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【番外編】
シャルロット王女のサプライズパーティ その3
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「突然のお誘いで申し訳ありません。お待ちしておりましたわ」
優美といった表現そのもののシャルロット王女は、俺たちを部屋に迎え入れると、隣同士の席へと案内してくれた。
テーブルの上には、なんと俺が以前食べ損ねた朝摘みのブルーベリータルト!!
その他、豪華できらきらしたお菓子がいっぱい!
「ジュール卿は甘いものがお好きなのですよね。王宮のシェフが腕によりをかけて用意いたしましたので、たくさん召し上がってくださいね!」
「はい! ありがとうございます!」
そして、サプライズ・ティーパーティは始まった!!
だが……。
いったいどんなサプライズが始まるのかと期待していた俺だったが、ティーパーティはごく普通に過ぎていくだけだった。
俺はシャルロット殿下やご令嬢たちに、近況やテオドールとの生活、この度の引っ越しのことなどを尋ねられ、それに答えた。
一方、隣のテオドールといえば、あまりお菓子にも手をつけていないようだ。しかも、さっきから一言もしゃべらない!
――それほどこのティーパーティへの参加が不服だったのだろうか?
俺がブルーベリータルトを食べ終えて一息ついたところで、シャルロット王女はおもむろに立ち上がった。
「さて、ジュール卿のお腹も満たされたことですし……、では、準備はよろしいでしょうか? 皆様っ!?」
「「「ええ、もちろん!!」」」
ご令嬢の声がそろう。
「え? あ、あのっ……!」
「どうぞ楽になさって。痛いことはなにもありませんからね」
俺に向けて手をかざすシャルロット王女。
そして俺は……、なぜか次の瞬間、シャルロット殿下の手のひらからあふれ出た光の魔法に全身を包まれていたのだった!
温かい光に全身を包まれる。とても幸せなような、くすぐったいような、不思議な感覚だった。
――これが、シャルロット王女の光魔法!
……って、なんで俺が、魔法をかけられているわけっ!!??
なにがなんだか、さっぱりわからない!!!!
「「「「サプラーイズっ!!!!」」」」
4人の声がそろう。
俺は慌てて、自分の手のひらを見た。マリユスみたいに、赤ちゃんにされたのかと思ったのだ。
だが、俺の手は、相変わらずいつもの俺の手の大きさのようだった……。
「殿下? サプライズ、って、いったいなんのことで……」
その時、驚愕の眼差しで俺を見つめているテオドールの姿が目に入った。
「叔父、さま……」
テオドールは目を見開き、信じられないものを見たという目つきで俺を凝視している。
「え? テオ、何? 俺なにかおかしい!?」
「さあ、ジュール卿、鏡をどうぞ!」
あらかじめ準備されていたのか、豪華な装飾の手鏡をご令嬢から手渡された俺。
そして……、鏡の中を覗き込んだ俺は、息を呑んだ。
――なんか、いつもの俺より、若い……、気がする……!?
「こちら、18歳になりたてほやほやのジュール卿ですわ!」
かなり得意げなシャルロット王女。
「……18、さい……?」
俺はもう一度鏡を見る。そういえば、そんな気がしなくも、ない。
「さすがは殿下! 光魔法で、そんな緻密な調整がおできになるなんて!!」
「本当にすごいですわ。ジュール卿もこんなに可愛らしく……!!」
「きゃっ、18歳というと、今の我々よりも年下ですわね!」
「ふふ……。ちょっと苦心いたしましたわ。
18歳になったばかりに設定するというのは……」
ふぅ、とシャルロット殿下はレースのハンカチで額の汗をぬぐう。
「え……、俺、なんで、18歳、なんかに……」
まったくもって訳がわからない。現在26歳の俺を若干若返らせて、王女たちはいったい何がしたいというのだろう?
しかし……、
「殿下っ! 私が間違っておりました! やはり殿下は寛仁大度なお方ですっ!」
テオドールは急に片膝をつくと、シャルロット王女に忠誠を表す礼をした。
「ほほ、良いのですよ。黒の聖騎士。私はお二人の幸せを願うのみ!
ではジュール卿……」
シャルロット王女は、その澄んだブルーの瞳を俺に向けた。
「剣術大会のあの日、ジュール卿は私に約束してくださいましたわね。
この私のちょっとしたお願いと聞いてくださる、と」
「は、はい……」
なぜだろう。この時点ですでに嫌な予感しかしない……。
「では、設定を二つ用意いたしましたので、お二人でどちらがいいか選んでくださいね。
1.兄と弟 禁断の血縁関係
2.騎士と従騎士 禁断の主従関係
……さあ、どっち!?」
優美といった表現そのもののシャルロット王女は、俺たちを部屋に迎え入れると、隣同士の席へと案内してくれた。
テーブルの上には、なんと俺が以前食べ損ねた朝摘みのブルーベリータルト!!
