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第35話 外れかけの青色のレフィル
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フィナーレも華々しかった閉会式も終わり、グラウンドでは後夜祭が行われていて最後のひとときまで学祭を楽しもうとする生徒たちが集まっている。
窓が開け放たれた回復した一年七組の教室で、俺は茜を待っていた。開いた窓からは、それこそ外の後夜祭の喧騒が流れ込んでくる。
きちんと巻ききれなかったカーテンが、吹き込んでくる風に揺らめく。差し込みかけている夕陽が、徐々に影を伸ばしていて、明かりなしでは暗く思えてしまう。それは、暗幕を片付けた今でも同じ。
不意に、緊張した面持ちの茜が、ドアを開け入って来た。
「……や、恵一。……来たよ」
いつもはハキハキとした印象の強い茜も、このときはいつも以上に落ち着いていて、それでいて俺の答えが気が気でない、っていうように見とれた。
「それで……聞いても、いいのかな。……恵一の、答え」
ついに、来たこの瞬間。
唾をごくりと呑み込んで、俺は言う。
「……ごめん、わからなかったんだ」
選んだ答えは、嘘をつくことだった。
「嘘つきって詰ってもらって構わない……でも、どうしても、理由はわからなくて」
「……そう、なんだね……」
彼女は、うつろな眼差しを明後日の方向に向ける。力が抜けたようにバタンと俺が座っている椅子の隣の座席に腰を落とした。
「恵一がわからないなら、……きっと誰もわからないよ」
だってと前置いて、茜はこう続けた。
「恵一が、陽平のこと、一番わかっている親友だと思うから」
その言葉に、胸が跳ねる。どうしようもない感情が途端に波のように押し寄せてくる。それは、罪悪感からか、後ろめたさからか。
「……でも、そうなら……もう諦めたほうが、いいのかなぁ……」
更に追い打ちをかけるように、茜は呟く。
ああ、壊れてしまう。こうなってしまうと、きっと茜は陽平から離れて……俺達は俺達でいられなくなってしまう。
唇を噛んで、しかしそれを止める手段も持ち合わせていない俺は何も言えずに、茜の独白を聞くことしかできなかった。
「絶対に叶わない恋なら……いっそ、なかったことにしたほうが、いいのかな」
徐々に潤んでいく彼女の声。いや、きっともう涙は零しているのだろう。それを見ることは、俺にはできなかったけども。
俺のせいで、こうなっているのに。
「陽平が……恋できないのなら、これ以上、想っていたって……」
結局、なりたくないと言った悪魔に、俺はなってしまっていた。茜に恋を諦めさせる、悪魔に。
「ねえ、それどういうこと?」
瞬間。開いていたドアから、聞き覚えのある声が響いた。俺は声のしたほうに視線を向ける。そこには──
「え、絵見……」
いつか俺が想像した冷たい態度と同じくらい、いや、それ以上の刺すような目を俺に向けている絵見が、ドアを通って俺等のもとに迫って来た。
「な、なんで……ここにっ」
「今日が回答期限なの、私も知っていたから。茜が後夜祭抜け出して、教室に向かうのを見て。恵一も後夜祭出てなかったから、もしかしてって思って。……まあ、陽平のそれを聞く気は全然なかったんだけどね」
迂闊だった。こういう話をするなら、せめてドアはきちんと閉めるくらいしないといけないのに。どうしてこう大事なときに俺は……。
「でも、聞いちゃった以上、突っ込まざるを得ないよね? 恵一。……どういうこと?」
ごめん……陽平、もう、無理だ。隠し通せないよ。
「そっ、それは……」
「……恋ができないって……何なの……それ」
絵見は裏切られた、というような顔をして、俺に問い詰める。
「陽平はそれを理由に茜に『友達でいて欲しい』って言ったの?」
「そ、そうだよ……」
茜は完全に会話から離脱してしまっている。あまりの怒気を見せている絵見に置いてけぼりを喰らっているのだろうか。涙の跡を残しつつ、ポカンと俺と絵見の顔を見比べている。
「じゃあ、じゃあ……遥香は一体何なの? あなたも見たよね? 一日目の朝、倒れかけた遥香の手を取った陽平のこと。その後お互いに顔を赤くしたこと」
