僕が君を守る、そんな物語が紡がれる

乗り越えろ

嫌な予感が頭に過ぎる。僕の勘は当たらない。
だけど今回は違う。本当にやばい。僕の身に何かあるのか？嫌違う。多分これは、ミリアだ。
｢何だ…ミリアの身に何が起きるんだ…｣
僕は当たらない勘について必死に考えてしまい、午後の授業は全く頭に入らなかった。






5限目が終わり、僕はミリアを迎えに行った。先程の考察のせいで、ミリアの顔は青ざめてるように見えた。
｢おい、ミリアなんかあったか？｣
突然天良がそんなことを言った。
｢…だよな。ミリアの顔真っ青だぞ？｣
輝翔も言った。
｢…ミリア何かあったのか？｣
僕はそう聞いた。するとミリアは涙を目に溜め言った。
｢…いじめっ子が…放課後残れって…私殺されるのかな…？｣ 
最悪だ。僕の予感が当たってしまった。
｢…まじか…でもさすがに殺さないだろ…｣
どうだろう、あのいじめっ子達は何か狂ってるように見えた。やりかねないかもしれない。
｢…僕、残るよ。あいつらは本当にミリアに何かやりそうだ。｣
僕はみんなにそう言った。ミリアはほっとけない。だって家族だから。
｢俺も残るよ！友達が死にそうになってるんだ、残らないなんてありえない。｣
｢同感だ！｣
天良と輝翔が僕達に言った。
｢ありがとう、でも犠牲は最小限にしたい。だから、天良と輝翔はB組の様子を伺ってくれ。僕は突撃するから、もしも刺されたり撃たれたら2人で警察と救急車を呼んでくれ。｣
死ぬなら僕だけで良い。輝翔達は僕ができるだけ死なないようにサポートして欲しい。
｢…確かに、俺達が突撃しても的が増えるだけで、戦力にならない。運動神経は鬼邪が1番だ。そうしよう。｣
天良がそう言った。輝翔は渋々といった様子で頷いた。
｢さぁ、ミリアを守るぞ。そして紡ぐんだ。未来へ。｣
さぁ始まる。これが壁だ。乗り越えろ。家族を守れ。僕らは円陣を組んで、気合いを入れた。






そして放課後、僕らはB組の前まで来て様子を伺った。ミリアを取り囲んでいた。
｢…おいおい、女子なのに怖いな。｣
ほんとだよ。威圧感が半端じゃない。
｢…さぁ、行くぞ！｣
僕はそう言って教室の中に入った。