その他、豪華できらきらしたお菓子がいっぱい!
「ジュール卿は甘いものがお好きなのですよね。王宮のシェフが腕によりをかけて用意いたしましたので、たくさん召し上がってくださいね!」
「はい! ありがとうございます!」
そして、サプライズ・ティーパーティは始まった!!
だが……。
いったいどんなサプライズが始まるのかと期待していた俺だったが、ティーパーティはごく普通に過ぎていくだけだった。
俺はシャルロット殿下やご令嬢たちに、近況やテオドールとの生活、この度の引っ越しのことなどを尋ねられ、それに答えた。
一方、隣のテオドールといえば、あまりお菓子にも手をつけていないようだ。しかも、さっきから一言もしゃべらない!
――それほどこのティーパーティへの参加が不服だったのだろうか?
俺がブルーベリータルトを食べ終えて一息ついたところで、シャルロット王女はおもむろに立ち上がった。
「さて、ジュール卿のお腹も満たされたことですし……、では、準備はよろしいでしょうか? 皆様っ!?」
「「「ええ、もちろん!!」」」
ご令嬢の声がそろう。
「え? あ、あのっ……!」
「どうぞ楽になさって。痛いことはなにもありませんからね」
俺に向けて手をかざすシャルロット王女。
そして俺は……、なぜか次の瞬間、シャルロット殿下の手のひらからあふれ出た光の魔法に全身を包まれていたのだった!
温かい光に全身を包まれる。とても幸せなような、くすぐったいような、不思議な感覚だった。
――これが、シャルロット王女の光魔法!
……って、なんで俺が、魔法をかけられているわけっ!!??
なにがなんだか、さっぱりわからない!!!!
「「「「サプラーイズっ!!!!」」」」
4人の声がそろう。
俺は慌てて、自分の手のひらを見た。マリユスみたいに、赤ちゃんにされたのかと思ったのだ。
だが、俺の手は、相変わらずいつもの俺の手の大きさのようだった……。
「殿下? サプライズ、って、いったいなんのことで……」
その時、驚愕の眼差しで俺を見つめているテオドールの姿が目に入った。
「叔父、さま……」
テオドールは目を見開き、信じられないものを見たという目つきで俺を凝視している。
「え? テオ、何? 俺なにかおかしい!?」
「さあ、ジュール卿、鏡をどうぞ!」
あらかじめ準備されていたのか、豪華な装飾の手鏡をご令嬢から手渡された俺。
そして……、鏡の中を覗き込んだ俺は、息を呑んだ。
――なんか、いつもの俺より、若い……、気がする……!?
「こちら、18歳になりたてほやほやのジュール卿ですわ!」
かなり得意げなシャルロット王女。
「……18、さい……?」
俺はもう一度鏡を見る。そういえば、そんな気がしなくも、ない。
「さすがは殿下! 光魔法で、そんな緻密な調整がおできになるなんて!!」
「本当にすごいですわ。ジュール卿もこんなに可愛らしく……!!」
「きゃっ、18歳というと、今の我々よりも年下ですわね!」
「ふふ……。ちょっと苦心いたしましたわ。
18歳になったばかりに設定するというのは……」
ふぅ、とシャルロット殿下はレースのハンカチで額の汗をぬぐう。
「え……、俺、なんで、18歳、なんかに……」
まったくもって訳がわからない。現在26歳の俺を若干若返らせて、王女たちはいったい何がしたいというのだろう?
しかし……、
「殿下っ! 私が間違っておりました! やはり殿下は寛仁大度なお方ですっ!」
テオドールは急に片膝をつくと、シャルロット王女に忠誠を表す礼をした。
「ほほ、良いのですよ。黒の聖騎士。私はお二人の幸せを願うのみ!
ではジュール卿……」
シャルロット王女は、その澄んだブルーの瞳を俺に向けた。
「剣術大会のあの日、ジュール卿は私に約束してくださいましたわね。
この私のちょっとしたお願いと聞いてくださる、と」
「は、はい……」
なぜだろう。この時点ですでに嫌な予感しかしない……。
「では、設定を二つ用意いたしましたので、お二人でどちらがいいか選んでくださいね。
1.兄と弟 禁断の血縁関係
2.騎士と従騎士 禁断の主従関係
……さあ、どっち!?」
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