20 / 84
20.花束とステーキと騎士団のエース
しおりを挟む
夜も更けたところで、俺の森小屋の扉が礼儀正しくノックされた。
俺は飛び上がるようにして立ちあがると、慌てて扉を開ける。
そしてもちろん、そこには俺の麗しの想い人、シヴァ・ミシュラの凛々しい姿があった。
――やっぱり、現実だったんだ!!
今更ながら、感動に打ち震える俺。
「不用心だな。開ける前に、誰が外に立っているのか確認した方がいい」
俺にちらりと目を向けると、シヴァは小さくため息をつく。
「でも……、今日ここに来るのはあなたしかいないし……」
俺がシヴァを招き入れると、シヴァはあらためてあたりを見渡した。
今日は事前にシヴァが来ることがわかっていたため、床の水拭きまでする徹底的な掃除をしていた!
床はいつもより光っていたが、元が元だけに、やはり俺とは身分の違いすぎるシヴァにはこの場所はあまりにも不釣り合いに見えた。
「あの……」
もちろん仕事を終えて帰宅してから、俺自身も浴室で徹底的に磨き上げていたが……。
――なにしろ、手順が、わからない。
いつもここにくるキリカやラムだったら、適当につまみをつくって出すと、そのまま酒盛りが始まるのが常だったが、ここにいるシヴァは俺と酒を飲みながら語らいに来たわけではない。
このまま奥にある、ベッドに案内するのが正解なのだろうか?
考えあぐねている俺の鼻先に、急に豪勢な花束が突きつけられた。
「……?」
「これを」
怒ったようなシヴァの顔。
「これは……?」
「花だ!」
いや、それは見たらわかる!
その花束は、とても珍しいファーニル薔薇の花束だった。ものすごくたくさんの数の薔薇が、高級そうな金色のリボンでまとめられている。
ちなみにファーニル薔薇とは、ほとんど黒に近い濃紫色をしていて、花びらの先が金色に光る大変珍しいバラだ。またこの薔薇の花言葉は「忠誠心」で、特に騎士に好まれていると聞く。
だから、つまり、これは……。
「えーっと、今日は騎士団の帰りですか?」
俺は騎士団の青い制服のシヴァに聞いた。
「そうだ。マヤ王女に謁見し、そのままここに来た」
なるほど!!
俺の愚鈍な頭にもひらめくものがあった。
だからたぶんこの花束は、護衛騎士を辞めたシヴァへ、王女からのはなむけで贈られたものなのだ! なにしろ、シヴァのイメージにぴったりだし!
だから俺の家でのシヴァの滞在中、この大変貴重な花束を、俺は責任を持って預からねばならない!!
「すみません、うち、花瓶がなくて! だから木桶につけて枯れないようにしておけば大丈夫ですか?」
「ああ、それで十分だ」
シヴァの返事にホッとした俺は、慌てて洗面所に向かった。
――これで、よしっと。
なみなみと水を入れた木桶に、花束を入れた俺は、居間(といっても一間しかないのだが!)に戻った。
そして、手狭なキッチンスペースをなにやらのぞき込んでいるシヴァに、俺は固まってしまった。
「いい匂いがするな……」
「あ! すみません、においますよね!? 明日の定食の試作品を作っていて……」
明日の定食は、第三騎士団がチーム戦で仕留めたという大型炎獣の赤身肉をつかったステーキにするつもりで、今日の俺の夕食はその試作品だった。
ただ、これからシヴァが来るかもしれないというドキドキ感から、ほとんど食事が喉を通らなかったため、手つかずの状態でフライパンの上に残っていた。
匂いが気にならないように木の蓋をしておいたのだが、もしかして俺が気づいていなかっただけで、この部屋中が赤身肉のステーキ臭かったのかも!?
「うまそうな匂いだ。肉を焼いたのか?」
青ざめる俺だったが、意外にもシヴァはフライパンの中身に興味を示している!
「はい、大型炎獣の赤身肉のステーキです。でももうすっかり冷めてしまっていますし……」
「炎獣の肉は、俺の好物だ」
期待に満ちたシヴァの瞳。
これって、もしかして……!?
