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第二幕
第42話 これからのこと
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俺は白い布で覆われた穴の開いた外壁へちらりと瞳を振ってから、足元に視線を落とし注意を払いつつ階段の踊り場から下へと降りる。
そして、降りた先にある封鎖された資料室の扉を開けた。
そこに居たのは――ブランシュ。
こいつはあの騒動の後、こっそり俺たちを追いかけてここへ潜み、会話を盗み聞ぎしていたのだ。
彼女は俺を見るなり、顔を信号機のように赤くしては青くする。
「あ、あ、あなたはルーレンと言うメイドの子のことが……そんな、シオンはあの子のことが……でも、私は嫌われて当然よね。あなたは私のせいで自殺を図った。私はあなたを守ろうとしていたのに、そこまで追い詰めていたなんて。ああ、あああ、あああああ。ひひひひ、ふふふふ」
その場で膝を崩して、涙を流しつつ妙な笑みを浮かべてやがる。
様々な感情が重なり合い、混乱している様子。
元に戻さないと。こいつにはこいつの役目があるし。
「ブランシュ、ブランシュ? 大丈夫ですか?」
「ああああ、私はなんてことを……」
「もしも~し、ブランシュ。わたくしの声が聞こえますかぁ?」
「ルーレンと言うメイドとそこまで深いつながりが……」
ほっぺたを引っ張る。
「ほれほれ~」
「ふぁたひはふぁんてほろかなふぁねを……」
「駄目ですわね、これは。ならば――ほれほれほれほれ!!」
思いっきりブランシュの胸を揉んでやった。
すると彼女は声にもならない悲鳴を上げて、尻を床に着けたままカサカサッとGのように壁際に寄って胸を隠す。
「――――っ!? ぬくおふるあこるふぁぁ!! はぁはぁ、なに。なんで?」
「ふむ、なかなかの揉み心地。もう少し育つと良い感じですわね」
「ど、どうして、私の胸を? あなたにはルーレンが――は! 浮気? それとも、美少女を侍らすのが趣味!?」
「ブランシュ、あなた、いじめっ子をやめてからギャグっぽくなってますわよ。そうではなくて、あなたに落ち着いてほしくて」
「落ち着く?」
「経験上、思考が空白に満たされたり、混乱したりしている場合、全く関係な強い刺激を与えると我に返ることがありますので」
「だから胸を? 余計に心臓がバクバクして混乱してるって!」
「ですが、こうやって会話ができているではありませんか。先程まで呼び掛けても無反応でしたのに」
「だ、だって、あなたとルーレンが。それに私のせいであなたは身投げを!」
「いいから、落ち着きなさい。身投げの件は嘘ですから」
「嘘?」
「まぁ、実際のところ、その件も含まれていたかもしれませんが……」
「え?」
「フフフ、なんでもありませんわ。それよりも今からあなたにここまでの気づきと、これからのことを話します」
俺はブランシュへ、サイドレッドと姉フィアの考えと行動予測を伝える。そして、それらに対する対応を。
話を聞き終えたブランシュは軽く親指を噛む仕草を見せた。
「そう簡単に話が運ぶかな?」
「可能性は十分にあります。すでにあなたという前例もありますから」
「それは……そうだけど……」
「さらにもう一つ。サイドレッド様は、いえ、サイドレッドはすでにあなたと比べ物にならないくらいに道を踏み外しています。だから、行いますよ」
「たしかに、兄様はすでに……あいつのせいで!」
「落ち着きなさい。全ては済んだことを。ですが、良いのですか、この話に乗っても? 同じ皇族であるのに?」
「構わない。元々、嫌いだし。いまの話を聞いたら嫌いどころか……殺してやりたい」
ブランシュは両手に拳を作り、静かなる殺意を宿す。
だが、それは当然のこと。もはや、彼女にとってサイドレッドは兄などではなく、敵なのだから。
俺は気負うブランシュを鎮めるために優しく頭を撫でた。
「ブランシュ」
「……あ」
「わたくしを想ってくださるのは嬉しいですが、想いの強さは時に冷静さを欠きます。ゆっくり深呼吸をして落ち着いて」
「あ、うん。すーは~、すーは~、すーは~……フフ、あなたの香りが肺の中に満ち溢れて、心が穏やかさを取り戻してきた」
「そ、そう」
若干……いや、認めよう。すっごい怖いことを聞いてしまったが、今は何とか捨て置こう。こいつは今回の物語の証人として必要であり、今後も皇族としての力を利用するために必要な人材だ。
だから、恐怖から目を逸らさずに彼女を利用しよう……貞操を奪われないようにしながらな。
ここから離れる間際に、俺はブランシュへ伝える。
「あの明日からですが――」
「わかってる。今日のいじめは手緩かったから明日からはしっかりとするね。とりあえず、椅子に爆発系の魔石を仕込むから」
「それはもはや殺人でしょう! どうしてそんなに極端なんですか? ですがまぁ、それでいいですわ。こちらで対処しますから。そのような感じでわたくしを追い詰める振りをしてフィアお姉様の動きを封じつつ、ある噂を流しましょう」
「噂?」
「夏の長期休暇が明けると、フィアお姉様とサイドレッド様の婚約話が進むという噂をね」
そして、降りた先にある封鎖された資料室の扉を開けた。
そこに居たのは――ブランシュ。
こいつはあの騒動の後、こっそり俺たちを追いかけてここへ潜み、会話を盗み聞ぎしていたのだ。
彼女は俺を見るなり、顔を信号機のように赤くしては青くする。
「あ、あ、あなたはルーレンと言うメイドの子のことが……そんな、シオンはあの子のことが……でも、私は嫌われて当然よね。あなたは私のせいで自殺を図った。私はあなたを守ろうとしていたのに、そこまで追い詰めていたなんて。ああ、あああ、あああああ。ひひひひ、ふふふふ」
その場で膝を崩して、涙を流しつつ妙な笑みを浮かべてやがる。
様々な感情が重なり合い、混乱している様子。
元に戻さないと。こいつにはこいつの役目があるし。
「ブランシュ、ブランシュ? 大丈夫ですか?」
「ああああ、私はなんてことを……」
「もしも~し、ブランシュ。わたくしの声が聞こえますかぁ?」
「ルーレンと言うメイドとそこまで深いつながりが……」
ほっぺたを引っ張る。
「ほれほれ~」
「ふぁたひはふぁんてほろかなふぁねを……」
「駄目ですわね、これは。ならば――ほれほれほれほれ!!」
思いっきりブランシュの胸を揉んでやった。
すると彼女は声にもならない悲鳴を上げて、尻を床に着けたままカサカサッとGのように壁際に寄って胸を隠す。
「――――っ!? ぬくおふるあこるふぁぁ!! はぁはぁ、なに。なんで?」
「ふむ、なかなかの揉み心地。もう少し育つと良い感じですわね」
「ど、どうして、私の胸を? あなたにはルーレンが――は! 浮気? それとも、美少女を侍らすのが趣味!?」
「ブランシュ、あなた、いじめっ子をやめてからギャグっぽくなってますわよ。そうではなくて、あなたに落ち着いてほしくて」
「落ち着く?」
「経験上、思考が空白に満たされたり、混乱したりしている場合、全く関係な強い刺激を与えると我に返ることがありますので」
「だから胸を? 余計に心臓がバクバクして混乱してるって!」
「ですが、こうやって会話ができているではありませんか。先程まで呼び掛けても無反応でしたのに」
「だ、だって、あなたとルーレンが。それに私のせいであなたは身投げを!」
「いいから、落ち着きなさい。身投げの件は嘘ですから」
「嘘?」
「まぁ、実際のところ、その件も含まれていたかもしれませんが……」
「え?」
「フフフ、なんでもありませんわ。それよりも今からあなたにここまでの気づきと、これからのことを話します」
俺はブランシュへ、サイドレッドと姉フィアの考えと行動予測を伝える。そして、それらに対する対応を。
話を聞き終えたブランシュは軽く親指を噛む仕草を見せた。
「そう簡単に話が運ぶかな?」
「可能性は十分にあります。すでにあなたという前例もありますから」
「それは……そうだけど……」
「さらにもう一つ。サイドレッド様は、いえ、サイドレッドはすでにあなたと比べ物にならないくらいに道を踏み外しています。だから、行いますよ」
「たしかに、兄様はすでに……あいつのせいで!」
「落ち着きなさい。全ては済んだことを。ですが、良いのですか、この話に乗っても? 同じ皇族であるのに?」
「構わない。元々、嫌いだし。いまの話を聞いたら嫌いどころか……殺してやりたい」
ブランシュは両手に拳を作り、静かなる殺意を宿す。
だが、それは当然のこと。もはや、彼女にとってサイドレッドは兄などではなく、敵なのだから。
俺は気負うブランシュを鎮めるために優しく頭を撫でた。
「ブランシュ」
「……あ」
「わたくしを想ってくださるのは嬉しいですが、想いの強さは時に冷静さを欠きます。ゆっくり深呼吸をして落ち着いて」
「あ、うん。すーは~、すーは~、すーは~……フフ、あなたの香りが肺の中に満ち溢れて、心が穏やかさを取り戻してきた」
「そ、そう」
若干……いや、認めよう。すっごい怖いことを聞いてしまったが、今は何とか捨て置こう。こいつは今回の物語の証人として必要であり、今後も皇族としての力を利用するために必要な人材だ。
だから、恐怖から目を逸らさずに彼女を利用しよう……貞操を奪われないようにしながらな。
ここから離れる間際に、俺はブランシュへ伝える。
「あの明日からですが――」
「わかってる。今日のいじめは手緩かったから明日からはしっかりとするね。とりあえず、椅子に爆発系の魔石を仕込むから」
「それはもはや殺人でしょう! どうしてそんなに極端なんですか? ですがまぁ、それでいいですわ。こちらで対処しますから。そのような感じでわたくしを追い詰める振りをしてフィアお姉様の動きを封じつつ、ある噂を流しましょう」
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「夏の長期休暇が明けると、フィアお姉様とサイドレッド様の婚約話が進むという噂をね」
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