つめて、俺は狭間の世界を思い出す。
そして、その世界によく似た、知識納まる箪笥が鎮座する引き出しの世界を……。
「引き出しの世界と同じ無音。屋敷の防音効果もあるんだろうけど、日本では深夜でも車の音なんかが響いてたからなぁ……でも、おばあちゃんと一緒に田舎で住んでいた頃は、夜はこんな感じだったっけ?」
春から秋にかけては、夜も虫の声が響いていた。
だけど冬になると、深夜には風の音と時折聞こえる謎の鳥の鳴き声が響くだけ。
「小さいころ、深夜トイレに行くとき、あの鳥の鳴き声が聞こえるとすっげぇ怖かったなぁ。そういや、市内に引っ越してからもたまにあの鳥の鳴き声が聞こえたっけ?」
おばあちゃんが亡くなって都会に引っ越してからも、たまに田舎で聞いた鳥の鳴き声が聞こえていた。
「あれって、何の鳥だろ? ちょっと、引き出しを覗いてみようっと」
目を閉じて、引き出しの世界へ。
「ウードは……いた」
箪笥の袂で背中をその箪笥に預け、何かの書物を読み耽っている。
その書物は言わずもがな、俺の見て聞いてきた知識。
彼女はこちらに興味を抱くことなく、書物に目を落としている。
「浸食が進んで色んな引き出しを覗けるようになってるんだな。気持ち悪いやら腹立たしいやら」
いま絡んでも余計に腹立たしさが増しそうなので、彼女に声を掛けず、動物に関する引き出しを覗き込む。
「えっと、夜に鳴く鳥、冬に絞ってっと。おお、結構いるな」
アオアシシギ・アオサギ・ウトウ・オオハクチョウ・オシドリ・ゴイサギ・シマフクロウ・タマシギ・トラフズク・フクロウ・ムクドリなどなど。
「多すぎっ。てか、白鳥って、たぶんいなかったぞ、俺の住んでたところには。ん? 注釈が……他にも鳥の声に聞こえるような鳴き声をあげる動物たちがいます。それは…………」
俺はそっと引き出しを閉じた。
「なるほど、知識があっても特定できるというわけじゃないんだ。むしろ、情報過多で混乱するだけだな。それにあまり情報を引き出すと脳に負荷がかかるし。はぁ、まったく、便利なようで不便」
俺は箪笥を見つめる。
そして、心の中だけで呟く。
(俺の記憶の塊……コトアは俺の魂に宿る力と言っていた。ウードは関係ない……ってことは?)
それはふと過ぎる、勘のような思いつき。
(俺は今まで、ヤツハの魂と溶け合った存在だった。だけど今は、ヤツハの魂が薄くなり、笠鷺としての存在を取り戻しつつある。つまり、俺の力を阻むものは小さくなっている)
箪笥に触れて、目を閉じ、意識を集めてみる。
(…………。うん、別に何もないな。なんかすげぇパワーアップみたいなのを期待したんだけど、そう、都合よくいかないっか)
目を開けて、再び箪笥を瞳に入れた。
(ん、なんだ?)
視界の端に、光の粒のようなものが横切った。
視線をそちらへ向ける。
光の粒は埃が光を受けて輝く程度のもの。
とても小さな小さな光。今にも消えてなくなりそう。
(なんだろ、これ?)
指先でそいつにちょんと触れてみた。
(あれ?)
誰かの会話が聞こえてくる。
『もう少しだけでいいから大きかったらなぁ』
『あら、小さい方がよろしいのでは?』
『なんでよっ? 自分が大きいからって』
『別に自慢するつもりも馬鹿しているつもりもありませんわ。ただ、身体を激しく動かすのならば、あまり大きいと邪魔になるでしょう』
『そうだけど……もうちょっとくらいいいじゃない!』
二人の女性が会話をしている。
そこに別の女性の声が響いた。
『失礼します。お湯の張り替えが終了しました』
『え、わざわざそこまで』
『ええ、そこまでお気遣いなくとも』
『いえ、公爵閣下のお言いつけでございますから。では、ごゆるりとどうぞ』
『……たまには大浴場で羽を伸ばそうとしたんだけど、迷惑だったかも』
『ですわね。かけ流しであるはずなのにわざわざお湯の張り替えま』
会話の途中で、激しい痛みが頭に広がる。
(うっ、いつっ!?)