「……見たよ」
「それに……今日、遥香と陽平は一緒に学祭回っていたの。シフトが同じだった、っていうのは少なからずあったと思うけど、それでも……さ。あんまりだよ」
俺の知らない新事実が絵見の口から明かされる。
「まじかよ……」
「周りに囃し立てられて遥香が誘ったって感じだったけど、そのとき居合わせた茜の気持ち考えたの……ってこれを恵一に言ってもしょうがないのか……」
「……いいよ、文句は俺にって言ったし……」
「遥香に対してあんな態度取るのに、茜にはって……」
「…………」
何も言い返すことができなかった。絵見の言うことが間違っているわけではなかったから。
「陽平が遥香に対しては警戒が薄かったとか、そもそも遥香は対象外とか理由があるのか知らないけど……いや、もういい。この話は。恵一が知らないのにそこに突っ込むのはフェアじゃない。……理由は、結局わからなかったの?」
「……わからなかった」
「本当に?」
「そうだよ」
「……一昨日。遥香と何話していたの?」
「……は? どういうこと?」
「その日の放課後、私は領収書を貼った帳簿の確認を羽追先生にやってもらって、それを生徒会に提出してたから、帰りが五時くらいになったの。そのとき、うちのクラスの教室だけ、電気が点いていた。誰かが何かしているのかなあって思って通り過ぎたけど。でも、下駄箱にあなたと遥香の外靴だけ、残っていたのはちゃんと確認した。茜でも、陽平でもない。あのとき教室にいたのは恵一と、遥香。違う?」
もはや冷静沈着を通りこして何か別のものになっているのではないかと思った。
「……将来探偵にでもなるつもりか」
「茶化さないで」
一切の合間なしに、絵見は鋭く言い放つ。
「……そう、だけど」
「遥香は陽平のこと、知ってるの?」
「教えてない」
「じゃあ、何を話していたの?」
「そ、それは……」
言える内容ではない。だから、俺は言葉を濁す。
「これはさ……私の勘なんだけど。陽平のその、恋ができないっていうの、もしかして遥香と関係があるんじゃないの? その確認かなんかをするために恵一は遥香と話をしていた。……なら、理由はもうわかっているんじゃないの?」
「っ……」
だから探偵にでもなるつもりかよ。
図星だったから、今度は言葉に詰まってしまう。このままでは、及川の秘密まで漏らすことになる。
「それに。昨日今日と恵一、顔色ひどすぎ。ここ最近も最近だったけど、今はもっとひどい。身内に不幸があったのって思うくらいだよ。クマもちょっとできてるし」
最後に、言葉を失う。
「ねえ。恵一。一体何を、隠しているの……?」
それは、絶対に言ってはいけない、そう約束したものなのに……。
こうもあっけなく俺は……真実に気づかれそうになっているんだ。
「べ、別に、何も隠してないし、及川と話したのだって、単に俺が教室に遅くまで残っていたら及川が来たからちょっと世間話してただけで……」
「まだ白を切るの? そこまでして言いたくないことなの? その程度の仲だったの? 私たちって」
違う……その程度の仲じゃないから言えないんだよ。そう言いたいのに、口はもう動いてくれない。
「答えてよ、恵一……!」
限界点だ。ここが、境界だ。この叫びに応じなければ、きっと、五人は五人でなくなって、俺等は別々になる。
お互いの親友のために、すれ違って、仲違いをして、そのうち他人になるのだろうか。小学校からの仲だった。色々な思い出を共有してきた。酸いも甘いも全部一緒に味わってきた。
積み上げるのに時間はかかり、しかし崩れるのは一瞬だ、なんてよく聞く例え話だ。
事実、五角形はもう。原型なんてこれっぽっちも留めていない。歪みに歪んでただの点と点の集まりに成り下がっている。そこに、繋がっていた線分は消しゴムかなんかで、消されたんだ。
机の上で作る握り拳が、微かに震えだす。
いい。もう、いい。悪いのは全部、俺なんだから。俺が泥を被って……終わりにしよう。
拒絶の意思を示すため、俺は、俯いたまま、首を横に振ろうとした。なのに、それはできず、代わりにこんな声が聞こえた。