「あ、そうなんですね!? ……えーっと、もしよかったら……?」
「いただこう!」
まさかの俺の手料理を、シヴァにふるまえる日が来るとは!!(※注 夕食の残り物)
俺は飛び上がるようにして立ちあがると、慌てて扉を開ける。
そしてもちろん、そこには俺の麗しの想い人、シヴァ・ミシュラの凛々しい姿があった。
――やっぱり、現実だったんだ!!
今更ながら、感動に打ち震える俺。
「不用心だな。開ける前に、誰が外に立っているのか確認した方がいい」
俺にちらりと目を向けると、シヴァは小さくため息をつく。
「でも……、今日ここに来るのはあなたしかいないし……」
俺がシヴァを招き入れると、シヴァはあらためてあたりを見渡した。
今日は事前にシヴァが来ることがわかっていたため、床の水拭きまでする徹底的な掃除をしていた!
床はいつもより光っていたが、元が元だけに、やはり俺とは身分の違いすぎるシヴァにはこの場所はあまりにも不釣り合いに見えた。
「あの……」
もちろん仕事を終えて帰宅してから、俺自身も浴室で徹底的に磨き上げていたが……。
――なにしろ、手順が、わからない。
いつもここにくるキリカやラムだったら、適当につまみをつくって出すと、そのまま酒盛りが始まるのが常だったが、ここにいるシヴァは俺と酒を飲みながら語らいに来たわけではない。
このまま奥にある、ベッドに案内するのが正解なのだろうか?
考えあぐねている俺の鼻先に、急に豪勢な花束が突きつけられた。
「……?」
「これを」
怒ったようなシヴァの顔。
「これは……?」
「花だ!」
いや、それは見たらわかる!
その花束は、とても珍しいファーニル薔薇の花束だった。ものすごくたくさんの数の薔薇が、高級そうな金色のリボンでまとめられている。
ちなみにファーニル薔薇とは、ほとんど黒に近い濃紫色をしていて、花びらの先が金色に光る大変珍しいバラだ。またこの薔薇の花言葉は「忠誠心」で、特に騎士に好まれていると聞く。
だから、つまり、これは……。
「えーっと、今日は騎士団の帰りですか?」
俺は騎士団の青い制服のシヴァに聞いた。
「そうだ。マヤ王女に謁見し、そのままここに来た」
なるほど!!
俺の愚鈍な頭にもひらめくものがあった。
だからたぶんこの花束は、護衛騎士を辞めたシヴァへ、王女からのはなむけで贈られたものなのだ! なにしろ、シヴァのイメージにぴったりだし!
だから俺の家でのシヴァの滞在中、この大変貴重な花束を、俺は責任を持って預からねばならない!!
「すみません、うち、花瓶がなくて! だから木桶につけて枯れないようにしておけば大丈夫ですか?」
「ああ、それで十分だ」
シヴァの返事にホッとした俺は、慌てて洗面所に向かった。
――これで、よしっと。
なみなみと水を入れた木桶に、花束を入れた俺は、居間(といっても一間しかないのだが!)に戻った。
そして、手狭なキッチンスペースをなにやらのぞき込んでいるシヴァに、俺は固まってしまった。
「いい匂いがするな……」
「あ! すみません、においますよね!? 明日の定食の試作品を作っていて……」
明日の定食は、第三騎士団がチーム戦で仕留めたという大型炎獣の赤身肉をつかったステーキにするつもりで、今日の俺の夕食はその試作品だった。
ただ、これからシヴァが来るかもしれないというドキドキ感から、ほとんど食事が喉を通らなかったため、手つかずの状態でフライパンの上に残っていた。
匂いが気にならないように木の蓋をしておいたのだが、もしかして俺が気づいていなかっただけで、この部屋中が赤身肉のステーキ臭かったのかも!?
「うまそうな匂いだ。肉を焼いたのか?」
青ざめる俺だったが、意外にもシヴァはフライパンの中身に興味を示している!
「はい、大型炎獣の赤身肉のステーキです。でももうすっかり冷めてしまっていますし……」
「炎獣の肉は、俺の好物だ」
期待に満ちたシヴァの瞳。
これって、もしかして……!?
「あ、そうなんですね!? ……えーっと、もしよかったら……?」
「いただこう!」
まさかの俺の手料理を、シヴァにふるまえる日が来るとは!!(※注 夕食の残り物)
2,179
あなたにおすすめの小説
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる