僕の周りの人達には秘密がある

第2章 光梨 愛澄花の秘密

前言撤回

私は学校が終わり、塾に来ていた。お父さん達が塾長へ脅したことにより、私だけ毎日テストがある。私はお世辞にも勉強が得意とは言えない。塾の先生達は勉強を教えてくれるわけでもなく、時間いっぱいテストをする。そして問題は、超難関校の入試テスト並のレベルだ。なぜわかるか、それはネットで調べた難関校の入試とほぼ同じ問題だったからである。先に述べたように私は勉強が苦手だ。当然解ける訳もなく、だいたい45点前後だ。

塾が終わり私は手に持っているテストの束を1枚ずつ確認し、握りしめた。クシャクシャになる紙に涙がこぼれる。
｢43点、38点、46点、42点、48点…あぁ、何で私は勉強が出来ないの…｣
私の両親はトップクラスの有名な雲界大学を首席で卒業している。知らない人へ説明すると、世界でも有数の難関校だ。そして私の親は完璧主義で80点から90点でも渋い顔をする。過去に1回だけ、たまたま適当に書いた回答が当たり、91点を取ったことがある。その時は笑みを作り、次も頑張れと言ってくれたが次に80点を奇跡的に取れても渋い顔をした。40点台何て、だいたい罵倒される。反論もできない。さらに、酷い時には殴られたりもする。私は今日もされるのか…と鬱になりながら重たい足を引きずるように帰路を辿った。









｢ふむ｣
僕は、塾長がまとめた書類を見ていた。不法侵入をして、勝手に見てる…なんてことは無い。交渉しただけだ。
｢にしても…こんな問題、うちの生徒誰も解けねーよ…。｣
僕は、光梨の受けているテストを見ていた。こんなのうちの生徒は解けない。まぁ、僕は解けると思うけど。意外に頭いいんです僕は。
｢光梨、ココ最近点数落ちてるな…。やっぱり家庭で…。｣
何かあったんだろうな…という言葉は飲み込んだ。塾長が睨んでいたからだ。
｢あ、塾長ありがとうございましたー。これで彼女の問題が解決出来る手がかりになりました。｣
このデータが分かれば、計画も練りやすい。
｢…君が何を考えているか分からないが、悪い奴では無さそうだ。1つ忠告しておこう。彼女の親の気に触れることはしない方がいい。…社会的に消されるぞ…。｣
いや、光梨の親怖いな…。でも僕は例え社会的に消されたからって、この偽善と言われる行為をやめない。約束だからな…。
｢忠告ありがとうございます。…あなたもきっと肩の荷が下りますよ。｣
｢ちょっ、それはどういう意味…｣
塾長が言葉を言い終わるより前に僕は外に出た。必死に隠そうとしていたようだが…僕の前では無力だったようですね。彼女のことを聞いた時から怯えているのは見なくても分かりましたよ。
｢ふぅー。ってあれ？もう真っ暗なんだが…おかしいな4:00頃に来たはずだけど…｣
僕はスマホを取り出した。現在時刻…
｢7:00！？ちょっ待って？壊れた？でも暗いし…、僕説得に何時間かかってんだよ…｣
書類を見ていた時間は1時間もないとして…3時間も交渉してたのかよそりゃ折れるわ。まぁまぁそれは1回太平洋に放り投げて、
｢話しかけないって言うのは…前言撤回だ！｣
僕は暗くなり、寒くなった夜の道を駆けるのだった。








｢光梨さん？｣
｢…もう話しかけないんじゃ無かったの？｣
｢そんなこと言ったかなぁ～。そんなことより僕は1つ提案したいんだ！｣
｢…なに？｣
｢それは…｣