「戸塚君……ごめんね、戸塚君にだけこんな苦しい役押し付けて……。私が話すから……もう、いいですよ……」
夕陽照らす教室の入り口に、及川遥香は立っていた。全部を、悟ったような、そんな表情をしていたんだ。
窓が開け放たれた回復した一年七組の教室で、俺は茜を待っていた。開いた窓からは、それこそ外の後夜祭の喧騒が流れ込んでくる。
きちんと巻ききれなかったカーテンが、吹き込んでくる風に揺らめく。差し込みかけている夕陽が、徐々に影を伸ばしていて、明かりなしでは暗く思えてしまう。それは、暗幕を片付けた今でも同じ。
不意に、緊張した面持ちの茜が、ドアを開け入って来た。
「……や、恵一。……来たよ」
いつもはハキハキとした印象の強い茜も、このときはいつも以上に落ち着いていて、それでいて俺の答えが気が気でない、っていうように見とれた。
「それで……聞いても、いいのかな。……恵一の、答え」
ついに、来たこの瞬間。
唾をごくりと呑み込んで、俺は言う。
「……ごめん、わからなかったんだ」
選んだ答えは、嘘をつくことだった。
「嘘つきって詰ってもらって構わない……でも、どうしても、理由はわからなくて」
「……そう、なんだね……」
彼女は、うつろな眼差しを明後日の方向に向ける。力が抜けたようにバタンと俺が座っている椅子の隣の座席に腰を落とした。
「恵一がわからないなら、……きっと誰もわからないよ」
だってと前置いて、茜はこう続けた。
「恵一が、陽平のこと、一番わかっている親友だと思うから」
その言葉に、胸が跳ねる。どうしようもない感情が途端に波のように押し寄せてくる。それは、罪悪感からか、後ろめたさからか。
「……でも、そうなら……もう諦めたほうが、いいのかなぁ……」
更に追い打ちをかけるように、茜は呟く。
ああ、壊れてしまう。こうなってしまうと、きっと茜は陽平から離れて……俺達は俺達でいられなくなってしまう。
唇を噛んで、しかしそれを止める手段も持ち合わせていない俺は何も言えずに、茜の独白を聞くことしかできなかった。
「絶対に叶わない恋なら……いっそ、なかったことにしたほうが、いいのかな」
徐々に潤んでいく彼女の声。いや、きっともう涙は零しているのだろう。それを見ることは、俺にはできなかったけども。
俺のせいで、こうなっているのに。
「陽平が……恋できないのなら、これ以上、想っていたって……」
結局、なりたくないと言った悪魔に、俺はなってしまっていた。茜に恋を諦めさせる、悪魔に。
「ねえ、それどういうこと?」
瞬間。開いていたドアから、聞き覚えのある声が響いた。俺は声のしたほうに視線を向ける。そこには──
「え、絵見……」
いつか俺が想像した冷たい態度と同じくらい、いや、それ以上の刺すような目を俺に向けている絵見が、ドアを通って俺等のもとに迫って来た。
「な、なんで……ここにっ」
「今日が回答期限なの、私も知っていたから。茜が後夜祭抜け出して、教室に向かうのを見て。恵一も後夜祭出てなかったから、もしかしてって思って。……まあ、陽平のそれを聞く気は全然なかったんだけどね」
迂闊だった。こういう話をするなら、せめてドアはきちんと閉めるくらいしないといけないのに。どうしてこう大事なときに俺は……。
「でも、聞いちゃった以上、突っ込まざるを得ないよね? 恵一。……どういうこと?」
ごめん……陽平、もう、無理だ。隠し通せないよ。
「そっ、それは……」
「……恋ができないって……何なの……それ」
絵見は裏切られた、というような顔をして、俺に問い詰める。
「陽平はそれを理由に茜に『友達でいて欲しい』って言ったの?」
「そ、そうだよ……」
茜は完全に会話から離脱してしまっている。あまりの怒気を見せている絵見に置いてけぼりを喰らっているのだろうか。涙の跡を残しつつ、ポカンと俺と絵見の顔を見比べている。
「じゃあ、じゃあ……遥香は一体何なの? あなたも見たよね? 一日目の朝、倒れかけた遥香の手を取った陽平のこと。その後お互いに顔を赤くしたこと」
「……見たよ」
「それに……今日、遥香と陽平は一緒に学祭回っていたの。シフトが同じだった、っていうのは少なからずあったと思うけど、それでも……さ。あんまりだよ」
