【完結】究極のざまぁのために、俺を捨てた男の息子を育てています!

.mizutama.

文字の大きさ
87 / 165

第87話 淫紋と媚薬

しおりを挟む
「じゃ、話はつけてあるから、朝までゆっくりここで寝ておけよ。俺は教会に戻ってシモンに大丈夫だって説明しておく。明日の朝、また迎えに来るから」

「うん、ありがと、ファウロス」

「ん、おやすみジュール」

 チュ、とほっぺたにキスされる。

「おやすみ……」

 俺は頭からシーツを被った。


 ーー身体が、熱い。

 あれから、ファウロスは俺の身体を拭いた後、俺の服を整えて、ベッドに寝かせてくれた。

 
 あんなことになって、恥ずかしすぎて死にそうだけど、ファウロス自身はあまり気にしていない様子なのが唯一の救いだ。



 ーー優しくて、いいやつだよな。

 俺の命を救ってくれたのも、シモンを助けたのも、もともとファウロスの持っている困った人を放っておけないという気質のせいだろう。

 ーー明日になれば、きっと元気になる。

 ファウロスの手でイカされてしまったせいか、まだ全身が重だるい感覚がある。
 だが、ファウロスの精を飲み込んだ俺は、きっと明日の朝には元気になっているはずだ。

 久しぶりのふかふかのベッドに、俺の身体は深く深く沈んでいくようだった。


 そして、俺はその晩、泥のように眠った……。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 そして、翌朝ーー。


 なぜだ……!

 俺は叫び出したい気分だった。

 なぜ、いったいどうして!?

 俺の身体は、もはやベッドから起き上がれないほど重くなっていた。


 ーーもしかして、昨日のファウロスとのこと、ぜんぜん効いてない?

 ーーやっぱり、経口摂取ではムリだったのか!?



「おはよー、ジュール。調子はどう?」

 鼻歌を歌いながら、部屋に入ってきたのはファウロス。

「ファウ、ロス……」

 俺の声はすでにかすれていた。

「あれ? 昨日よりひどくなってるのか? あー、やっぱり、口からじゃ駄目だったか」

 あまり驚いた様子もないファウロス。


「ごめん、昨日、せっかく……」

「大丈夫、大丈夫。どうせこんなことになるって、わかってたからさ」

 ファウロスは、ベッドのそばまで来ると、俺のおでこに手を置いた。

「わかってた……?」

 俺が見つめ返すと、ファウロスはバツが悪そうに唇をすぼめた。

「あの淫紋を見た様子じゃ、がっつりセックスしない限りはムリっぽいなー、とは。ま、勘、だけどさ……」

「じゃあ、なんで、昨日は……」

「だってジュールは俺とセックスするの、なんとしても回避したそうだったしさ。俺としては傷ついたけど、まあ、口からでも摂取すれば、少しは効くかもしれないし。結果的には、俺もジュールのお口でしてもらうのも、気持ちよかったしさ」

 ファウロスは俺の唇を撫でた。

「……っ!!」


「で、ジュール。さすがにもう、諦めもついただろ?」

 ファウロスは俺に微笑みかけると、ベッドの上に乗ってきた。

「へ、は? 諦め?」

 ファウロスの美貌が、俺を見下ろしている。

「うん、そう。もう俺ととことんセックスしないと、もうジュールの体調はもとに戻らないって、いい加減身体でわかったよな?」

 そしてファウロスは、シーツを剥ぎ取ると、そのまま俺のシャツに手をかけた。

「え……、ま、待って! いま、朝だし、起きたところ、だし……!」

「駄目、待たない」

 ファウロスはそのまま俺にのしかかると、俺の両手を頭の上にひとまとめにした。


「あ、ファウ、ロス……、あの、俺……っ」

 ファウロスはねっとりとした目つきで俺を見ると、ぺろりと唇を舐めた。

「これでも俺、お預けを食らわされたのって、初めて、なんだよね。だからさ、わかるだろ? ジュール。俺、今、あんたの淫紋とおんなじくらい、腹ペコなんだよね」

 ファウロスは俺の首筋をきつく吸った。

「あ、はぁっ……!」

「いい声。じゃ、遠慮なく……。せっかくなんだからさ、お互い、めちゃくちゃ気持ちよくなろ?」


 ファウロスはズボンのポケットから、硝子の小瓶を取り出した。中には紫色の液体が入っている。

「恥ずかしがり屋のジュールのために、さっき受付でもらってきたんだ。多分、この淫紋は、あんたが乱れれば乱れるほど、喜ぶと思うよ。そしてそうすればジュールの回復もそれだけ早い」

 言うと、ファウロスは小瓶の液体を一気にあおった。そして、そのまま俺に口移しで飲ませてくる。

「んんっ、あ、あ……」

 舌で唇をこじ開けられ、口蓋を舐められた。

「大丈夫、怖い薬じゃねーよ。とっても素直になって、気持ちよくなれるおクスリだよ」

 甘ったるい液体が俺の喉を伝っていく。飲み干すと、喉の奥から腹の中までカーっと熱くなる。


「ファウロスっ、俺っ、あ、なんか、熱くて……」

「俺もすごく熱いよ。早くジュールの中に入りたくて、たまんない!」

 ファウロスは、手早くシャツを脱ぎ捨てる。

 朝の光に照らされたファウロスの身体は、やはり何度見ても美しかった。


「俺っ、でも……」

 ファウロスが俺の身体のあちこちにキスしながら、シャツのボタンを一つずつ、外していく。

「ん?」

「ファウロスに申し訳ないよっ、だって、助けてもらったのに、俺の淫紋の対処までお願いするなんて!」

 俺の言葉に、ファウロスは人懐っこい笑みを浮かべた。


「何言ってんの? 淫紋も、媚薬も、全部言い訳だよ。
……ジュール、俺は今、あんたが欲しくてたまらない」

「あ、ふっ……」


 互いの素肌が触れ合うと、俺はたまらず吐息を漏らした。


しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

転生したら同性の婚約者に毛嫌いされていた俺の話

鳴海
BL
前世を思い出した俺には、驚くことに同性の婚約者がいた。 この世界では同性同士での恋愛や結婚は普通に認められていて、なんと出産だってできるという。 俺は婚約者に毛嫌いされているけれど、それは前世を思い出す前の俺の性格が最悪だったからだ。 我儘で傲慢な俺は、学園でも嫌われ者。 そんな主人公が前世を思い出したことで自分の行動を反省し、行動を改め、友達を作り、婚約者とも仲直りして愛されて幸せになるまでの話。

結婚間近だったのに、殿下の皇太子妃に選ばれたのは僕だった

BL
皇太子妃を輩出する家系に産まれた主人公は半ば政略的な結婚を控えていた。 にも関わらず、皇太子が皇妃に選んだのは皇太子妃争いに参加していない見目のよくない五男の主人公だった、というお話。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。 あれこれめんどくさいです。 学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。 冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。 主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。 全てを知って後悔するのは…。 ☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです! ☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。 囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317

ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。

夏笆(なつは)
BL
 公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。  ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。  そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。  初めての発情期を迎えようかという年齢になった。  これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。  しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。  男性しか存在しない、オメガバースの世界です。     改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。 ※蔑視する内容を含みます。

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

処理中です...