21 / 46
第6章 谷海合 未咲紀の秘密
高熱
しおりを挟む
僕はみんなの分のジュースを買って、みんなのいる場所へ急いだ。
「みんなージュース買ってきたよー!」
僕はみんなにLサイズのジュースを手渡した。
「ありがとう霊也君。」
愛澄花がニッコリと笑ってお礼をしてきた。僕はいえいえと返した。幸せだ…と思っていた。でも僕は気付いてしまった。霊夏が…僕の妹が、悪巧みをしてそうな顔をしていることに気が付いた。
「…おい。霊夏。何考えてんだ?」
僕は少し戸惑いながら聞いた。すると霊夏は、さっきの表情を瞬時に変えて僕に、
「何でもないですよ。」
と言った。いや、何でもあるよね。何かすごい、何だろう。焦っているから語彙力が無くなってる…。でもそれほど嫌な予感がする。僕は思わず後退りし、逃げようとしていた。無意識に霊夏から距離を取ろうとしていた。すると霊夏はすごい勢いで僕を捕まえ、すごい力で引きずった。
「お兄ちゃん?どこ行くんですか?」
「や、やめろ妹よ!離せ!怖いってねぇねぇ。やめよ?ってかすごい力なんだが。」
どっからこんな力が出てんだよ。すごい妹を持ったなーと考えていると、ふと霊夏の考えていることが分かった気がした。周りを見渡す、やはり…こいつは。
「僕それ乗れないんだよ!?離せ!吐くぞ?絶対!無理だって無理無理!」
「お兄ちゃん?好き嫌いはダメですよ?」
「これに関してはもう命!命に関わる!」
「じゃあ危険ですね~。今のうちに克服しましょう。」
あ、駄目だ。何言っても通じない。そして例のアトラクションまで残り3メートル。終わった。
その後、僕は無理やり乗せられ、トイレにこもることになったとさ。はぁほんとに…ダメだよ?マジで。死んじゃうから。
次の日、理由不明の高熱が出た。いや、思い当たる節はある。あのアトラクションだ。霊夏は僕の熱を測り、青ざめていった。
「え…これって昨日のあれのせいですか…?」
「…そ、そうだろうな。だ、だから無理ってい、言ったんだ。」
上手く下が回らない。言葉は途切れ途切れにしか発せない。
「ご、ごめんなさい!お兄ちゃん!私が悪かったです!悪ノリしてすみません!」
霊夏はすごい勢いで謝ってきた。あの時の霊夏はまさに鬼だった。本当に、あれっきりで勘弁して欲しい。
「別にいいけど、おね、お願い聞いてくれるきゃ?」
「きゃ?」
「舌が回らないんだ。」
察してください。
「僕に近寄るにゃ。熱が移るぞ。」
「で、でも。」
「これは命令だ!」
僕の頑なな姿勢に負けたのか霊夏は、分かりました、と渋々出ていった。僕はふと目を瞑る。数秒で僕は夢の世界へ行くのだった。
「みんなージュース買ってきたよー!」
僕はみんなにLサイズのジュースを手渡した。
「ありがとう霊也君。」
愛澄花がニッコリと笑ってお礼をしてきた。僕はいえいえと返した。幸せだ…と思っていた。でも僕は気付いてしまった。霊夏が…僕の妹が、悪巧みをしてそうな顔をしていることに気が付いた。
「…おい。霊夏。何考えてんだ?」
僕は少し戸惑いながら聞いた。すると霊夏は、さっきの表情を瞬時に変えて僕に、
「何でもないですよ。」
と言った。いや、何でもあるよね。何かすごい、何だろう。焦っているから語彙力が無くなってる…。でもそれほど嫌な予感がする。僕は思わず後退りし、逃げようとしていた。無意識に霊夏から距離を取ろうとしていた。すると霊夏はすごい勢いで僕を捕まえ、すごい力で引きずった。
「お兄ちゃん?どこ行くんですか?」
「や、やめろ妹よ!離せ!怖いってねぇねぇ。やめよ?ってかすごい力なんだが。」
どっからこんな力が出てんだよ。すごい妹を持ったなーと考えていると、ふと霊夏の考えていることが分かった気がした。周りを見渡す、やはり…こいつは。
「僕それ乗れないんだよ!?離せ!吐くぞ?絶対!無理だって無理無理!」
「お兄ちゃん?好き嫌いはダメですよ?」
「これに関してはもう命!命に関わる!」
「じゃあ危険ですね~。今のうちに克服しましょう。」
あ、駄目だ。何言っても通じない。そして例のアトラクションまで残り3メートル。終わった。
その後、僕は無理やり乗せられ、トイレにこもることになったとさ。はぁほんとに…ダメだよ?マジで。死んじゃうから。
次の日、理由不明の高熱が出た。いや、思い当たる節はある。あのアトラクションだ。霊夏は僕の熱を測り、青ざめていった。
「え…これって昨日のあれのせいですか…?」
「…そ、そうだろうな。だ、だから無理ってい、言ったんだ。」
上手く下が回らない。言葉は途切れ途切れにしか発せない。
「ご、ごめんなさい!お兄ちゃん!私が悪かったです!悪ノリしてすみません!」
霊夏はすごい勢いで謝ってきた。あの時の霊夏はまさに鬼だった。本当に、あれっきりで勘弁して欲しい。
「別にいいけど、おね、お願い聞いてくれるきゃ?」
「きゃ?」
「舌が回らないんだ。」
察してください。
「僕に近寄るにゃ。熱が移るぞ。」
「で、でも。」
「これは命令だ!」
僕の頑なな姿勢に負けたのか霊夏は、分かりました、と渋々出ていった。僕はふと目を瞑る。数秒で僕は夢の世界へ行くのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
女帝の遺志(第二部)-篠崎沙也加と女子プロレスラーたちの物語
kazu106
大衆娯楽
勢いを増す、ブレバリーズ女子部と、直美。
率いる沙也加は、自信の夢であった帝プロマット参戦を直美に託し、本格的に動き出す。
一方、不振にあえぐ男子部にあって唯一、気を吐こうとする修平。
己を見つめ直すために、女子部への入部を決意する。
が、そこでは現実を知らされ、苦難の道を歩むことになる。
志桜里らの励ましを受けつつ、ひたすら練習をつづける。
遂に直美の帝プロ参戦が、現実なものとなる。
その壮行試合、沙也加はなんと、直美の相手に修平を選んだのであった。
しかし同時に、ブレバリーズには暗い影もまた、歩み寄って来ていた。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる