僕の周りの人達には秘密がある

第7章 時の思い出

願い ～お泊まり会2日目～

次の日、僕らは朝から散歩に出た。快晴が広がる空、緑豊かな道を歩きながら僕達は深呼吸をした。
｢良い天気にいい空気だね。｣
｢そうだね！｣
僕らは幸せを謳歌していた。幸せな時間、1番楽しかったな。僕が先導して道を歩いていると、突然僕の腕に未咲紀がしがみついてきた。
｢わわっ！どした！？｣
いきなりのことにパニックになると、未咲紀は恥ずかしそうに下を向きながら、
｢…命令…。｣
…昨日の王様ゲームだ…。まじかよ。
｢…あんな命令しなきゃ良かった。｣
僕の耳には愛澄花の独り言は全く届かないのであった。



｢今日は何しようか？｣
昨日と同じ、変わり映えがない今日。
｢今日は…買い物にでも行きましょう！｣
夢叶がそう言った。
｢じゃあみんな各々用意しよう。｣
｢公園集合な！｣
隼歌が僕の声真似をしてそう言った。
｢なんで公園なんだ？一緒にいるんだから一緒に行けばいいんじゃ？｣
夢叶はそれはねと一言置き、言った。
｢形から入るからよ！｣
ニシシと夢叶は笑った。僕は聞いたことのあるそのセリフに笑みをこぼして、
｢そっか。｣
も返した。
｢んじゃ、解散！｣
僕がそう言うと、みんながワーっと言いながら荷物がある部屋に行った。ただ1人。愛澄花だけが残っていた。
｢愛澄花は行かないのか？｣ 
僕が階段を登ろうとすると、
愛澄花はグイッと僕の服を引っ張って言った。
｢ちょっと家に残っててくれる？｣
と、僕はとりあえず
｢分かった…？｣
と返すのだった。







｢愛澄花～遅かったね。どうしたの？｣
私こと、石神隼歌は愛澄花がなかなか部屋に来ないことに疑問を抱いていた為、聞いた。
｢いや～スマホ探してて…｣
｢あったの？｣
｢内ポケットに入ってた。｣
いや、なんで気付かないのよ。そう思いつつ、支度ができた私は、
｢じゃあ私先行ってるね～。｣
そう言って部屋を出て、家を出た。








｢なんだろ…。残る理由って…。｣
僕は愛澄花に言われた残る理由を考えていた。
｢何か不満に思うことでもあるのか…。それとも嫌いだから金輪際近付くなとか…。え、これ結構不味いんじゃ…。｣
ネガティブな方向にしかいかない僕の頭を1度叩いた。
｢は！王様ゲームの撤回してくれるかも！｣












僕は準備ができた後、リビングに降りた。そこには愛澄花がいた。
｢愛澄花、残る用って…え？｣
愛澄花はズンズンと僕に近付いてきた。反射的に後ずさる僕は壁にぶつかっていた。
｢な、何？｣
僕は壁を背に横移動して、逃げようとした。でもカーペットで滑り、僕は転んでしまった。転んだ僕の上に乗り、愛澄花は顔をぐっと近付けた。突然のことにパニックになる僕。
｢私、｣
愛澄花は口を開いた。
｢雨流射君のことが、｣



｢好きなの。｣