僕の周りの人達には秘密がある

ノア オリバー

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第6章 谷海合 未咲紀の秘密

高熱

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僕はみんなの分のジュースを買って、みんなのいる場所へ急いだ。
「みんなージュース買ってきたよー!」
僕はみんなにLサイズのジュースを手渡した。
「ありがとう霊也君。」
愛澄花がニッコリと笑ってお礼をしてきた。僕はいえいえと返した。幸せだ…と思っていた。でも僕は気付いてしまった。霊夏が…僕の妹が、悪巧みをしてそうな顔をしていることに気が付いた。
「…おい。霊夏。何考えてんだ?」
僕は少し戸惑いながら聞いた。すると霊夏は、さっきの表情を瞬時に変えて僕に、
「何でもないですよ。」
と言った。いや、何でもあるよね。何かすごい、何だろう。焦っているから語彙力が無くなってる…。でもそれほど嫌な予感がする。僕は思わず後退りし、逃げようとしていた。無意識に霊夏から距離を取ろうとしていた。すると霊夏はすごい勢いで僕を捕まえ、すごい力で引きずった。
「お兄ちゃん?どこ行くんですか?」
「や、やめろ妹よ!離せ!怖いってねぇねぇ。やめよ?ってかすごい力なんだが。」
どっからこんな力が出てんだよ。すごい妹を持ったなーと考えていると、ふと霊夏の考えていることが分かった気がした。周りを見渡す、やはり…こいつは。
「僕それ乗れないんだよ!?離せ!吐くぞ?絶対!無理だって無理無理!」
「お兄ちゃん?好き嫌いはダメですよ?」
「これに関してはもう命!命に関わる!」
「じゃあ危険ですね~。今のうちに克服しましょう。」
あ、駄目だ。何言っても通じない。そして例のアトラクションまで残り3メートル。終わった。
その後、僕は無理やり乗せられ、トイレにこもることになったとさ。はぁほんとに…ダメだよ?マジで。死んじゃうから。











次の日、理由不明の高熱が出た。いや、思い当たる節はある。あのアトラクションだ。霊夏は僕の熱を測り、青ざめていった。
「え…これって昨日のあれのせいですか…?」
「…そ、そうだろうな。だ、だから無理ってい、言ったんだ。」
上手く下が回らない。言葉は途切れ途切れにしか発せない。
「ご、ごめんなさい!お兄ちゃん!私が悪かったです!悪ノリしてすみません!」
霊夏はすごい勢いで謝ってきた。あの時の霊夏はまさに鬼だった。本当に、あれっきりで勘弁して欲しい。
「別にいいけど、おね、お願い聞いてくれるきゃ?」
「きゃ?」
「舌が回らないんだ。」
察してください。
「僕に近寄るにゃ。熱が移るぞ。」
「で、でも。」
「これは命令だ!」
僕の頑なな姿勢に負けたのか霊夏は、分かりました、と渋々出ていった。僕はふと目を瞑る。数秒で僕は夢の世界へ行くのだった。
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