俺は目を開ける。
視界に広がったのは、引き出しの世界ではなく、屋敷の廊下。
(くそ、あんまり痛いもんだから戻ってきちゃったよ……今の何だったんだ?)
最初の女性二人の会話。それは聞き覚えのある声。
(たぶん、アプフェルとパティ。そして、途中から混じってきた声は、屋敷の女中さん?)
今の会話は女中さんがお風呂の準備ができたとアプフェルたちに伝えに来たもの。
(なんで、そんな会話が?)
箪笥の知識は俺だけの知識のはず。俺が経験してきた知識。記憶の奥底に仕舞っている知識。
だけど、俺は今の会話を知らない。記憶の底にすら存在しない。
(なんなんだ、この力? 俺の古い記憶を呼び起こす能力じゃないのか?)
お地蔵様がくれたこの能力。説明は一切なかった。
だから、今までなんとなく自分自身の記憶を覗ける能力だと思っていた。
でも、いまの出来事のせいで、自分に与えられた力が何なのかわからなくなってきた。
俺は能力について、何かヒントになるようなことはないかと頭を捻る。
そこでコトアが口にしたメッセージを思い出す。最後の悪口は除外して。
『引き出しの知識は脳の中だけで留まらない。アクタと繋がり、先にある無の全てに繋がっている。そしてそれは、君の魂だけに宿る力。想像は創造を紡ぎ、情報を手繰り…………』
(ふむぅ~、どういう意味だろ?)
頭を捻る。だけど……。
(だめだ、考えてもわからん。なんで人の会話が聞けるんだろう? 会話か……もしかしてこの力、テレパシーのような力を含んでいるとか?)
テレパシー――五感に頼らず、相手の心を覗ける能力。
俺は頭を押さえる。
(まぁ、何にせよ、こうも頭が痛くなるんじゃ使えない力だな……だけど、本当にこれがテレパシーだったのか確認する必要がある)
俺は部屋に戻るのをやめて、風呂へ向かうことにした。
昼は学校として機能している屋敷だが、夜は人の気配が全くなく周囲は閑散としている。
屋敷の中はより一層、静寂が広がり、命の熱を全く感じさせない。
「こわっ。おまけにさっぶ」
地球とは違い、アクタにはエアコンなんて便利なものはない。
屋敷の照明はランプの他に魔力の籠る石を使い明かり灯しているのだが、夜になるとあまり使用されない廊下の明かりは落とされる。
その代わりに、壁のところどころに埋められた淡く光る不思議な石を頼りとする。
だが、その光も長い廊下の先には届かず、視線の先にはぽっかりとした闇が広がっていた。
その闇を見つめて、俺は狭間の世界を思い出す。
そして、その世界によく似た、知識納まる箪笥が鎮座する引き出しの世界を……。
「引き出しの世界と同じ無音。屋敷の防音効果もあるんだろうけど、日本では深夜でも車の音なんかが響いてたからなぁ……でも、おばあちゃんと一緒に田舎で住んでいた頃は、夜はこんな感じだったっけ?」
春から秋にかけては、夜も虫の声が響いていた。
だけど冬になると、深夜には風の音と時折聞こえる謎の鳥の鳴き声が響くだけ。
「小さいころ、深夜トイレに行くとき、あの鳥の鳴き声が聞こえるとすっげぇ怖かったなぁ。そういや、市内に引っ越してからもたまにあの鳥の鳴き声が聞こえたっけ?」
おばあちゃんが亡くなって都会に引っ越してからも、たまに田舎で聞いた鳥の鳴き声が聞こえていた。
「あれって、何の鳥だろ? ちょっと、引き出しを覗いてみようっと」
目を閉じて、引き出しの世界へ。
「ウードは……いた」
箪笥の袂で背中をその箪笥に預け、何かの書物を読み耽っている。
その書物は言わずもがな、俺の見て聞いてきた知識。
彼女はこちらに興味を抱くことなく、書物に目を落としている。
「浸食が進んで色んな引き出しを覗けるようになってるんだな。気持ち悪いやら腹立たしいやら」
いま絡んでも余計に腹立たしさが増しそうなので、彼女に声を掛けず、動物に関する引き出しを覗き込む。
「えっと、夜に鳴く鳥、冬に絞ってっと。おお、結構いるな」
アオアシシギ・アオサギ・ウトウ・オオハクチョウ・オシドリ・ゴイサギ・シマフクロウ・タマシギ・トラフズク・フクロウ・ムクドリなどなど。
「多すぎっ。てか、白鳥って、たぶんいなかったぞ、俺の住んでたところには。ん? 注釈が……他にも鳥の声に聞こえるような鳴き声をあげる動物たちがいます。それは…………」
俺はそっと引き出しを閉じた。
「なるほど、知識があっても特定できるというわけじゃないんだ。むしろ、情報過多で混乱するだけだな。それにあまり情報を引き出すと脳に負荷がかかるし。はぁ、まったく、便利なようで不便」
俺は箪笥を見つめる。
そして、心の中だけで呟く。
(俺の記憶の塊……コトアは俺の魂に宿る力と言っていた。ウードは関係ない……ってことは?)
それはふと過ぎる、勘のような思いつき。
(俺は今まで、ヤツハの魂と溶け合った存在だった。だけど今は、ヤツハの魂が薄くなり、笠鷺としての存在を取り戻しつつある。つまり、俺の力を阻むものは小さくなっている)
箪笥に触れて、目を閉じ、意識を集めてみる。
(…………。うん、別に何もないな。なんかすげぇパワーアップみたいなのを期待したんだけど、そう、都合よくいかないっか)
目を開けて、再び箪笥を瞳に入れた。
(ん、なんだ?)
視界の端に、光の粒のようなものが横切った。
視線をそちらへ向ける。
光の粒は埃が光を受けて輝く程度のもの。
とても小さな小さな光。今にも消えてなくなりそう。
(なんだろ、これ?)
指先でそいつにちょんと触れてみた。
(あれ?)
誰かの会話が聞こえてくる。
『もう少しだけでいいから大きかったらなぁ』
『あら、小さい方がよろしいのでは?』
『なんでよっ? 自分が大きいからって』
『別に自慢するつもりも馬鹿しているつもりもありませんわ。ただ、身体を激しく動かすのならば、あまり大きいと邪魔になるでしょう』
『そうだけど……もうちょっとくらいいいじゃない!』
二人の女性が会話をしている。
そこに別の女性の声が響いた。
『失礼します。お湯の張り替えが終了しました』
『え、わざわざそこまで』
『ええ、そこまでお気遣いなくとも』
『いえ、公爵閣下のお言いつけでございますから。では、ごゆるりとどうぞ』
『……たまには大浴場で羽を伸ばそうとしたんだけど、迷惑だったかも』
『ですわね。かけ流しであるはずなのにわざわざお湯の張り替えま』
会話の途中で、激しい痛みが頭に広がる。
(うっ、いつっ!?)
俺は目を開ける。
視界に広がったのは、引き出しの世界ではなく、屋敷の廊下。
(くそ、あんまり痛いもんだから戻ってきちゃったよ……今の何だったんだ?)
最初の女性二人の会話。それは聞き覚えのある声。
(たぶん、アプフェルとパティ。そして、途中から混じってきた声は、屋敷の女中さん?)
今の会話は女中さんがお風呂の準備ができたとアプフェルたちに伝えに来たもの。
(なんで、そんな会話が?)
箪笥の知識は俺だけの知識のはず。俺が経験してきた知識。記憶の奥底に仕舞っている知識。
だけど、俺は今の会話を知らない。記憶の底にすら存在しない。
(なんなんだ、この力? 俺の古い記憶を呼び起こす能力じゃないのか?)
お地蔵様がくれたこの能力。説明は一切なかった。
だから、今までなんとなく自分自身の記憶を覗ける能力だと思っていた。
でも、いまの出来事のせいで、自分に与えられた力が何なのかわからなくなってきた。
俺は能力について、何かヒントになるようなことはないかと頭を捻る。
そこでコトアが口にしたメッセージを思い出す。最後の悪口は除外して。
『引き出しの知識は脳の中だけで留まらない。アクタと繋がり、先にある無の全てに繋がっている。そしてそれは、君の魂だけに宿る力。想像は創造を紡ぎ、情報を手繰り…………』
(ふむぅ~、どういう意味だろ?)
頭を捻る。だけど……。
(だめだ、考えてもわからん。なんで人の会話が聞けるんだろう? 会話か……もしかしてこの力、テレパシーのような力を含んでいるとか?)
テレパシー――五感に頼らず、相手の心を覗ける能力。
俺は頭を押さえる。
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