僕の周りの人達には秘密がある

第1章 石神 隼歌の秘密

救うために

｢理由は…分からないの…突然いじめられたの。私はどうすれば…。｣
彼女は少しパニックになっていた。 
｢…そっか。酷いな、石神は何も悪いことしてないんでしょ？なのに殴られるって…いじめっ子の頭が理解できないよ。｣
僕は、はぁ～とため息をついた。彼女は容姿がとても良いから、男子にモテて、それを嫉妬した女子がいじめたというありがちな感じだろうか…。
｢…このまま君が1人だったらきっとまたいじめられる。僕が君の傍にいるよ。…あ、嫌ならいいよ！でもまた呼ばれたら僕に絶対に言って！｣
いじめをする奴はいじめをされても何も言えないはずだ。…ふっ。どうしてやろうかな…。

  







彼が提案してくれて、私は嬉しかった。私は、傍に彼というヒーローがいてくれたら、なんだって大丈夫だと思うんだ。私はお願いします、と言うために顔をあげた。そこには、とんでもなく寒気がする笑顔をした彼がいた。どんな修羅場を経験すればこんな笑顔ができるんだ。私は思わず、氷のように固まってしまった。
｢…あ、ごめん。どうやっていじめっ子を退治するか考えてた。｣
｢そ、そう。あのさっきの雨流射君が傍にいてくれるって話、お、お願いしてもいいかな…｣









そう来るとは思わなかったが、こっちは好都合だ。喜んで君の傍で守らせて貰うよ。僕らはその後、帰路を辿った。石神を家まで送り、僕は入念にプランをたてた。
｢ふっ。完璧だな。アイツらはいじめをする〝 覚悟〟があるのか…。ガッカリさせないでくれよ？｣
僕は謎の強キャラ感を出しながら帰路を辿るのだった。






次の日、案の定いじめっ子達に僕らは取り囲まれた。いや、こいつら囲むの好きすぎだろ。
｢昨日はよくも私の友達を貶してくれたわね？｣
いじめっ子が根も葉もないことを言ってくる。
｢言いがかりはよしてくれよ、僕はただ教室に入って石神と話しただけじゃないか。｣
もちろん嘘である。ガッツリいじめの証拠動画を取り、ガッツリ脅した。
｢ふん、まぁ良いわ。昨日よりも大人数であんたらを潰してあげる、覚悟しなさい。｣
覚悟…ねぇ。
｢じゃあ屋上でどうだい？人目もつかないし、君たちにとっては最高だろう？まさか天下のいじめっ子さん達は屋上が嫌だなんて言わないでしょ。それとも僕に倒されても何も言えないのが怖いですか？｣
僕はいじめっ子達を煽る。さぁ、どう返す？
｢煽るね～。いいよ乗った。ボコされるのをかくごしててねー。｣
いじめっ子はどの時代でも馬鹿なんだろうな、と心の底から僕は思った。いじめっ子達も教室に戻り、僕はずっと僕にしがみついていた石神を見て、言った。
｢さぁ、石神。これから僕の計画を言うよ？しっかり聞いててね。大丈夫、石神には何の被害もない、完璧な計画だから…。｣
そして僕はその計画を説明するのだった。