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第21話
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俺の言い分に、ルカは小さく息をついた。
「仕方ありませんね……、ククリ様が一度決めたことに、私がどうこう言う権利はありません。
ただ、ククリ様……、あなたはアスランのことを未だになにもわかっていらっしゃらないようだ。
先に話しておきますが、アスランはククリ様との離婚には、決して首を縦には振らないでしょう。
ーーククリ様、お困りのときは、どうかまた私を頼ってください。
私は、いつも、いつまでも貴方の味方なのですから……」
ルカの真剣な瞳に、俺はうなずいた。
「わかった。ありがとう、ルカ」
「どういたしまして。お役に立てて、光栄の極みに存じます」
そう言って、王族にするみたいに、俺に敬礼するルカ。
そうだ。ルカはいつだって、俺のことを考えてくれていた。
あのときの湖の一件だって、ルカがいなかったら俺はどうなっていたことか……。
しかしーー、
ごめんルカ!!
今はこうするしかないんだ!!
俺は目をぎゅっとつぶって、俺の上着のポケットから小さな包みを取り出した。
「あのさ、ルカ、これ、いつもアスランが世話になっているお礼!
よかったら食べてみてよ!」
ーーそう、俺が差し出したのは、ネリーとの合作……、名付けて
『冥界への誘い~究極のDEATHクッキー~死神の囁きを添えて』
「こっ、これは……っ!?」
目をみはるルカ。
俺はへらりと微笑んでみせた。
「俺が心を込めて一生懸命作ったんだ。開けてみて!」
包みを開けると、およそクッキーの概念からかけ離れた毒々しい黒みがかかった紅色の物体が現れた!
このクッキーにはいろいろと、口にするのもはばかられる、絶対に入れてはいけないものが練り込んである……。
もちろんそれを一欠片でも口にすれば……。
ーーすまない、ルカ。これをそのあたりのお嬢さんや年配の方に食べさせるわけにはいかないんだ。これに耐えうるだけの強靭な体力をもった騎士(つまりはルカ)こそが、このクッキーの仕打ちに耐えられると俺は判断した。
ルカ、借りは必ず返す! だからひとまずここは耐えてくれ!!!!
「ククリ様……っ、私は今っ、猛烈に感動していますっ!!!!」
ルカはクッキーを一つ手に取ると、それをまるで大粒のダイヤモンドかなにかみたいに、それを透かしてまじまじと色んな角度から眺めた。
「あ、そう……、それはよかった」
ーーその感動は、おそらくお前がそれを口にした瞬間に、ボロボロに砕け散るであろう……!
「どうしましょう……? もったいなくて、口にすることなどとてもできません。
ククリ様! やはりこれは我が家に持って帰り、しばらくじっくりと鑑賞して楽しんだあとに……」
だああっ! それじゃ意味がねーんだよっ!
ここでルカが、まずさのあまり悶絶してぶっ倒れて、俺がどれほど破壊的な料理の腕を持っているかを、皆に知らしめなければ!!
「いや、いいから食べろよ、ルカ! 俺は、お前が食べるところを見たいんだよっ!!」
俺の剣幕に、
「そうですか。そこまでククリ様がおっしゃるなら……、では一つだけ……」
ルカが口を開けた瞬間ーー!
「ククリ、それは……、味見は済んでいるのかな?」
不穏な笑みを浮かべた、俺の夫が現れた!!!!
「仕方ありませんね……、ククリ様が一度決めたことに、私がどうこう言う権利はありません。
ただ、ククリ様……、あなたはアスランのことを未だになにもわかっていらっしゃらないようだ。
先に話しておきますが、アスランはククリ様との離婚には、決して首を縦には振らないでしょう。
ーーククリ様、お困りのときは、どうかまた私を頼ってください。
私は、いつも、いつまでも貴方の味方なのですから……」
ルカの真剣な瞳に、俺はうなずいた。
「わかった。ありがとう、ルカ」
「どういたしまして。お役に立てて、光栄の極みに存じます」
そう言って、王族にするみたいに、俺に敬礼するルカ。
そうだ。ルカはいつだって、俺のことを考えてくれていた。
あのときの湖の一件だって、ルカがいなかったら俺はどうなっていたことか……。
しかしーー、
ごめんルカ!!
今はこうするしかないんだ!!
俺は目をぎゅっとつぶって、俺の上着のポケットから小さな包みを取り出した。
「あのさ、ルカ、これ、いつもアスランが世話になっているお礼!
よかったら食べてみてよ!」
ーーそう、俺が差し出したのは、ネリーとの合作……、名付けて
『冥界への誘い~究極のDEATHクッキー~死神の囁きを添えて』
「こっ、これは……っ!?」
目をみはるルカ。
俺はへらりと微笑んでみせた。
「俺が心を込めて一生懸命作ったんだ。開けてみて!」
包みを開けると、およそクッキーの概念からかけ離れた毒々しい黒みがかかった紅色の物体が現れた!
このクッキーにはいろいろと、口にするのもはばかられる、絶対に入れてはいけないものが練り込んである……。
もちろんそれを一欠片でも口にすれば……。
ーーすまない、ルカ。これをそのあたりのお嬢さんや年配の方に食べさせるわけにはいかないんだ。これに耐えうるだけの強靭な体力をもった騎士(つまりはルカ)こそが、このクッキーの仕打ちに耐えられると俺は判断した。
ルカ、借りは必ず返す! だからひとまずここは耐えてくれ!!!!
「ククリ様……っ、私は今っ、猛烈に感動していますっ!!!!」
ルカはクッキーを一つ手に取ると、それをまるで大粒のダイヤモンドかなにかみたいに、それを透かしてまじまじと色んな角度から眺めた。
「あ、そう……、それはよかった」
ーーその感動は、おそらくお前がそれを口にした瞬間に、ボロボロに砕け散るであろう……!
「どうしましょう……? もったいなくて、口にすることなどとてもできません。
ククリ様! やはりこれは我が家に持って帰り、しばらくじっくりと鑑賞して楽しんだあとに……」
だああっ! それじゃ意味がねーんだよっ!
ここでルカが、まずさのあまり悶絶してぶっ倒れて、俺がどれほど破壊的な料理の腕を持っているかを、皆に知らしめなければ!!
「いや、いいから食べろよ、ルカ! 俺は、お前が食べるところを見たいんだよっ!!」
俺の剣幕に、
「そうですか。そこまでククリ様がおっしゃるなら……、では一つだけ……」
ルカが口を開けた瞬間ーー!
「ククリ、それは……、味見は済んでいるのかな?」
不穏な笑みを浮かべた、俺の夫が現れた!!!!
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