僕の周りの人達には秘密がある

ノア オリバー

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第3章 幻世 夢叶の秘密

代償

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僕はいつも通り学校で本を読んでいた。前の本は読み切ってしまったため、また買った新しい本を読んでいた。
「ねーねー霊也君。」
隼歌がいきなり話しかけてきた。 
「?どうした?いきなり。」
僕はデジャブを感じた。そういえば初めて話した時も隼歌から話してきたんだっけ…。あの通りに行ったら今回も…。
「何読んでるの?」
出会いの時と同じなんだが、どうして隼歌は人の読む本が気になるのだろうか…。
「前と違って今回は…うーんなんて言えばいいだろう。病気の少女を少年が助ける的な感じかな。」
少年は残りの余命を全て彼女に使い、彼女を助けたのだ。本当に凄い少年だと思う。
「…霊也君って、誰かが誰かを助ける話好きだよね。」
言われてみれば確かに、僕は主人公がヒロインを救う話ばかり読んでいるなと気づいた。
「…。何か霊也君が読んだ本ってこれから起こることと似たようなこと描いてる気がするんだけど…。」
「たまたまだと思うよ。」
確かに、と思ったけど、流石に1回だけじゃ確信出来ないからそう返した。
「あ、そうだ。本題忘れてたよ。」
あ、本題があったんだ。本が気になっただけじゃないんだ。
「明日、学校休みでしょ?一緒に遊びに行かない?」
初めて誘われた…女子に。…あ、男にも誘われたことねーや。
「いいよ。そういうの初めてだから多少おかしくても大目に見てね。」
「えぇわかったわ。」
それから、僕達は残りの授業が終わったあと、明日はどこで集合するか等の予定をキロを辿りながら考えるのだった。









次の日、快晴である。今は5:30…緊張して早く起きてしまったらしい。待ち合わせの時間は8:00だから…今からしっかり準備しよう。





結局、すごく早くに準備が終わってしまった僕は普段通らないような遠回りの道を景色を眺めながら歩いた。待ち合わせ場所には後五分くらいで着くだろう。…早く来すぎたかな。スマホの電源を入れて時間を見る。6:55…。まぁ、初めてだからね。仕方ないよね。待ち合わせ場所に着いた僕は隼歌を待つのだった。







隼歌と合流して僕達は思う存分遊んだ。ボウリングをしたりだとか、ショッピングモールで買い物をしたり、休日を満喫した。






「隼歌、今日はありがとう。すごく楽しかったよ。」
「こっちこそ、楽しい時間をありがとう。」
「帰り道は一緒だし、帰ろうか。」
「うん!」
こんな楽しい時間がいつまでも続けばいいのにな。
僕達は横断歩道が青になるのを確認して渡った。そして僕は気付いた。明らかなスピード違反の大型トラックが突っ込んできたことに、僕は気付いた。このままでは両方引かれる。そう思った僕は、彼女を突き飛ばした。多少の怪我は許してくれよ、隼歌。そして僕はトラックに跳ねられた。視界は暗転し、何も聞こえなくなった。正しい判断だっただろうな。彼女を救う代償は僕の命だったわけだ。死んだ…かな…。約束守れたかな?
〝そんなので周りの人を救えたと思うのか?こんな所で死ぬのか?まだしっかりと約束は果たせてないんじゃないか?〟
天翔!?…そうか。天翔が言うなら死ねないな。抗ってやるよ。死という運命から…。
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