俺の知らない新事実が絵見の口から明かされる。
「まじかよ……」
「周りに囃し立てられて遥香が誘ったって感じだったけど、そのとき居合わせた茜の気持ち考えたの……ってこれを恵一に言ってもしょうがないのか……」
「……いいよ、文句は俺にって言ったし……」
「遥香に対してあんな態度取るのに、茜にはって……」
「…………」
何も言い返すことができなかった。絵見の言うことが間違っているわけではなかったから。
「陽平が遥香に対しては警戒が薄かったとか、そもそも遥香は対象外とか理由があるのか知らないけど……いや、もういい。この話は。恵一が知らないのにそこに突っ込むのはフェアじゃない。……理由は、結局わからなかったの?」
「……わからなかった」
「本当に?」
「そうだよ」
「……一昨日。遥香と何話していたの?」
「……は? どういうこと?」
「その日の放課後、私は領収書を貼った帳簿の確認を羽追先生にやってもらって、それを生徒会に提出してたから、帰りが五時くらいになったの。そのとき、うちのクラスの教室だけ、電気が点いていた。誰かが何かしているのかなあって思って通り過ぎたけど。でも、下駄箱にあなたと遥香の外靴だけ、残っていたのはちゃんと確認した。茜でも、陽平でもない。あのとき教室にいたのは恵一と、遥香。違う?」
もはや冷静沈着を通りこして何か別のものになっているのではないかと思った。
「……将来探偵にでもなるつもりか」
「茶化さないで」
一切の合間なしに、絵見は鋭く言い放つ。
「……そう、だけど」
「遥香は陽平のこと、知ってるの?」
「教えてない」
「じゃあ、何を話していたの?」
「そ、それは……」
言える内容ではない。だから、俺は言葉を濁す。
「これはさ……私の勘なんだけど。陽平のその、恋ができないっていうの、もしかして遥香と関係があるんじゃないの? その確認かなんかをするために恵一は遥香と話をしていた。……なら、理由はもうわかっているんじゃないの?」
「っ……」
だから探偵にでもなるつもりかよ。
図星だったから、今度は言葉に詰まってしまう。このままでは、及川の秘密まで漏らすことになる。
「それに。昨日今日と恵一、顔色ひどすぎ。ここ最近も最近だったけど、今はもっとひどい。身内に不幸があったのって思うくらいだよ。クマもちょっとできてるし」
最後に、言葉を失う。
「ねえ。恵一。一体何を、隠しているの……?」
それは、絶対に言ってはいけない、そう約束したものなのに……。
こうもあっけなく俺は……真実に気づかれそうになっているんだ。
「べ、別に、何も隠してないし、及川と話したのだって、単に俺が教室に遅くまで残っていたら及川が来たからちょっと世間話してただけで……」
「まだ白を切るの? そこまでして言いたくないことなの? その程度の仲だったの? 私たちって」
違う……その程度の仲じゃないから言えないんだよ。そう言いたいのに、口はもう動いてくれない。
「答えてよ、恵一……!」
限界点だ。ここが、境界だ。この叫びに応じなければ、きっと、五人は五人でなくなって、俺等は別々になる。
お互いの親友のために、すれ違って、仲違いをして、そのうち他人になるのだろうか。小学校からの仲だった。色々な思い出を共有してきた。酸いも甘いも全部一緒に味わってきた。
積み上げるのに時間はかかり、しかし崩れるのは一瞬だ、なんてよく聞く例え話だ。
事実、五角形はもう。原型なんてこれっぽっちも留めていない。歪みに歪んでただの点と点の集まりに成り下がっている。そこに、繋がっていた線分は消しゴムかなんかで、消されたんだ。
机の上で作る握り拳が、微かに震えだす。
いい。もう、いい。悪いのは全部、俺なんだから。俺が泥を被って……終わりにしよう。
拒絶の意思を示すため、俺は、俯いたまま、首を横に振ろうとした。なのに、それはできず、代わりにこんな声が聞こえた。
「戸塚君……ごめんね、戸塚君にだけこんな苦しい役押し付けて……。私が話すから……もう、いいですよ……」
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